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やまふところ
ふりがな文庫
“
山懷
(
やまふところ
)” の例文
新字:
山懐
「
女
(
をんな
)
だ。
何
(
ど
)
うしたい、」と
言
(
い
)
ひながら、
袖崎
(
そでさき
)
は
尾上
(
をのへ
)
の
松
(
まつ
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
山懷
(
やまふところ
)
に
絽
(
ろ
)
が
暗
(
くら
)
く、
髮
(
かみ
)
黒
(
くろ
)
く、
月影
(
つきかげ
)
に
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
が
白
(
しろ
)
い。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
東の山續きの左の方の、
山懷
(
やまふところ
)
のやうになつたところに、
先刻
(
さつき
)
汽車から見えてゐた東光院らしいものが現はれて來た。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我が處女作は明治四十四年三月相州湯河原の
山懷
(
やまふところ
)
の流に近き宿の古く汚れたる机の上に成りぬ。
貝殻追放:008 「その春の頃」の序
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
五年目
(
ごねんめ
)
には
田地
(
でんち
)
も
取返
(
とりかへ
)
し、
畑
(
はたけ
)
は
以前
(
いぜん
)
より
殖
(
ふ
)
え、
山懷
(
やまふところ
)
の
荒地
(
あれち
)
は
美事
(
みごと
)
な
桑園
(
さうゑん
)
と
變
(
へん
)
じ、
村内
(
そんない
)
でも
屈指
(
ゆびをり
)
の
有富
(
いうふう
)
な
百姓
(
ひやくしやう
)
と
成
(
な
)
り
終
(
おは
)
せたのです。しかも
彼
(
かれ
)
の
勞働辛苦
(
らうどうしんく
)
は
初
(
はじめ
)
と
少
(
すこし
)
も
變
(
かは
)
らないのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
鍵
(
かぎ
)
なりに
町
(
まち
)
を
曲
(
まが
)
つて、
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
のやゝ
聞
(
き
)
こえる、
流
(
ながれ
)
の
早
(
はや
)
い
橋
(
はし
)
を
越
(
こ
)
すと、
又
(
また
)
道
(
みち
)
が
折
(
を
)
れた。
突當
(
つきあた
)
りがもうすぐ
山懷
(
やまふところ
)
に
成
(
な
)
る。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
手
(
て
)
屆
(
とゞ
)
く
其
(
そ
)
の
山懷
(
やまふところ
)
に、
蔽
(
おほ
)
ひかさなる
錦葉
(
もみぢ
)
の
蔭
(
かげ
)
に、
葉
(
は
)
の
眞赤
(
まつか
)
な
龍膽
(
りんだう
)
が、ふさ/\と二三
輪
(
りん
)
、
霜
(
しも
)
に
紫
(
むらさき
)
を
凝
(
こら
)
して
咲
(
さ
)
く。……
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
空
(
そら
)
を
劃
(
くぎ
)
つた
峰
(
みね
)
の
姿
(
すがた
)
は、
此
(
こ
)
の
山懷
(
やまふところ
)
へ
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、
崕
(
がけ
)
の
樹立
(
こだち
)
の
黒
(
くろ
)
い
中
(
なか
)
に、
折
(
をり
)
から
晃々
(
きら/\
)
と
星
(
ほし
)
が
輝
(
かゞや
)
く。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月
(
つき
)
の
世界
(
せかい
)
と
成
(
な
)
れば、
野
(
の
)
に、
畑
(
はた
)
に、
山懷
(
やまふところ
)
に、
峰
(
みね
)
の
裾
(
すそ
)
に、
遙
(
はるか
)
に
炭
(
すみ
)
を
燒
(
や
)
く、それは
雲
(
くも
)
に
紛
(
まが
)
ふ、はた
遠
(
とほ
)
く
筑摩川
(
ちくまがは
)
を
挾
(
さしはさ
)
んだ、
兩岸
(
りやうがん
)
に、すら/\と
立昇
(
たちのぼ
)
るそれ
等
(
ら
)
の
煙
(
けむり
)
は、
滿山
(
まんざん
)
の
冷
(
つめた
)
き
虹
(
にじ
)
の
錦
(
にしき
)
の
裏
(
うら
)
に
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天上
(
てんじやう
)
か、
奈落
(
ならく
)
か、
山懷
(
やまふところ
)
の
大釜
(
おほがま
)
を
其
(
そ
)
のまゝに、
凄
(
すご
)
いほど
色白
(
いろじろ
)
な
婦
(
をんな
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
する
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
た。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やがて、
人里
(
ひとざと
)
を
離
(
はな
)
れました
山懷
(
やまふところ
)
で、
仙人
(
せんにん
)
が
立直
(
たちなほ
)
つて
申
(
まを
)
しました。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
懷
部首:⼼
19画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車