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大名
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だいみょう
ふりがな文庫
“
大名
(
だいみょう
)” の例文
「いったい、税金って何に使うか知ってる?」と十五歳の姪に尋ねると、「ほら、
大名
(
だいみょう
)
旅行ってあるじゃない、あんなのじゃないの」
生活
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
就中
(
なかんずく
)
疱瘡は津々浦々まで種痘が行われる今日では到底想像しかねるほど猛列に流行し、
大名
(
だいみょう
)
高家
(
こうけ
)
は
魯
(
おろ
)
か将軍家の大奥までをも犯した。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
九州
(
きゅうしゅう
)
の
総追捕使
(
そうついほし
)
というのは、
九州
(
きゅうしゅう
)
の
総督
(
そうとく
)
という
意味
(
いみ
)
なのです。すると
外
(
ほか
)
の
大名
(
だいみょう
)
たちは、これも
半分
(
はんぶん
)
はこわいし、
半分
(
はんぶん
)
はいまいましがって
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おれの親方の
鍛
(
う
)
った矢の根は、
南蛮鉄
(
なんばんてつ
)
でも
射抜
(
いぬ
)
いてしまうってんで、ほうぼうの
大名
(
だいみょう
)
から何万ていう仕事がきているんだ。おれはそこの
秘蔵
(
ひぞう
)
弟子だ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徳川三〇〇年の
幕府
(
ばくふ
)
が倒れて多くの
大名
(
だいみょう
)
が、それぞれ国境を
撤廃
(
てっぱい
)
してめいめいが持っていた
侍
(
さむらい
)
すなわち、軍隊をやめ
私の思い出
(新字新仮名)
/
柳原白蓮
(著)
▼ もっと見る
この
明
(
あか
)
りじゃはっきり
見分
(
みわ
)
けがつくめえが、よく
見
(
み
)
ねえ。お
大名
(
だいみょう
)
のお
姫様
(
ひめさま
)
の
爪
(
つめ
)
だって、これ
程
(
ほど
)
の
艶
(
つや
)
はあるめえからの
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「大殿様は鰯をご存じなかったのでございます。大
大名
(
だいみょう
)
はこうありたいものだと思いました。ところで若様」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
今日の社会は大かた今僕が話したような
状態
(
ありさま
)
で、ちょうどまた新しい昔の
大名
(
だいみょう
)
が出来たようなものだ。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
ちょうどそのころ、
中津
(
なかつ
)
の
家老
(
かろう
)
(
大名
(
だいみょう
)
・
小名
(
しょうみょう
)
のけらいの
長
(
ちょう
)
)の
子
(
こ
)
の
奥平壱岐
(
おくだいらいき
)
というわかいさむらいが、
砲術
(
ほうじゅつ
)
の
研究
(
けんきゅう
)
のためにやってきて、ここにとまっていたからです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
四月、燕兵
大名
(
だいみょう
)
に
次
(
じ
)
す。王、
斉泰
(
せいたい
)
と
黄子澄
(
こうしちょう
)
との
斥
(
しりぞ
)
けらるゝを聞き、書を
上
(
たてまつ
)
りて、
呉傑
(
ごけつ
)
、
盛庸
(
せいよう
)
、
平安
(
へいあん
)
の衆を召還せられんことを
乞
(
こ
)
い、
然
(
しか
)
らずんば兵を
釈
(
と
)
く
能
(
あた
)
わざるを言う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「京お召でございます、
藍
(
あい
)
に茶の
大名
(
だいみょう
)
の
袷
(
あわせ
)
、
更紗染
(
さらさぞめ
)
に
縮緬
(
ちりめん
)
の下着と二枚重ね……」
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
狂言「
入間川
(
いるまがわ
)
」に、入間言葉の
逆
(
さか
)
さまごとの滑稽から、自分で川の深みに
陥
(
はま
)
り込んだ
大名
(
だいみょう
)
が、「
諸侍
(
しょざむらい
)
」に欲しくも無い水をくれた程に、「
成敗
(
せいばい
)
するぞ」と大威張りに威張ったところがある。
