“こぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狐疑58.6%
13.8%
小切6.9%
古木3.4%
小布3.4%
小木3.4%
粉木3.4%
古義1.7%
小気1.7%
狐伎1.7%
鼓義1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしながら狐疑こぎは待ちかまえていたように、君が満足の心を充分味わう暇もなく、足もとから押し寄せて来て君を不安にする。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
こぎ手はすっかり退屈して、かわるがわる居眠りをする。ただひとり、銛師の北原だけは、暇さえあれば、沼の岸でひろった硬い泥炭の塊でコツコツと銛を作っていた。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
太平楽を並べて歩きながらも道庵は、折々立ち止まって路傍の草や木の枝を折って、それをいい加減に小切こぎってはたばねて歩きますから、米友が変に思いました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
両手の指はすっかり切り離され、血に染んだ古木こぎのような、なんとも異妖なすがた!
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と、その小布こぎれを墨付き代りに諸武士へ渡されたのだった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
箪笥、長持、長火鉢のたぐいから笊、みそこし、十能、それこそすり鉢、すり粉木こぎの末にいたる台所道具一切の製品、それは「もちあそび」とはいえない繊細さ精妙さをもつものだった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
『万葉集古義こぎ』の「品物図」にある様にこれを麦門冬とするのは不都合千万である。またヤブランとするも決して当てはまらない。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
大抵どの下宿屋にも特別に幅を利かせている客があるもので、そう云う客は第一金廻りが好く、小気こぎが利いていて、おかみさんが箱火鉢を控えて据わっている前の廊下を通るときは、きっと声を掛ける。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
「だまれっ、変化へんげおろかな狐伎こぎを演じておると、一刀のもとに斬捨てるぞっ」
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
クロンウエルの如き、ナポレオンの如き、アレキザントル・ハミルトンの如き、これみな撥乱はつらん反正はんせいの人にして、唱難鼓義こぎの人にあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)