“錯迷”の読み方と例文
読み方割合
さくめい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此男は Hartmannハルトマンまよひの三期を承認してゐる。ところであらゆる錯迷さくめいを打ち破つて置いて、生を肯定しろと云ふのは無理だと云ふのである。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
自分に哲学の難有ありがたみを感ぜさせたのは錯迷さくめいの三期であつた。ハルトマンは幸福を人生の目的だとすることの不可能なのを証する為めに、錯迷の三期を立ててゐる。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
スチルネルを読んで見ると、ハルトマンが紳士の態度で言つてゐる事を、無頼漢ぶらいかんの態度で言つてゐるやうに感ずる。そしてあらゆる錯迷さくめいを破つた跡に自我を残してゐる。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)