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宛
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まる
ふりがな文庫
“
宛
(
まる
)” の例文
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ると
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
首
(
くび
)
が
長
(
なが
)
くなつて
居
(
ゐ
)
て、
宛
(
まる
)
でそれは、
遙
(
はる
)
か
眼下
(
がんか
)
に
横
(
よこ
)
たはれる
深緑
(
しんりよく
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
海
(
うみ
)
から
抽
(
ぬ
)
き
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る
莖
(
くき
)
のやうに
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
田圃
(
たんぼ
)
が
湖
(
みづうみ
)
にならぬが
不思議
(
ふしぎ
)
で、どう/\と
瀬
(
せ
)
になつて、
前途
(
ゆくて
)
に一
叢
(
むら
)
の
藪
(
やぶ
)
が
見
(
み
)
える、
其
(
それ
)
を
境
(
さかひ
)
にして
凡
(
およ
)
そ二
町
(
ちやう
)
ばかりの
間
(
あひだ
)
宛
(
まる
)
で
川
(
かは
)
ぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何でもないその
語
(
ことば
)
が皆の耳には
宛
(
まる
)
で音楽のやうに聞えたので、居合はせた人達は
惚々
(
ほれ/″\
)
した眼つきで女の口元を見た。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
宛
(
まる
)
で穴の底から反響してくるとでも云ひたい、陰氣な餘韻を殘して行く数へ聲に引き寄せられて、二、三、四、五‥‥‥と口の中で追ひ續けてゐたのだつた。
疑惑
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ね、こういう黒っぽいたて縞の浴衣なら、
宛
(
まる
)
でカムフラージされたと同様だから少々の光線で識別がつかんよ、まして「白服だ」と思いこんでるんだからね。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
▼ もっと見る
『
宛
(
まる
)
で
女護
(
によご
)
の島だね。僕も是非一度行きたいな。』と、小池はもうお光の言葉を疑ふことは出來なかつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
イヤ私が此の家へ雇われぬ先の事ゆえ自分で見た訳ではありませんが人の話に拠ると背もすらりとして
宛
(
まる
)
で令嬢の様で有ったので、村の若衆からも大騒ぎをせられ
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
宛
(
まる
)
で
子不語
(
しふご
)
が
今古奇観
(
こんこきかん
)
にでも
有
(
あ
)
りさうな怪談だ。余り馬鹿々々しいので、探険の勇気も
頓
(
とみ
)
に
失
(
う
)
せた。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
どか/\下りる奴らは忽ちに御用/\と造作もなく縛られましたが、
多勢
(
おおぜい
)
ですから一人
宛
(
ずつ
)
は縛られない、五六人ぐらいずつ首っ玉を
括
(
くゝ
)
して、
宛
(
まる
)
で酒屋の御用が
空徳利
(
あきどくり
)
を縛るようで
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
半町
(
はんちやう
)
ばかり
行
(
ゆ
)
くと、
路
(
みち
)
が
恁
(
か
)
う
急
(
きふ
)
に
高
(
たか
)
くなつて、
上
(
のぼ
)
りが
一
(
いつ
)
ヶ
処
(
しよ
)
、
横
(
よこ
)
から
能
(
よ
)
く
見
(
み
)
えた、
弓形
(
ゆみなり
)
で
宛
(
まる
)
で
土
(
つち
)
で
勅使橋
(
ちよくしばし
)
がかゝつてるやうな。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
宛
(
まる
)
で
咽喉
(
のど
)
に
骨
(
ほね
)
でも
痞
(
つか
)
へてゐるやうだ』と
云
(
い
)
つてグリフォンは、
其背中
(
そのせなか
)
を
搖
(
ゆす
)
つたり
衝
(
つ
)
いたりし
初
(
はじ
)
めました。
遂
(
つひ
)
に
海龜
(
うみがめ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
直
(
なほ
)
りましたが、
涙
(
なみだ
)
は
頬
(
ほゝ
)
を
傳
(
つた
)
はつて——
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此時まで藻西太郎の女房は気絶でも仕たかと思わるゝほど静で、腕椅子に沈込んだまゝ一言も発せずに居ましたが吾々が藻西を引立ようとすると
宛
(
まる
)
で女獅々の狂う様に飛立て戸の前に立塞がり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その
星明
(
ほしあかり
)
で庭の景色もおぼろに見える、昼は
左
(
さ
)
のみとも思わなかったが、今見ると実に驚くばかりの広い庭で、
植込
(
うえこみ
)
の立木は
宛
(
まる
)
で小さな森のように黒く
繁茂
(
しげ
)
っているが、今夜はそよとの風も吹かず
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
あ
)
の辺は皆垣が石のような処で、
其処
(
そこ
)
を
切穿
(
きりほ
)
りまして穴蔵
様
(
よう
)
な物が山の
半腹
(
はんぷく
)
にありまして、
宛
(
まる
)
で
倉庫
(
くら
)
の様になって居りますから、縁側を伝わって段々
手索
(
てさぐ
)
りで
行
(
ゆ
)
くと、六畳ばかりの座敷がありまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此頃
(
このごろ
)
は
体
(
からだ
)
がだるいと
見
(
み
)
えてお
惰
(
なま
)
けさんになんなすつたよ、
否
(
いゝえ
)
、
宛
(
まる
)
で
愚
(
おろか
)
なのではございません、
何
(
なん
)
でもちやんと
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
を
)
ります。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
斯
(
か
)
うも
云
(
い
)
へるさ』と
福鼠
(
ふくねずみ
)
が
附言
(
つけた
)
しました、
宛
(
まる
)
で
寢言
(
ねごと
)
でも
云
(
い
)
ふやうに、『「
私
(
わたし
)
は
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
も
呼吸
(
いき
)
をしてる」と
云
(
い
)
つても、「
私
(
わたし
)
は
呼吸
(
いき
)
をしてる
間
(
ま
)
も
眠
(
ねむ
)
つてゐる」と
云
(
い
)
つても
同
(
おな
)
じことだ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
宛
(
まる
)
で身体の大きい赤坊です、声を放ッて泣て居ます目「
何
(
ど
)
れ行て見よう、だが
己
(
おれ
)
の逢て居る間、外で物音をさせては
了
(
いけ
)
ないよ」と注意を与え目科は先ず抜足して牢の所に寄り
窃
(
ひそ
)
かに内を窺い見る
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
宛
(
まる
)
で醒めながら夢でも見る有様で何事も移らぬのである。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
宛
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“宛”を含む語句
宛然
宛行
宛転
宛名
名宛
宛嵌
宛如
押宛
宛所
宛城
宛字
手宛
大宛
人宛
目宛
引宛
宛転滑脱
宛込
宛転悠揚
幸子宛
...