おく)” の例文
きしそばだちたる所は鮏きしにつきてのぼるものゆゑ、岸におくばかりのたなをかきて、こゝにこし魚楑なつちをさし鮏を掻探かきさぐりてすくひとるなり。
しておく女がくれの十三日に百兩の金を貰ひて種々いろ/\品物しなものを求めたりと申すではないか其の百兩の金子は如何いかゞして所持しよぢせしや主人の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
右等みぎらの事件に至りては、他国の内政に与聞せざる善政の度外どがいおくべきものなり。ゆえにこの種の事をはかるはその実はなはあやうしとす。〈同五百廿葉〉
経たりしに突然福地家の執事榎本破笠えのもとはりゅう子よりかねて先生への御用談一応小生よりうけたまわおくべしとの事につき御来車ありたしとの書面に接し即刻番地を
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
此蠻勇このばんゆうちから、それがつもつもつてると、運動うんどうためとか、好奇かうきよくとか、そればかりで承知しやうち出來できなくなつて、はじめて研究けんきうといふことおもきをおくやうになり
はさずにおくものかと三五らうとりこめてつやらるやら、美登利みどりくやしくめるひときのけて、これおまへがたは三ちやんになんとががある、正太しようたさんと喧嘩けんくわがしたくば正太しようたさんとしたが
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
言上に及ぶに光貞卿ふかよろこび然らばしばらくの内其方へあづおくべしとて城内二の丸の堀端ほりばた大木たいぼくの松の木あり其下へ葵紋あふひもんぢらしの蒔繪まきゑ廣葢ひろぶたに若君を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝにぬぐひ扶桑ふさう第一の富士をいだせり、そのさま雪の一握ひとにぎりをおくが如し。人々手をうち、奇なりとび妙なりと称讃しようさんす。千しようけい応接おうせふするにいとまあらず。
したりけん懷中くわいちうより書付かきつけ一通取出し扨此書付は久八殿が拙者せつしや引負ひきおひ引受ひきうけて呉られし後日の證據しようこに渡しおくひながら兩人の前にさし置きける其文は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝにぬぐひ扶桑ふさう第一の富士をいだせり、そのさま雪の一握ひとにぎりをおくが如し。人々手をうち、奇なりとび妙なりと称讃しようさんす。千しようけい応接おうせふするにいとまあらず。
山々の喬木たかききも春二月のころは雪にうづまりたるがこずゑの雪はやゝきえ遠目とほめにも見ゆる也。此時たきゞきるやすければ農人等のうにんらおの/\そりひきて山に入る、或はそりをばふもとおくもあり。
しかるを近き頃、村田春海大人はるみのうし右のしよを京都にて購得かひえてのち、享和三年の春はじめて板本となし、世の重宝となりてよりのち学者がくしや机上つくゑのうへおくは、じつ春海大人はるみのうしたまものなりけり。