感嘆かんたん)” の例文
中でも「夜の光」の中に收められてゐる「正義派」「出來事」「范の犯罪」「清兵衞と瓢箪」特に「和解」には最も感嘆かんたんさせられました。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
越後にねりやうかんを賞味して大に感嘆かんたんし、岩居にいひていはく、此ねりやうかんも近年のものなり、常のやうかんにくらぶればあぢはひまされり。
私はあまりの不思議さに、何度も感嘆かんたんの声をもらしますと、ミスラ君はやはり微笑したまま、また無造作むぞうさにその花をテエブル掛の上へ落しました。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「うまいはずだ。人間にんげんではない、人魚にんぎょいたのだもの。」と、おじいさんは感嘆かんたんして、おばあさんとはないました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
龍太郎りゅうたろう助太刀すけだちにでようとおもうまに、みごとに勝負をつけてしまった若者の早技はやわざに、したをまいて感嘆かんたんしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塔のてっぺんにのぼったとき、老教授にふんした戸倉老人は、眼下を見下ろし、思わず感嘆かんたんつぶやきをもらした。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
無論むろん偶然ぐうぜん符合ふがふではありますまい。』とわたくし感嘆かんたんさけびきんなかつた。武村兵曹たけむらへいそう前額ぜんがくでゝ
久しぶりに旧師の飛衛を訪ねた時、しかし、飛衛はこの顔付を一見すると感嘆かんたんしてさけんだ。これでこそ初めて天下の名人だ。我儕われらのごとき、足下あしもとにも及ぶものでないと。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
三十三まん三千三百三十三にんの『中外ちうぐわい』の讀者どくしやが一せいぼく頭腦づなう明晰めいせき感嘆かんたんしたんだからね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
感嘆かんたんの声が起こった、人々は校長が生徒を愛する念の深きにいまさらながらおどろいた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
植物でも自家受精、すなわち自家結婚だと自然種子が弱いので、そこで他家受精すなわち他家結婚して強壮きょうそうな種子を作ろうというのだ。植物でこんな工夫くふうをしているのはまことに感嘆かんたんあたいする。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
すべては笑いと感嘆かんたんと拍手の中にすぎた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
越後にねりやうかんを賞味して大に感嘆かんたんし、岩居にいひていはく、此ねりやうかんも近年のものなり、常のやうかんにくらぶればあぢはひまされり。
「ああ、なんというりっぱなさらだろう。また、ちゃわんだろう……。」といって、それを感嘆かんたんいたしました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
主人公の心の苦悶くもんに對する作者の感情輸入アインヒウルングふかさは、張り切つたゆづるのやうに緊張きんぢやうした表現へうげんと相俟つて、作の缺點けつてんかんじる前に、それに對して感嘆かんたんしてしまひます。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
電光艇でんくわうてい! 電光艇でんくわうてい! 如何いか其實そのじつ相應ふさはしきよと、わたくし感嘆かんたんすると、大佐たいさことばをつゞけ
と婦人は自分の遭難そうなんはわすれて、一同の忍耐にんたいと勇気とに、涙を流して感嘆かんたんした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
その機智きち感嘆かんたんの声をあげたが瓔珞のかざ座金ざがねがくさっていたとみえて、龍太郎の体がつりさがるとともに、金鈴青銅きんれいせいどう金物かなものといっしょにかれの五体は、ドーンと大地におちてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕は思わず感嘆かんたんの声をもらした。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こうして、いきいきとした自然しぜんると、たとえ、どんな平和へいわ景色けしきでも、時計とけいについているうごかないかざりを、感嘆かんたんしてがしなかったのでした。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「む、どこまでもそちは軍師ぐんしじゃの」とひざをたたいて、感嘆かんたんした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じつその軍律ぐんりつ嚴然げんぜんたるは今更いまさらながら感嘆かんたんほかいのである。
思わず僕は感嘆かんたんの声を放った。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あなたたちは、どこへいっても、人間にんげんにかわいがられて、おしあわせですこと。」と、感嘆かんたんいたしました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、おじさんを非難ひなんしたようであるが、うらは、みあげた行為こうい感嘆かんたんしたようにもとれたのでした。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よくわかりました。精神せいしんちからです。げいが、いのちがけだからです。」と、おつは、感嘆かんたんしました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、それにしても、よくして、きたものね。」とおねえさんは、感嘆かんたんなさいました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいな、自然しぜんは!」と、かれは、ねむりからがさめたごとく、感嘆かんたんしました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なるほど、わったとりだな。」と、感嘆かんたんをしてながめていました。
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)