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歌留多
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かるた
ふりがな文庫
“
歌留多
(
かるた
)” の例文
おまえ、このごろ、やっと世間の評判も、よくなって来たのに、また、こんなぐうたらな、いろは
歌留多
(
かるた
)
なんて、こまるじゃないか。
懶惰の歌留多
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「さあ、ここいらでさわりを入れるかな」木内桜谷は休みなく筆を動かしながら云った、「——うんすん
歌留多
(
かるた
)
だ、うんすん歌留多だ」
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その何ですとさ、会社の重役の
放蕩息子
(
どらむすこ
)
が、ダイヤの指輪で、春の
歌留多
(
かるた
)
に、ニチャリと、お稲ちゃんの手を
圧
(
おさ
)
えて、おお
可厭
(
いや
)
だ。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんなことを話していると際限がないから、ここらで幽霊を消すことにして、あとは春らしく賑かに、
歌留多
(
かるた
)
でも取りましょう。
怪奇一夕話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
歌留多
(
かるた
)
を取っても、ボールを投げてもおもしろかった。親しい友だちの胸に利己のさびしい影を認めるほど眼も心もさめておらなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
三大節、
歌留多
(
かるた
)
会、豆撒き、彼岸、釈迦まつり、
雛
(
ひな
)
と
幟
(
のぼり
)
の節句、七夕の類、クリスマス、復活祭、
弥撒
(
ミサ
)
祭なぞと世界的である。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「びょうぶ」の前に、ふたりは「さらさ」Caraca の座ぶとんを敷いて、Carta「
歌留多
(
かるた
)
」をしながら飲んだり食べたりしていた。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
その
内
(
うち
)
年が暮れて春になりました。ある日奥さんがKに
歌留多
(
かるた
)
をやるから
誰
(
だれ
)
か友達を連れて来ないかといった事があります。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は、後で自分でも恥しくなったほど、それらの坊さん達を相手に
饒舌
(
しゃべ
)
った。はては、
歌留多
(
かるた
)
とりまでもしてまるでお正月かなんかのような気分にすらなった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「出やしません。日が暮れるとお
稽古
(
けいこ
)
がなくなつたから、早御飯にして、和助さんと無駄話をしたり、ウンスン
歌留多
(
かるた
)
をやつたり、
亥刻
(
よつ
)
前に寢てしまひましたよ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早くから戸を
卸
(
おろ
)
し、あたたかな
燈火
(
ともしび
)
の下で、
歌留多
(
かるた
)
をとり合い、笑いさざめき、酒を酌み、餅を焼いていたが、市十郎には、もうそんな人生は、想像にもえがけなかった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の死んだ知らせを聞いたのはちょうど
翌年
(
よくとし
)
の旧正月だった。
何
(
なん
)
でも
後
(
のち
)
に聞いた話によれば病院の医者や看護婦たちは旧正月を
祝
(
いわ
)
うために
夜更
(
よふ
)
けまで
歌留多
(
かるた
)
会をつづけていた。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
菓子器と
歌留多
(
かるた
)
の箱があったので叮嚀に何れも蓋を取て中を
検
(
しら
)
べ、
軈
(
やが
)
てもとのようにすると、押入を開けて本箱の中から数冊の書籍や前年度の日記を撰り出して精密に調べ始めた、
其間
(
そのあいだ
)
に渡邊は
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
ええええ、これだから眼が離されない……
真実
(
ほんとう
)
にこういうところは
極
(
ごく
)
子供だ……そう言えば、お前さん、今年の春もね、正太のお友達が寄って
吾家
(
うち
)
で
歌留多
(
かるた
)
をしたことが有った。山瀬さんも来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
食事が済んでもまだ雑談は尽きない、時には
歌留多
(
かるた
)
を取ることもある。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『あゝ
