よは)” の例文
「そんなによはつちや不可いけない。むかしの様に元気に御成おなんなさい。さうしてちつと遊びに御いでなさい」と勇気をつけた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
勿體もつたいないことであつたれどらぬことなればゆるしてくだされ、まあ何時いつから此樣こんことして、よくそのよはさわりもしませぬか、伯母おばさんが田舍いなか引取ひきとられておいでなされて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しばらくして、ラランはそのよはつたからだをみなみけて、あつ印度インドはうへふらふらんでゐたが、ガンガといふ大河たいか上流じようりうで、火傷やけどしたくちかわきを湿うるほさうとしてあやまつておぼんでしまつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
身體からだよはめだから營養えいやうをよくすること、あし膝關節しつくわんせついたかつたら罨法あんはふをするといふことであつた。彼女かれべつ身體からだ元氣げんきはかはらなかつたので、學校がくかうかよつてかへつてると一人ひとり罨法あんはふをした。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
日影ひかげよは初冬はつふゆにはまれなるあたゝかさにそろまゝ寒斉かんさいと申すにさへもおはづかしき椽端えんばたでゝ今日こんにちは背をさらそろ所謂いはゆる日向ひなたぼつこにそろ日向ひなたぼつこは今の小生せうせい唯一ゆいいつの楽しみにそろ人知ひとしらぬ楽しみにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
よはいなア。』と大尉たいゐおほいわらふ。
それよりは取直とりなほして稼業かげふせいしてすこしの元手もとでこしらへるやうにこゝろがけてくだされ、おまへよはられてはわたし此子このこうすることもならで、それこそ路頭ろたうまよはねばりませぬ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
代助はそこに女性によしやうの美くしさとよはさとを見た。さうして其弱さに付け入る勇気を失つた。此うつくしい弱点をもてあそぶにえなかつたからである。えゝりません、うかなるでせうと云つてわかれた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
また馬鹿ばかなことをふよそんなよはだから病気びやうきがいつまでもなほりやアしないきみ心細こゝろぼそことつてたまへ御父おとつさんやおつかさんがどんなに心配しんぱいするかれません孝行かう/\きみにも似合にあはない。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)