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強情
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ごうじょう
ふりがな文庫
“
強情
(
ごうじょう
)” の例文
「きみがぼくに行けと言うのは、あの人たちがびんぼうだからというのではない。だからぼくは行かない」とマチアは
強情
(
ごうじょう
)
に答えた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そうすると過去が指し示す
路
(
みち
)
を今まで通り歩かなければならなくなるのです。その上彼には現代人のもたない
強情
(
ごうじょう
)
と我慢がありました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いや、父も今度は考えています。
強情
(
ごうじょう
)
な人ですから、悪かったとは言いませんが、これからはお互にしっかりやろうと言っていました」
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もう
強情
(
ごうじょう
)
はおやめなされい! たとえ貴殿が強情を張って、木曽まで歩いて行かれるにしても、容易のことでは行かれますまい。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
このとき、お
妃
(
きさき
)
さまはへんじをするために、口をきくことができるようになりました。けれども、あいかわらず
強情
(
ごうじょう
)
をはって
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
「おまえが、いうことは、ほんとうのことだけれど、
強情
(
ごうじょう
)
はよくないことだ。
正
(
ただ
)
しいことはいつか、
後
(
あと
)
でわかるときがあるのだから……。」
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ありがたい思し召に
反
(
そむ
)
いて、彼が、無用な
強情
(
ごうじょう
)
をいい
募
(
つの
)
っておろうなどとは、お上にも、ゆめ、御存知ないのでござろうが」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここで申し上げてしまえばお慈悲がかかって不問に置かれる、
強情
(
ごうじょう
)
張って隠し立てを致すにおいては罪が一族に及ぶぞよ
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは自分の
仕業
(
しわざ
)
であって決してテーモ・リンボチェ即ち自分の主人の命令でやった訳でないと
強情
(
ごうじょう
)
を張ったそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
(どこまで
強情
(
ごうじょう
)
な中尉だろう。よし、今にみておれ。のっぴきならぬ何ものかをつかまえて、これでも話をせぬかと、ぎゅうぎゅういわせてやろう)
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あの子どもは、じつに
強情
(
ごうじょう
)
ですねえ。いくらたずねてもなかなか言わないのです。しかし、手をかえ品をかえて、とうとう白状させてしまいましたよ。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
遠方からわざわざ来たのですから、先生のお帰りを待って
戴
(
いただ
)
いて行くというのです。田舎の人は実に
強情
(
ごうじょう
)
で困ります
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
犬はしばらく
強情
(
ごうじょう
)
に、「一つ下さい」を繰り返した。しかし桃太郎は何といっても「半分やろう」を
撤回
(
てっかい
)
しない。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お父様からもそんな
強情
(
ごうじょう
)
者に思われてきた私なのですから、今さら源氏の大臣の声名が高いからと申して結婚をいたしますのは恥ずかしいことだと思います」
源氏物語:21 乙女
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「停めるな。泉州岸和田五万三千石と、一時の
下
(
くだ
)
らぬ
強情
(
ごうじょう
)
と、どっちが大切か、兄貴にきいてくるのだ。」
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「おや、まだ
強情
(
ごうじょう
)
に
虚言
(
うそ
)
をお
吐
(
つ
)
きだよ。それほど分っているならなぜ禽はいいなあと云ったり、だけれどもネと云って後の言葉を云えなかったりするのだエ。」
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
かの女はかの女の
強情
(
ごうじょう
)
をも、
傲慢
(
ごうまん
)
をも、
潔癖
(
けっぺき
)
をも持て
剰
(
あま
)
して居た。そのくせ、かの女は、かの女の強情やそれらを
助長
(
じょちょう
)
さすのは、世の中なのだとさえ思って居る。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼等は古びた中折帽を
阿弥陀
(
あみだ
)
にかぶった、
咽喉
(
のど
)
に
汚
(
よご
)
れた絹ハンカチを巻いた、金歯の光って眼の
鋭
(
するど
)
い、
癇癪持
(
かんしゃくもち
)
らしい顔をした外川先生と、
強情
(
ごうじょう
)
できかぬ気らしい
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
………こうして
強情
(
ごうじょう
)
に頑張っていてやったら、かの人も
我
(
が
)
を折って戻って来ずにはいないであろう。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それでも知らねえと
強情
(
ごうじょう
)
を張るか。又そのお近という女は、ときどきにお前の家へ忍んで来て、黒沼の婿の幸之助と
逢曳
(
あいびき
)
をしている筈だが……。それでもお前は強情を張るか
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それからつるつる、つるつる、
何度
(
なんど
)
も
何度
(
なんど
)
もすべりながら、それでも
強情
(
ごうじょう
)
に一
間
(
けん
)
ばかり
登
(
のぼ
)
りましたが、とうとう
一息
(
ひといき
)
につるりとすべって、ずしんと
地
(
じ
)
びたにころげ
落
(
お
)
ちました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お前の
強情
(
ごうじょう
)
なのにはわしも
呆
(
あき
)
れた。これが世界で一番高い山だ。もう世界中でこれより高いところはない。ここまでくればお前も
本望
(
ほんもう
)
だろう。これからまた下へおりて行くがいい。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『それでは、いつまでたってもかわらないものを言いましょう。それは、この地方には、おまえのように、
強情
(
ごうじょう
)
で、こうまんな百姓が、いつまでも、あとをたたないということです。』
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「仲々
強情
(
ごうじょう
)
な子供だ。
俺
(
おれ
)
はもう六十になるんだぞ。そして陸軍大将だぞ。」
さるのこしかけ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
渋面
(
じゅうめん
)
と悪徳でくまなくすき返されたように見え、赤茶けた眉と眉とのあいだに、