被來
(
いらつしや
)
い、
歌留多
(
かるた
)
なら何時でもお相手になつて上げるから。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
歳暮や年玉の贈答品に
歌留多
(
かるた
)
や双六のたぐいが多く行なわれたので、その方面の需要が多かったのであろうかと察せられる。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
往来で会った時
挨拶
(
あいさつ
)
をするくらいのものは多少ありましたが、それらだって決して
歌留多
(
かるた
)
などを取る
柄
(
がら
)
ではなかったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんかと
昨夜
(
ゆうべ
)
の
歌留多
(
かるた
)
を追憶したりすること日本におなじ——そのハアリイやデックやタムが、ちらとひとつの鏡を見ては一様にちょっとおどろいている。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ことに二人の娘さんは栄二びいきで、小さいじぶんには
歌留多
(
かるた
)
、お手玉、おはじき、追い羽根と、なんでも遊び相手にされたし、旦那もおかみさんもそれを
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
死んだ
阿母
(
おふくろ
)
が大事にしていた、絵も、歌の文字も、
対
(
つい
)
の
歌留多
(
かるた
)
が別にあってね、
極彩色
(
ごくさいしき
)
の口絵の八九枚入った、
綺麗
(
きれい
)
な本の
小倉百人一首
(
おぐらひゃくにんいっしゅ
)
というのが一冊あった。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緑陰
(
りょくいん
)
の
重
(
かさ
)
なった夕闇に
螢
(
ほたる
)
の飛ぶのを、雪子やしげ子と追い回したこともあれば、寒い冬の月夜を
歌留多
(
かるた
)
にふかして、からころと
跫音
(
あしおと
)
高く帰って来たこともあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ある晩は、
歌留多
(
かるた
)
をよむ声が高くきこえてきたり、
投扇興
(
とうせんきょう
)
にキャッと笑っていたりする。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面白うもない
歌留多
(
かるた
)
をうつてゐて
夜
(
よ
)
を
更
(
ふ
)
かし、今からは
往
(
い
)
なれまい、
旦那殿
(
だんなどの
)
も
大津祭
(
おほつまつり
)
に
行
(
ゆ
)
かれて
留守
(
るす
)
ぢやほどに、泊つてなりと行きやと、兄弟の
忝
(
かたじ
)
けなさは
何
(
なん
)
の遠慮もなく一所に寝るを
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうして、私がこののち永く生きながらえ、再度、短篇集を出さなければならぬことがあるとしても、私はそれに、「
歌留多
(
かるた
)
」と名づけてやろうと思って居る。歌留多、もとより遊戯である。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
娘らしく
小布
(
こぎれ
)
の箱と物の本二三册と、手習ひ草紙と、古い
歌留多
(
かるた
)
と、それに可愛らしいもの
細々
(
こま/″\
)
したものが少しばかりあるだけ、貧しさに
徹
(
てつ
)
してろくな紅白粉も、髮の飾りもない痛々しい有樣です。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
駅夫等は集って
歌留多
(
かるた
)
の遊びなぞしていた。田中まで行くと、いくらか客を加えたが、その田舎らしい小さな駅は
平素
(
いつも
)
より更に
閑静
(
しずか
)
で、停車場の内で女子供の羽子をつくさまも、汽車の窓から見えた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今夜は関口台町の鈴木という屋敷に
歌留多
(
かるた
)
の会があったので、二人は宵からそこへ招かれて行った。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それから
歌留多
(
かるた
)
になったが、出三郎は二度だけつきあって先に帰った。忠也の
座持
(
ざもち
)
がいいので、娘たちはすっかり興に乗り、いつ宴が終わるかわからないからである。
艶書
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
生灘
(
きなだ
)
をはかる、料理が安くて、庖丁の利く、小皿盛の店で、十二三人、気の置けない会合があって、狭い
卓子
(
テエブル
)
を囲んだから、端から端へ杯が
歌留多
(
かるた
)
のようにはずむにつけ
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白っぽい石壁に
赤瓦
(
あかがわら
)
