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尋常
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たゞ
ふりがな文庫
“
尋常
(
たゞ
)” の例文
花里花魁自分を名指してくれたお客を見ますると、成程新造の申しました通り
美男子
(
いゝおとこ
)
で、
尋常
(
たゞ
)
のへっぽこ職人じゃアないらしく思われます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
丁度その話をして聞かせて居る最中に、
尋常
(
たゞ
)
ならぬ
屋外
(
そと
)
の様子で、敵の艦隊が津軽海峡を通過ぎたことを知つた。私は三日ばかり早く函館へ着いて好かつた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これは
可
(
い
)
い。
如何
(
いか
)
にも
按摩
(
あんま
)
が
川岸
(
かはぎし
)
に
立
(
た
)
つて
瀬
(
せ
)
をうかゞうやうに
見
(
み
)
える、が、
尋常
(
たゞ
)
の
按摩
(
あんま
)
と
違
(
ちが
)
ひがない。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此頃より
妾
(
せふ
)
の
容体
(
ようだい
)
尋常
(
たゞ
)
ならず、日を経るに従ひ胸悪く
頻
(
しき
)
りに
嘔吐
(
おうど
)
を催しければ、
扨
(
さて
)
はと心に
悟
(
さと
)
る所あり、
出京後
(
しゆつきやうご
)
重井
(
おもゐ
)
に
打明
(
うちあけ
)
て、郷里なる両親に
謀
(
はか
)
らんとせしに彼は許さず
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
眺
(
なが
)
めると
闇黒
(
あんこく
)
なる
右舷
(
うげん
)
左舷
(
さげん
)
の
海上
(
かいじやう
)
は
尋常
(
たゞ
)
ならず
浪
(
なみ
)
荒
(
あら
)
く、
白馬
(
はくば
)
の
如
(
ごと
)
き
立浪
(
たつなみ
)
の
跳
(
をど
)
るのも
見
(
み
)
える。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
俺は
尋常
(
たゞ
)
の
地犬
(
ぢいぬ
)
サ。
雑
(
まじ
)
りツけない純粋の
日本犬
(
につぽんいぬ
)
だ。耳の垂れた尻尾を下げた
瞳
(
め
)
の碧い毛唐の犬がやつて来てから、地犬々々と俺の同類を
白痴
(
ばか
)
にするが、憚りながら神州の
倭魂
(
やまとだましひ
)
を伝へた純粋のお犬様だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
心の
中
(
うち
)
にて
此奴
(
こいつ
)
中々
尋常
(
たゞ
)
の奴ではない、少し何か心得て
居
(
お
)
る奴であろう、
殊
(
こと
)
に胆力の据わった者、生じいな事をして耻を掻いてはならんと、心有る侍と見えまして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
拾
(
ひろ
)
つて
来
(
き
)
たのは
雄鹿
(
をじか
)
の
角
(
つの
)
の
折
(
をれ
)
、
山
(
やま
)
深
(
ふか
)
ければ
千歳
(
ちとせ
)
の
松
(
まつ
)
の
根
(
ね
)
に
生
(
お
)
ふると
聞
(
き
)
く、
伏苓
(
ふくれう
)
と
云
(
い
)
ふものめいたが、
何
(
なに
)
、
別
(
べつ
)
に……
尋常
(
たゞ
)
の
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
、
女
(
をんな
)
の
腕
(
かひな
)
ぐらゐの
細
(
ほそ
)
さで、
一尺
(
いつしやく
)
有余
(
いうよ
)
也
(
なり
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
馬車が何處を通るのか、皆目それは私には解りませんでしたが、闇に振る
馬丁
(
べつたう
)
の烈しい鞭の音と、
尋常
(
たゞ
)
ならぬ車の上の人達の樣子とで、賊といふことだけは知れました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
はツと
思
(
おも
)
つたが、
此時
(
このとき
)
忽
(
たちま
)
ち
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
に
尋常
(
たゞ
)
ならぬ
叫聲
(
さけびごゑ
)
が
聽
(
きこ
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
覚える方も
尋常
(
たゞ
)
でないから段々/\と剣術が出来て腕も宜くなり、もし貴方を又市と心得まして斯う斬込んだら何うお受けなさると云うくらい、人の精神は恐ろしいもので
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
待
(
ま
)
てよ、
恁
(
か
)
うまで、
心
(
こゝろ
)
を
曳
(
ひ
)
かるゝのは、よも
尋常
(
たゞ
)
ごとでは
有
(
あ
)
るまい。
伝
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く
沼
(
ぬま
)
の
中
(
なか
)
へは
古城
(
こじやう
)
の
天守
(
てんしゆ
)
が
倒
(
さかさま
)
に
宿
(
やど
)
る……
我
(
わ
)
が
祖先
(
そせん
)
の
術
(
じゆつ
)
の
為
(
ため
)
に、
怪
(
あや
)
しき
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げた
婦
(
をんな
)
が、
子孫
(
しそん
)
に
絡
(
まつは
)
る
因縁事
(
いんねんごと
)
か。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
笑顏
(
えがほ
)
は
天女
(
てんによ
)
の
美
(
うる
)
はしきよりも
美
(
うる
)
はしく、
仰
(
あほ
)
ぐ
御空
(
みそら
)
には
行
(
ゆ
)
く
雲
(
くも
)
も
歩
(
あゆみ
)
をとゞめ、
浪
(
なみ
)
に
鳴
(
な
)
く
鳥
(
とり
)
も
吾等
(
われら
)
を
讃美
(
さんび
)
するかと
疑
(
うたが
)
はるゝ。
此
(
この
)
快絶
(
くわいぜつ
)
の
時
(
とき
)
、
忽
(
たちま
)
ち
舷門
(
げんもん
)
のほとりに
尋常
(
たゞ
)
ならぬ
警戒
(
けいかい
)
の
聲
(
こゑ
)
が
聽
(
きこ
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いや段々聞いたら何でも
尋常
(
たゞ
)
の奴でない、人の噂でも何うも
尋常漢
(
たゞもの
)
でない、大かた長脇差では無いかという評判を立てたら、当人がそんならお話をいたしますが、実は
私
(
わし
)
は元は侍で
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それじゃアお前は飯島様を
失錯
(
しくじ
)
りでもしたか、どうも
尋常
(
たゞ
)
の顔付ではない、お前は根が忠義の人だから、しくじってハッと思い、腹でも切ろうか、遠方へでも
行
(
い
)
こうと云うのだろうが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
尋常
(
たゞ
)
の死にようではない、余程
効能
(
きゝめ
)
の強い毒酒ではないかと、依田豊前守様の白洲へ持出したが御奉行が其の酒を段々お調べに成り、医者を
立会
(
たちあわ
)
して見ると、一ト通りならん処の毒薬で
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
尋
常用漢字
中学
部首:⼨
12画
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
“尋常”で始まる語句
尋常事
尋常一様
尋常科
尋常人
尋常茶飯
尋常外
尋常漢
尋常茶飯事
尋常体
尋常時