“小布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぎれ70.6%
こぎ11.8%
こぬの5.9%
こぎぬ5.9%
コギレ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう自棄やけに言い放つと、髪にくしの歯を入れて、何か化粧下のようなものを小布こぎれにそそぎかけて、それを指先に巻きながら、眉、口紅を拭き直している。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう、結納ゆいのうもすみ、あの家では、初春はるの支度で、花嫁の準備で、友禅ゆうぜん小布こぎれや綿屑わたくずが、庭先に掃き出されてあるのでもそれが分る——と、云うのだった。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戸浪三四郎が「一宮かおるの屍体に異常はないか」と聞いたのは炯眼けいがんだった。屍体のまとっていた衣服の左ポケットに、おかしな小布こぬのが入っていた。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
小布こぎぬの意味であります。一つは南部地方のもので「菱刺ひしざし」と呼びます。「こぎん」の方はもうほとんど絶えましたが、近頃それをしんで再び立ち直ろうと試みられております。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
引出しの一つ一つに目先のちょっとちがった小布コギレがつまっていて、ひょっと目をひかれるような気の利いた、柄の面白いようなスフではないものが入っている、しかし小布であり