を置いた、そこらに多い建物のひとつで、這入ると、正面の廊下を挟んで左右に幾つも小さな部屋が並んでた。それがみんないわゆる
歌留多
(
かるた
)
場だった。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
将棋
歌留多
(
かるた
)
をやる所へ這入って腰をかけて見たが、三人の尻をおろしたほかは、
椅子
(
いす
)
も
洋卓
(
テーブル
)
もことごとく
空
(
あ
)
いていた。今日は遅いので西洋人がいないからつまらないと是公が云う。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一、「朝の
歌留多
(
かるた
)
。」
HUMAN LOST
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
写真は、蓮行寺の摩耶夫人の
御堂
(
みどう
)
の壇の片隅に、千枚の
歌留多
(
かるた
)
を乱して積んだような写真の中から
見出
(
みいだ
)
された。たとえば千枚千人の婦女が、一人ずつ皆
嬰児
(
あかご
)
を抱いている。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その妻のキルト踊り・茶店・道化役・パイナップル売り・れもねえど・
早取
(
はやとり
)
写真・
歌留多
(
かるた
)
当てもの・競馬の
忠告
(
チツゴ
)
売り・その他種々のごった返すなかを往きつ戻りつしている。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ゆうべは屋敷に
歌留多
(
かるた
)
会の催しがあって、親類の人たちや隣り屋敷の子息や娘や、大供小供をあわせて二十人ほどが寄りあつまって、四ツ(午後十時)を過ぎる頃まで賑やかに騒ぎあかした。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ええカイマン、カイマンが
鰐
(
わに
)
、カアルト、
歌留多
(
かるた
)
ときた、カーフル、カーフルは炉端、カーネル……カーネルクウク、カーネルクウクは……菓子と、なるほどね、嬶あ寝るぐうぐうが菓子か」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
折角
(
せつかく
)
だから
御前
(
おまへ
)
行
(
ゆ
)
くが
好
(
い
)
い。
己
(
おれ
)
は
歌留多
(
かるた
)
は
久
(
ひさ
)
しく
取
(
と
)
らないから
駄目
(
だめ
)
だ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それがこの広座敷の
主人
(
あるじ
)
のようで、月影がぱらぱらと
鱗
(
うろこ
)
のごとく
樹
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を落ちた、広縁の敷居際に相対した旅僧の姿などは、
硝子
(
がらす
)
障子に
嵌込
(
はめこ
)
んだ、
歌留多
(
かるた
)
の絵かと疑わるる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一七一二年に発行された、ABCのいろは
歌留多
(
かるた
)
みたいな“Trivia”のなかに
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「鈴木さんへ
歌留多
(
かるた
)
を取りに行って……」と、お北は答えた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
此
(
こ
)
のくらゐな
事
(
こと
)
が……
何
(
なん
)
の……
小兒
(
こども
)
のうち
歌留多
(
かるた
)
を
取
(
と
)
りに
行
(
い
)
つたと
思
(
おも
)
へば——」
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何のためにそんな
莫迦
(
ばか
)
なことをするかというと、「マルガリイダの家」では、船員を招いて
博奕
(
ばくち
)
をさせ——これはいつも船乗りらしい簡単な
歌留多
(
かるた
)
の勝負にきまってたが——そして単に賞品として
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「このくらいな事が……何の……
小児
(
こども
)
のうち
歌留多
(
かるた
)
を取りに行ったと思えば——」
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……それにね、
他
(
ほか
)
の人は、でもないけれど、母様がね、それはね、実に注意深いんですから、何だか、そうねえ、春の
歌留多
(
かるた
)
会時分から、有りもしない事でもありそうに
疑
(
うたぐ
)
っているようなの。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
歌
常用漢字
小2
部首:⽋
14画
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
“歌留多”で始まる語句
歌留多会
歌留多牌
歌留多遊