強情
(
ごうじょう
)
な、おうへいな、ほとんど乱暴な表情できざまれているふたすじの深いしわは、よく動く口が歯をむき出すのと
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
ところで、にんじんは、自分ながら
不思議
(
ふしぎ
)
だった。そのうちに苦しくなりはせぬかと思っていたからである。彼は、規則正しく
強情
(
ごうじょう
)
を張りさえすれば、どんなことでもできるという事実を確かめた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
それもね、わたしが
強情
(
ごうじょう
)
で、井上さんと
喧嘩
(
けんか
)
をしたからですの。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
強情
(
ごうじょう
)
に妻の苦悩を傍観する。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「芳江姫が
強情
(
ごうじょう
)
で鬼王丸殿の仰せを
諾
(
き
)
かず、それで姫を屈伏させるため、市之丞殿を土牢へ入れ苦痛を与えたのでござります」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今もいまとて、
強情
(
ごうじょう
)
をはっていた轟又八、目をみはってこうさけぶと、
裾野
(
すその
)
から逃げかえってきた者どもは声をあわせて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お母さんも始めのうちは心配して、なるべく動かさないようにと思ってたんだがね。それ、あの気性だろう。養生はしなさるけれども、
強情
(
ごうじょう
)
でねえ。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
軍人
(
ぐんじん
)
にか、それはいい。おまえは、
脊
(
せ
)
は
低
(
ひく
)
いが、なかなか
強情
(
ごうじょう
)
だから、いい
軍人
(
ぐんじん
)
になれるだろう。」と
親方
(
おやかた
)
は、
達吉
(
たつきち
)
の
意見
(
いけん
)
に、
反対
(
はんたい
)
しませんでした。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは随分暇の掛る事でもあり、それにあなたはこの際偽りは言えぬと
強情
(
ごうじょう
)
を張るけれども、あなたがこれまでの経歴を聞いて見ると随分偽りをいって居るじゃないか。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その
柔
(
やわら
)
かい筋肉とは無関係に、
角化質
(
かくかしつ
)
の堅い
爪
(
つめ
)
が短かく
尖
(
さき
)
の丸い
稚
(
おさ
)
ない指を
屈伏
(
くっぷく
)
させるように
確乎
(
かっこ
)
と並んでいる。
此奴
(
こいつ
)
の
強情
(
ごうじょう
)
!と、逸作はその爪を眼で
圧
(
おさ
)
えながら言った。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
おれは今夜、戸倉のやつがチャンウーという中国人に化けていることを知って、忍びこんで、本物を吐きださせようと
拷問
(
ごうもん
)
したが、
強情
(
ごうじょう
)
なやつでとうとう吐きださなかった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ちょいと、徳寿さん。おまえさんも
強情
(
ごうじょう
)
だね。まあ、ちょいと来ておくれと云うに……」
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
おばあさんは
重
(
おも
)
いつづらを
首尾
(
しゅび
)
よくもらったものの、それでなくっても
重
(
おも
)
いつづらが、
背負
(
せお
)
って
歩
(
ある
)
いて行くうちにどんどん、どんどん
重
(
おも
)
くなって、さすがに
強情
(
ごうじょう
)
なおばあさんも
舌切りすずめ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小町 まだ
強情
(
ごうじょう
)
を張るつもりなのですか? さあ、正直に
白状
(
はくじょう
)
しておしまいなさい。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれどもかれはなかなか
頑強
(
がんきょう
)
で、その
強情
(
ごうじょう
)
にいつも打ち勝つことは
困難
(
こんなん
)
であった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
強情
(
ごうじょう
)
で恨めしいところはあっても、
機嫌
(
きげん
)
をそこねまいとしている常陸守よりも姿も身分もずっとすぐれたような四位や五位の役人が皆おそばに来てひざまずいて、いろいろなことを申し上げたり
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「そう君が
強情
(
ごうじょう
)
を張るならば、こっちにも覚悟があるぞ」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
強情
(
ごうじょう
)
で仰有らなくても、大変と思わせて差上げます」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
さしも
強情
(
ごうじょう
)
な
穴山梅雪
(
あなやまばいせつ
)
も、
論
(
ろん
)
より
証拠
(
しょうこ
)
、
民部
(
みんぶ
)
のことばのとおり、味方がさんざん
敗北
(
はいぼく
)
となってきたのを見て、もうゆうよもならなくなったのであろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの
娘
(
むすめ
)
は、どうしました?
正直
(
しょうじき
)
ないい
子
(
こ
)
だったけれど、すこし
強情
(
ごうじょう
)
のようでしたね……。」といわれて
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうは思いながらも、おじさんはまだ
強情
(
ごうじょう
)
に古い帳面を片端から繰ってみた。堺屋は今から三十年前の火事に古い帳面を焼いてしまって、その以前の分は一冊も残っていない。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼はいつも話す通り
頗
(
すこぶ
)
る
強情
(
ごうじょう
)
な男でしたけれども、一方ではまた人一倍の正直者でしたから、自分の矛盾などをひどく非難される場合には、決して平気でいられない
質
(
たち
)
だったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母は彼の
強情
(
ごうじょう
)
さ加減に驚嘆を
交
(
まじ
)
えた
微笑
(
びしょう
)
を
洩
(
も
)
らした。が、どんなに説明しても、——いや、
癇癪
(
かんしゃく
)
を起して彼の「浦島太郎」を引き
裂
(
さ
)
いた
後
(
あと
)
さえ、この疑う余地のない代赭色の海だけは信じなかった。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「女というやつはなかなか
強情
(
ごうじょう
)
なものだなあ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
強情
(
ごうじょう
)
らしくは言わずに
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
強情
(
ごうじょう
)
だの、おまえは」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
“強情”で始まる語句
強情者