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迷
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まよひ
ふりがな文庫
“
迷
(
まよひ
)” の例文
盛遠は、
迷
(
まよひ
)
がさめて出家するのぢや。俺は、最愛の妻を失うて、いな最愛の妻に、不覺者と見離されて、墨のやうな心を以て、出家するのぢや。
袈裟の良人
(旧字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
戀せる今を
迷
(
まよひ
)
と觀れば、悟れる昔の慕ふべくも思はれず、悟れる今を戀と觀れば、昔の迷こそ中々に樂しけれ。戀ほど世に
訝
(
いぶか
)
しきものはあらじ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
此男は
Hartmann
(
ハルトマン
)
の
迷
(
まよひ
)
の三期を承認してゐる。ところであらゆる
錯迷
(
さくめい
)
を打ち破つて置いて、生を肯定しろと云ふのは無理だと云ふのである。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
聞及びしゆゑ家來に
召抱
(
めしかゝ
)
へたく
遙々
(
はる/″\
)
此處まで參りしなり
聊
(
いさゝ
)
かの金子などに心を
掛
(
かけ
)
る事なく
予
(
よ
)
に
隨身
(
ずゐしん
)
なすべし
追
(
おつ
)
ては五萬石以上に取立て大名にし
遣
(
つか
)
はすべし
迷
(
まよひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
微
(
かす
)
かに/\、お
答
(
こたへ
)
のあつた
樣
(
やう
)
にも
思
(
おも
)
はれたが、それも
心
(
こゝろ
)
の
迷
(
まよひ
)
と
信
(
しん
)
じて、
其後
(
そのゝち
)
朝日島
(
あさひじま
)
に
漂着
(
へうちやく
)
して、
或
(
ある
)
時
(
とき
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
に
此事
(
このこと
)
を
語
(
かた
)
つた
時
(
とき
)
、
大佐
(
たいさ
)
は
貴女
(
あなた
)
の
運命
(
うんめい
)
を
卜
(
ぼく
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
為すところ無くして
空
(
むなし
)
き
迷
(
まよひ
)
に
弄
(
もてあそ
)
ばれつつ、終に移すべからざる三月三日の
来
(
きた
)
るに会へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この水の下にこそ不思議な世界があると思つたのは、やはりおれの
迷
(
まよひ
)
だつたのであらうか。
沼
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長順 (回想に耽るが如く夢幻的に、)
彼
(
か
)
の時其方は全盛の歌ひ
女
(
め
)
、殊に但馬守殿が執着のおもひ者、われは貧しき沙門の
小忰
(
こせがれ
)
、どうせ儘ならぬ二人の中、思ふが
迷
(
まよひ
)
と人にもいはれ
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
且
(
かつ
)
又
(
また
)
これまでの
暦
(
こよみ
)
にはつまらぬ
吉凶
(
きつきやう
)
を
記
(
しる
)
し
黒日
(
くろび
)
の
白日
(
しろび
)
のとて
譯
(
わけ
)
もわからぬ
日柄
(
ひがら
)
を
定
(
さだめ
)
たれば、
世間
(
せけん
)
に
暦
(
こよみ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
弘
(
ひろま
)
るほど、
迷
(
まよひ
)
の
種
(
たね
)
を
多
(
おほ
)
く
増
(
ま
)
し、
或
(
あるひ
)
は
婚禮
(
こんれい
)
の
日限
(
にちげん
)
を
延
(
のば
)
し、
或
(
あるひ
)
は
轉宅
(
てんたく
)
の
時
(
とき
)
を
縮
(
ちゞ
)
め
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時
(
とき
)
に
方國沴氏
(
はうこくてんし
)
、
眞四角
(
まつしかく
)
な
先生
(
せんせい
)
にて、すなはち
明州
(
みんしう
)
の
刺史
(
しし
)
たり。
忽
(
たちま
)
ち
僧
(
そう
)
を
捕
(
とら
)
へて
詰
(
なじ
)
つて
曰
(
いは
)
く、
汝
(
なんぢ
)
何
(
なん
)
の
姓
(
せい
)
ぞ。
恐
(
おそ
)
る/\
對
(
こたへ
)
て
曰
(
いは
)
く、
竺阿彌
(
ちくあみ
)
と
申
(
まをし
)
ますと。
方國
(
はうこく
)
僧
(
そう
)
をせめて
曰
(
いは
)
く、
汝
(
なんぢ
)
職分
(
しよくぶん
)
として
人
(
ひと
)
の
迷
(
まよひ
)
を
導
(
みちび
)
くべし。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝに影あり
迷
(
まよひ
)
あり
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此樣
(
こん
)
な
孤島
(
はなれしま
)
に
鍛冶屋
(
かぢや
)
などのあらう
筈
(
はづ
)
はない、
一時
(
いちじ
)
は
心
(
こゝろ
)
の
迷
(
まよひ
)
かと
思
(
おも
)
つたが、
决
(
けつ
)
して
心
(
こゝろ
)
の
迷
(
まよひ
)
ではなく、
寂莫
(
じやくばく
)
たる
空
(
そら
)
にひゞひて、トン、カン、トン、カンと
物凄
(
ものすご
)
い
最早
(
もはや
)
疑
(
うたが
)
はれぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
道の
迷
(
まよひ
)
となるなかれ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一同
(
いちどう
)
は
飛立
(
とびた
)
つて、
四方
(
しほう
)
を
見廻
(
みまわ
)
したが、
何
(
なに
)
も
見
(
み
)
えない。
偖
(
さて
)
は
心
(
こゝろ
)
の
迷
(
まよひ
)
であつたらうかと、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
す
時
(
とき
)
、またも
一發
(
いつぱつ
)
ドガン! ふと、
大空
(
おほぞら
)
を
仰
(
あほ
)
いだ
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は、
破鐘
(
われがね
)
のやうに
叫
(
さけ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
こゝに影あり
迷
(
まよひ
)
あり
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
迷
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
“迷”を含む語句
迷路
迷宮
迷子
迷惑
迷児
世迷言
迷妄
戸迷
気迷
迷迭香
迷羊
昏迷
頑迷
迷子札
世迷
迷兒
迷夢
迷付
血迷
迷彩
...