-
トップ
>
-
次男
>
-
じなん
糟谷は
次男芳輔三
女礼の
親子四人の
家族であるが、その四人の生活が、いまの
糟谷の
働きでは、なかなかほねがおれるのであった。
いよいよお
嫁合わせの
時刻になると、その
支度の
出来たお
座敷へ、いちばん上のにいさんから
次男三
男と
順々にお
嫁さんを
連れて
座りました。
しかるにひとりの男来り、さも
恥らふさまにて人の
後に
座し
欲言としていはず、
頭を
低て
泪をおとしけり、人々これをみれば
同村の
某が
次男也けり。
幼年より
病身と雖も
御惣領なれば
強て
家督に立給しが綱教卿も同年九月九日御年廿六
歳にて
逝去なり然るに
次男頼職卿も
早世なるに
依紀伊家は
殆ど
世繼絶たるが如し三
男信房卿同家へ
養子と
成せられて
間は
無れ共外に御
血筋なき故まづ左京太夫
頼純の四男
宗通の次男を
妻は三つになる
次男を、さもかわいらしそうに
胸に
抱きよせ子どものもじゃもじゃした
髪の
毛に、白くふっくらした髪をひつけてなんの
苦もない
面持ちに眠っている。
甚之助とて
香山家の
次男、すゑなりに
咲く
花いとヾ
大輪にて、
九つなれども
權勢一
家を
凌ぎ、
腕白さ
限りなく、
分別顏の
家扶にさへ
手に
合はず、
佛國に
留學の
兄上御歸朝までは
ず爰に出入の者の内に
古着渡世の者有りしが彼が
周旋にて富澤町に甲州屋吉兵衞と云ふ古着渡世の者の
次男に千太郎と呼て當年二十歳に
成器量と云ひ
算筆と云ひ殊に古着渡世なれば質屋にも
因み有て申分
無若者成れば御當家の御
養子にせられては如何にやと
相談有りけるに五兵衞は彼の持參金の
無より
縁談を
ともに
身體を
休まして
些と
樂をさせようと
云ふ、
其にも
舅たちの
情はあつた。しかし
箔のついた
次男どのには、
飛だ
蝶々、
菜種の
花を
見通しの
春心、
納戸で
爪を
磨がずに
居ようか。