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隠家
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かくれが
ふりがな文庫
“
隠家
(
かくれが
)” の例文
旧字:
隱家
そこで探偵はその夜一夜まんじりともしないで脳細胞を
酷使
(
こくし
)
した
揚句
(
あげく
)
、夜の明けるのを待って、稀代の怪賊烏啼天駆の
隠家
(
かくれが
)
へ乗込んだ。
心臓盗難:烏啼天駆シリーズ・2
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、人々が、騒ぎ始める時分には、椅子の中の
隠家
(
かくれが
)
へ逃げ帰って、息を
潜
(
ひそ
)
めて、彼等の間抜けな捜索を、見物していればよいのです。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
間の悪さは、
馬蛤貝
(
まてがい
)
のちょうど
隠家
(
かくれが
)
。——塩を入れると飛上るんですってねと、娘の目が、穴の上へ、ふたになって、
熟
(
じっ
)
と
覗
(
のぞ
)
く。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
橋本氏には大工作兵衛を連れて、いかにもして彼等の
隠家
(
かくれが
)
へ往き、
自裁
(
じさい
)
するやうに勧めて貰ふことを頼むと云ふのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その日以来、支那式の温室は、私達に執っては何より楽しい
隠家
(
かくれが
)
となったのでございます。恋の隠家、接吻の場所——
媾曳
(
あいびき
)
の
場
(
にわ
)
となったのでした。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「野郎、あじな真似をやりやがったな、だがなアそんなことで
己様
(
おれさま
)
たちの
隠家
(
かくれが
)
へ忍びこめると思うとあてが違うぞ」
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
安「
汝
(
てまえ
)
馬を引いておれの
隠家
(
かくれが
)
まで来い、あの明神山の五本杉の中に一本大きな
楠
(
くすのき
)
がある、其の裏の小山がある処に、少しばかり同類を集めているんだ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて両人は小梅の
隠家
(
かくれが
)
へ着いて、呉羽之介は客人をおのが居間へと招じ上げ、それから茶が出る酒肴が出ます。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
あまりといへば事の意外なるにわれはこの
精舎
(
しょうじゃ
)
のいかなる訳ありてかかる浅間しき女の
隠家
(
かくれが
)
とはなれるにや。
葡萄棚
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『お
爺
(
じい
)
さま、
矢張
(
やは
)
り
昔
(
むかし
)
の
隠家
(
かくれが
)
のあった
所
(
ところ
)
でございます。
大
(
たい
)
そう
立派
(
りっぱ
)
なお
宮
(
みや
)
で、
私
(
わたくし
)
には
勿体
(
もったい
)
のうございます。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
第一に忍び入った神秘の曲者は何者であるか? マチニョン街の
隠家
(
かくれが
)
を知っておるものは、彼のために特殊の秘書を勤めていたジルベールの
外
(
ほか
)
には無いはずだ。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
非常手段で娘を奪略しても
隠家
(
かくれが
)
に困ることだ、そこで案内社へ随分高い金を掴ませて到頭迅雷的に
彼家
(
あのいえ
)
を買ってしまったものだ、弟と同じ家に置くのは困るからね
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
大阪で、大塩平八郎の騒動のあったとき、
惣年寄
(
そうどしより
)
として火消人足を引きつれて大塩父子の
隠家
(
かくれが
)
を取り巻き、そしてこの父子の
最期
(
さいご
)
を見届けたという、その人である。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
貫一はかの一別の後
三度
(
みたび
)
まで彼の
隠家
(
かくれが
)
を訪ひしかど、
毎
(
つね
)
に不在に会ひて、二度に及べる消息の返書さへあらざりければ、安否の
如何
(
いかが
)
を満枝に
糺
(
ただ
)
せしに、変る事無く
其処
(
そこ
)
に住めりと言ふに
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
爾
(
なんじ
)
は余の
隠家
(
かくれが
)
となれり、余に枕する場所なきに至て余は爾の
懐
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れり、地に足の立つべき処なきに至て我全心は天に逍遙するに至れり、周囲の暗黒は天体を
窺
(
うかが
)
うにあたって必要なるがごとく
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
少しも優れたところのない——に最後の
隠家
(
かくれが
)
を求めたに過ぎない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「それは好い
隠家
(
かくれが
)
だ。早速そこへ船を廻して貰いたいな」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
所謂
(
いわゆる
)
落語と申しましては一夜限り
或
(
あるい
)
は二日続きぐらいのもの、其の内で永く続きましたのが
新皿屋敷
(
しんさらやしき
)
、
下谷義賊
(
したやぎぞく
)
の
隠家
(
かくれが
)
、かさねヶ
淵
(
ふち
)
の三種などでございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼女はその
隠家
(
かくれが
)
から帰る時には、乱れた髪をときつけるのに、鏡の前で三十分も費すのが常であったから。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その代り、そうするには何処か人知れぬ心の
隠家
(
かくれが
)
を求めて、時々
生命
(
いのち
)
の洗濯をする必要を感じた。
宿
(
やど
)
なしの乞食でさえも眠るにはなお橋の下を求めるではないか。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ようやくにしてシャートーブリヤン町の
