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離座敷
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はなれざしき
ふりがな文庫
“
離座敷
(
はなれざしき
)” の例文
申上げても
嘘
(
うそ
)
だといっておしまいなさいましょう。(半ば
独言
(
ひとりごと
)
のように、心配らしく。)ははあ、あの
離座敷
(
はなれざしき
)
に隠れておったわい。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
平馬は
鳥渡
(
ちょっと
)
、妙に考えたがそのまま、女に
跟
(
つ
)
いて行った。女中は本降になった外廊下を抜けて、
女竹
(
めだけ
)
に囲まれた
離座敷
(
はなれざしき
)
に案内した。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一晩
(
ひとばん
)
、
其
(
そ
)
のお
醫師
(
いしや
)
の
離座敷
(
はなれざしき
)
のやうな
處
(
ところ
)
に
泊
(
と
)
められますと、
翌朝
(
あけのあさ
)
、
咽喉
(
のど
)
へも
通
(
とほ
)
りません
朝御飯
(
あさごはん
)
が
濟
(
す
)
みました。
間
(
ま
)
もなくでございましたの。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
数月の後、保は
高町
(
たかまち
)
の坂下、紺屋町西端の雑貨商
江州屋
(
ごうしゅうや
)
速見平吉
(
はやみへいきち
)
の
離座敷
(
はなれざしき
)
を借りて
遷
(
うつ
)
った。この江州屋も今なお存しているそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
『やア、
僕
(
ぼく
)
は
今
(
いま
)
、フアーマーをして
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
だ。まア
上
(
あが
)
り
給
(
たま
)
へ。
直
(
ぢ
)
き
足
(
あし
)
を
洗
(
あら
)
ふ。
離座敷
(
はなれざしき
)
は
見晴
(
みはら
)
しが
好
(
い
)
いから』と
客
(
きやく
)
を
好
(
この
)
む。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
あの日以来、七日の間、先生は暇さえあれば津国屋の
離座敷
(
はなれざしき
)
で腕組をして考えていたが、今度ばかりはどうしても事件の核心を
衝
(
つ
)
くことが出来ない。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
草鞋が追うて来ないよう戸締を固めて私は
離座敷
(
はなれざしき
)
へ座ったまま神経は飛出したまま、夜の明けるのを待ちました、なるほど秋の夜は長いものだと知りました。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
そして一方の
間
(
ま
)
が、母屋で、また一方が
離座敷
(
はなれざしき
)
になっていて、それが私の書斎兼寝室であったのだ。
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
「家族のものは誰も知らなかった様子です。併し、気違いは裏の
離座敷
(
はなれざしき
)
にいたのだから、窓から出て塀をのり越せば、誰にも知られず外に出ることが出来るのですよ」
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし僕は、柿丘邸の玄関と茶の間と台所と彼の書斎と、僕が泊るときにはいつも寝床をとってもらうことになっている
離座敷
(
はなれざしき
)
との外には、立ち入らぬ様にきめていた。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と見れば葡萄棚ありてあたり薄暗し。娘は奥まりたる
離座敷
(
はなれざしき
)
とも覚しき
一間
(
ひとま
)
の障子外より押開きてづかづかと内に
上
(
あが
)
り破れし
襖
(
ふすま
)
より夜のもの
取出
(
とりいだ
)
して
煤
(
すす
)
けたる畳の上に敷きのべたり。
葡萄棚
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
保養
(
ほよう
)
の
為
(
た
)
めに、この
娘
(
むすめ
)
が
一人
(
ひとり
)
の
老女
(
ろうじょ
)
に
附添
(
つきそ
)
われて、
三崎
(
みさき
)
の
遠
(
とお
)
い
親戚
(
しんせき
)
に
当
(
あた
)
るものの
離座敷
(
はなれざしき
)
に
引越
(
ひっこし
)
してまいりましたのは、それから
間
(
ま
)
もないことで、ここではしなくも
願掛
(
がんが
)
けの
話
(
はなし
)
が
始
(
はじ
)
まるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
鉄平は戸口をつと
這入
(
はひ
)
つて、正面にある
離座敷
(
はなれざしき
)
の雨戸を
半棒
(
はんぼう
)
で
敲
(
たゝ
)
きこはした。戸の破れた所からは烟が出て、火薬の
臭
(
にほひ
)
がした。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私たち二人は、その晩、長野の町の
一大構
(
あるおおがまえ
)
の旅館の奥の、
母屋
(
おもや
)
から板廊下を遠く隔てた
離座敷
(
はなれざしき
)
らしい十畳の広間に泊った。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嘗
(
かつ
)
て殿様のお
鷹野
(
たかの
)
の時に、御休息所になったという十畳の
離座敷
(
はなれざしき
)
は、障子が新しく
張換
(
はりか
)
えられ、床の間に古流の松竹が
生
(
い
)
けられて、
寂
(
さ
)
びの深い重代の
金屏風
(
きんびょうぶ
)
が二枚建てまわしてある。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
美吉屋
(
みよしや
)
の家には、
坤
(
ひつじさる
)
の
隅
(
すみ
)
に
離座敷
(
はなれざしき
)
がある。
周囲
(
まはり
)
は
小庭
(
こには
)
になつてゐて、
母屋
(
おもや
)
との間には、小さい戸口の附いた
板塀
(
いたべい
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「奥の
離座敷
(
はなれざしき
)
だよ、……船の間——とおいでなすった。ああ、
佳
(
い
)
い
見晴
(
みはらし
)
、と言いてえが、暗くッて
薩張
(
さっぱり
)
分らねえ。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分との事のために、
離座敷
(
はなれざしき
)
か、
座敷牢
(
ざしきろう
)
へでも、送られて
行
(
ゆ
)
くように思われた、
後前
(
あとさき
)
を
引挟
(
ひっぱさ
)
んだ三人の
漢
(
おとこ
)
の首の、兇悪なのが、
確
(
たしか
)
にその意味を語っていたわ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「待て」と、平八郎が
離座敷
(
はなれざしき
)
の雨戸の内から叫んだ。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
裏
(
うら
)
の
田圃
(
たんぼ
)
を、
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
から、
藜
(
あかざ
)
の
杖
(
つゑ
)
を
支
(
つ
)
いて、
畝路
(
あぜみち
)
づたひに、
私
(
わたし
)
が
心細
(
こゝろぼそ
)
い
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
を
見
(
み
)
て
居
(
を
)
ります、
離座敷
(
はなれざしき
)
へ、のそ/\と
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
ました、
髯
(
ひげ
)
の
白
(
しろ
)
い、
赤
(
あか
)
ら
顏
(
がほ
)
の、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、
茶色
(
ちやいろ
)
の
被布
(
ひふ
)
を
着
(
き
)
て
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
離
常用漢字
中学
部首:⾫
19画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“離”で始まる語句
離
離屋
離室
離縁
離家
離亭
離々
離別
離房
離反