“引落”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきおと66.7%
ひきおとし33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
串戯じょうだんにしてもと、私は吃驚びっくりして、ことばも出ぬのに、女はすぐに幅狭はばぜまな帯を解いた。膝へ手繰たぐると、そでを両方へ引落ひきおとして、雪を分けるように、するりと脱ぐ。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
引断ひっちぎれたやうに残つて、あわせはのけざまにずる/\とたたみの上を引摺ひきずらるゝ、わきあけのあたり、ちら/\と、のこンの雪も消え、目も消えて、すその端がひるがへつたと思ふと、さかしまに裏庭へ引落ひきおとされた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もうかれこれ三十年以来このかたというもの、もがりも、ねだりも、勾引かどわかしも、引落ひきおとしも何にもしねえ。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)