隠家
(
かくれが
)
に帰ったルパンは血にまみれた顔を洗って、失神した様に一時間も長椅子に横たわっていた。彼は始めて飼犬に手を咬まれた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
しかし義理がありますから、必ずこんな
処
(
ところ
)
に
隠家
(
かくれが
)
があると、町へ帰っても言うのではありません、と蒼白い顔して言い聞かす
中
(
うち
)
に、
駕籠
(
かご
)
が
舁
(
か
)
かれて、うとうとと十四、五
町
(
ちょう
)
。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
爺
(
じい
)
さんはそんなことを
言
(
い
)
って、まじめに
取合
(
とりあ
)
ってくださいませんので、
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ずちょっと
統一
(
とういつ
)
して、のぞいて
見
(
み
)
ると、
果
(
はた
)
してお
宮
(
みや
)
の
所在地
(
しょざいち
)
は、
私
(
わたくし
)
の
昔
(
むかし
)
の
隠家
(
かくれが
)
のあったところで
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「さあさあ桐兵衛の
隠家
(
かくれが
)
へ行こう」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
併し考えて見ると、幽霊男には至極ふさわしい
隠家
(
かくれが
)
だ。彼奴こんな化物屋敷に人目を忍んで、こっそり思いもかけぬ場所へ現れては、様々の悪事を行っているのだ。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もう是れまで来れば宜いと思うと益々雪の降る気候に向って、
行
(
ゆ
)
く事も出来ませんから、人知れず
千島村
(
ちしまむら
)
という処へ参って、
水無瀬
(
みなせ
)
の神社の
片傍
(
かたほとり
)
の
隠家
(
かくれが
)
に身を潜め
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
われ、凉しき
隠家
(
かくれが
)
の
中
(
うち
)
に進み入れば、果実の
匂
(
におい
)
のいかに清凉なる。思はずためらひて、耳を澄す。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし考えるといまいましくもあれば、また不安でもあるので、直ちにマチニョン街の
隠家
(
かくれが
)
を畳んでしまって、こんな縁喜でもない所へまたと足をふみ入れまいと決心した。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
二俣
(
ふたまた
)
の奥、
戸室
(
とむろ
)
の
麓
(
ふもと
)
、岩で城を
築
(
つ
)
いた山寺に、
兇賊
(
きょうぞく
)
籠
(
こも
)
ると知れて、まだ
邏卒
(
らそつ
)
といった時分、
捕方
(
とりかた
)
が
多人数
(
たにんず
)
、
隠家
(
かくれが
)
を取巻いた時、表門の
真只中
(
まっただなか
)
へ、その
親仁
(
おやじ
)
だと言います、六尺一つの
丸裸体
(
まるはだか
)
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これが手前の改心の証拠、何うか恐入りまするが、
明日
(
みょうにち
)
夕景、手前
隠家
(
かくれが
)
まで御尊来下さりますれば有難いことで、申すまでもなく
頭髪
(
あたま
)
を
剃
(
そり
)
こぼち、墨の
法衣
(
ころも
)
を着て
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心ゆくばかり半日を語り尽して酒亭を出でしが表通は相撲の打出し間際にて電車の雑沓
甚
(
はなはだ
)
しかりければ、しばしが
間
(
うち
)
とて再びわが
隠家
(
かくれが
)
の二階に
請
(
しょう
)
じて初夜過ぐる頃までも語りつづけぬ。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
梓は幾ほどもなく仏文の手紙を得て、この
隠家
(
かくれが
)
を出て、再び寄宿舎の
卓子
(
テイブル
)
にバイロンの詩集を
繙
(
ひもど
)
いて粛然とする身になったが、もとより
可懐
(
なつか
)
しい天神下はますます床しいものと成り
増
(
まさ
)
ったのである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前さんがそうしなければ気が済まんとなれば出家にでも何にでもお成りなさい、折角のお頼みだから
明日
(
みょうにち
)
夕景までに、お前さんの
隠家
(
かくれが
)
は知りませんが、尋ねて
行
(
ゆ
)
きましょう
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新吉が敵の
隠家
(
かくれが
)
を教えて知っているに、お前が
斯
(
こ
)
う遣ってべん/″\と寺にいてはならん、兄さん姉さんも草葉の蔭で成仏する事が出来ないから敵を討って浮ばして呉れろと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遂に改心して、
隠家
(
かくれが
)
を退散するというまでになり、また圖書が頼みに依って明晩竹ヶ崎の南山へ乗込んで同類を
追払
(
おっぱら
)
って、この土地を洗い清めようという我が了簡から一部始終を詳しく話して
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
春部梅三郎は
件
(
くだん
)
の
隠家
(
かくれが
)
に一人で寝て居り、
行灯
(
あんどう
)
を側へ引寄せて、いつぞや
邸
(
やしき
)
を出る時に
引裂
(
ひきさ
)
いた
文
(
ふみ
)
は、何事が書いてあったか、事に取紛れて碌々読まなかったが、と取出して
慰
(
なぐさ
)
み半分に
繰披
(
くりひら
)
き
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
麹屋へ参って恥かしい身の上になりましたが、幸いに富五郎が来て、これ/\の訳と残らず自分の口から申して、一角の
隠家
(
かくれが
)
もこれ/\と知れましたから、女ながらも富五郎は首尾能く
打留
(
うちと
)
めたから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隠
常用漢字
中学
部首:⾩
14画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“隠”で始まる語句
隠
隠匿
隠岐
隠蔽
隠密
隠袋
隠居
隠遁
隠棲
隠栖