大砲たいほう)” の例文
カルネラは昔の力士の大砲たいほうを思い出させるような偉大な体躯たいくとなんとなく鈍重な表情の持ち主であり、ベーアはこれに比べると小さいが
映画雑感(Ⅲ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
砲兵隊ほうへいたいとみえて、うまが、大砲たいほうや、いろいろのものをせたくるまいて、あとからも、あとからも、ガラガラとつづきました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで、幕府ばくふは、品川しながわのおきに、砲台ほうだい大砲たいほうをすえたじん)をつくって、江戸えど(いまの東京とうきょう)のしろをまもろうとしました。
宮城をとりまいて所々に配備されている機関銃きかんじゅうや、大砲たいほうや、歩哨ほしょうや、また、総理官邸かんていの付近に、雪を血に染めて横たわっている人間の死体や
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
有力いうりよくなる軍器ぐんきへば、非常ひじやうなる爆發力ばくはつりよくいうする彈丸だんぐわん種類しゆるいかしら、それとも、一種いつしゆ魔力まりよくいうする大砲たいほう發明はつめいであらうか。
お祝いのための大砲たいほうの音もとどろきません。けれども、深い海の底では、低くブツブツといううなりがしていました。
ニールスは、海岸かいがんにそって南のほうへ走っていきました。そして、いちばん南のはしの燈台とうだいや霧を散らすために打つ大砲たいほうのところまでいってみました。
「あっこの木のてっぺんに、とんびがとまったもんだん、大砲たいほうを一発うっただげや。」
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのとき烏の大監督が、「大砲たいほう撃てっ。」と号令しました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いやだというなら、大砲たいほうをうちこんでも、うんといわせるといういきおいでした。これは、江戸幕府えどばくふにとっては、たいへんむずかしいもんだいでした。
すでに一せき右舷うげんより左舷さげんに、の一せき左舷さげんより右舷うげんに、甲板かんぱんかたむき、なみ打上うちあげて、おどろくる海賊かいぞくどもは、大砲たいほう小銃せうじう諸共もろともに、雪崩なだれごとうみつ。
わたしは、こんなことで、びっくりするんでは、戦地せんちへいって、大砲たいほうおといたら、どうするだろうとおもいましたが、かわいそうにその、どうなったかりません。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もしもそのとき、遠くのほうで、ズドンというにぶい大砲たいほうの音がきこえなかったなら、いったい、いつになって、エーランドとうへいけたことやら、わかったものではありません。
大砲たいほうがとどろきわたり、たくさんの旗が、風にひるがえりました。船のまんなかには、金とむらさきの、りっぱなテントがはられて、このうえもなく美しいふとんがしかれました。
「なにも、おやしんけど、ただ大砲たいほうをうってみただけ。」
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのころの砲術家ほうじゅつかは、じっさいに大砲たいほうをつくったり、大砲たいほうのうちかたのけいこをするわけではありませんでした。
もりはやしも、大砲たいほうけてしまったところもあります。ひろ野原のはらに、青草あおくさひとつえないところもあります。まったくむかしと、あたりの景色けしきがすっかりわっていました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
噸數とんすう一千とんくらゐ二本にほん烟筒えんとつ二本にほんマストその下甲板げかんぱんには大砲たいほう小銃等せうじうとうめるにやあらん。いぶかしきまで船脚ふなあしふかしづんでえたそのふねが、いま闇黒あんこくなる波浪なみうへ朦朧ぼんやりみとめられたのである。
上陸じょうりくすると、すぐに、かれ部隊ぶたいは、前線ぜんせん出動しゅつどうめいぜられました。そこでは、はげしい戦闘せんとう開始かいしされた。大砲たいほうおと山野さんやあっし、銃弾じゅうだんは、一ぽんのこさずくさばしてあめのごとくそそいだ。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
このあめはやまずに、いつまでもいつまでもるにちがいないと、一人ひとりできめて、くもったそらながら、腹立はらだたしくかんじ、あのそらかって、大砲たいほうでもってみたらと空想くうそうすることがあります。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)