「特殊部落」と云う名称について
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
そして意外にも、
僅
(
わずか
)
に二歳であった保さんが、父に「武鑑」を
貰
(
もら
)
って
翫
(
もてあそ
)
んだということを聞いた。それは
出雲寺板
(
いずもじばん
)
の「
大名
(
だいみょう
)
武鑑」で、
鹵簿
(
ろぼ
)
の道具類に彩色を施したものであったそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
夫人はもと桐生家と同格の
大名
(
だいみょう
)
である
池鯉鮒信濃守
(
ちりうしなののかみ
)
の息女である。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夕立
(
ゆうだち
)
にどの
大名
(
だいみょう
)
か一しぼり
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
すると
為朝
(
ためとも
)
に
打
(
う
)
ち
従
(
したが
)
えられた
大名
(
だいみょう
)
たちは、うわべは
降参
(
こうさん
)
した
体
(
てい
)
に
見
(
み
)
せかけながら、
腹
(
はら
)
の中ではくやしくってくやしくってなりませんでした。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼もいわゆる詩歌
管絃
(
かんげん
)
式な
大名
(
だいみょう
)
の子ではありませんから、たとえ御指南番仕込みの剣法といえ、まあ武芸といえる程度のことくらいは心得ています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上
(
うえ
)
はお
大名
(
だいみょう
)
のお
姫様
(
ひめさま
)
から、
下
(
した
)
は
橋
(
はし
)
の
下
(
した
)
の
乞食
(
こじき
)
まで、十五から三十までの
女
(
おんな
)
と
名
(
な
)
のつく
女
(
おんな
)
の
髪
(
かみ
)
は、ひと
筋
(
すじ
)
残
(
のこ
)
らずはいってるんだぜ。——どうだ
松
(
まつ
)
つぁん。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
正三君のところはおじいさんの代まで
花岡伯爵
(
はなおかはくしゃく
)
の
家来
(
けらい
)
だった。もっともそのころは伯爵でない。お
大名
(
だいみょう
)
だから、お殿様だった。いまでは伯爵のことをお殿様とよんでいる。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
まるで、
大名
(
だいみょう
)
が
東海道
(
とうかいどう
)
をとおって、
宿屋
(
やどや
)
にとまるときとおなじような
用意
(
ようい
)
をしたわけでした。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
かくて源頼朝が大成功をして、遂に天下の権を掌握することになりますと、その下に付いていた
家人
(
けにん
)
、すなわち大宝令の制度から申さば賤民であるべき筈の者どもが、立派な
大名
(
だいみょう
)
になってしまった。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
駄目
(
だめ
)
ッてことよ。
橘屋
(
たちばなや
)
の
若旦那
(
わかだんな
)
は、たとえお
大名
(
だいみょう
)
から
拝領
(
はいりょう
)
の
鎧兜
(
よろいかぶと
)
を
持
(
も
)
ってッたって、
金
(
かね
)
ァ貸しちゃァくれめえよ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
やわらかいぞやわらかいぞ、お
大名
(
だいみょう
)
の
寝床
(
ねどこ
)
だって、こんなに
上等
(
じょうとう
)
じゃああるまいなあ、などと
牧
(
まき
)
をとかれた
山羊
(
やぎ
)
みたいに、ワザとごろごろころがってみた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国々
(
くにぐに
)
を
方々
(
ほうぼう
)
めぐりあるいて、
為朝
(
ためとも
)
はとうとう
九州
(
きゅうしゅう
)
に
渡
(
わた
)
りました。その
時分
(
じぶん
)
九州
(
きゅうしゅう
)
のうちには、たくさんの
大名
(
だいみょう
)
があって、めいめい
国
(
くに
)
を
分
(
わ
)
け
取
(
ど
)
りにしていました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「古来山に宿るものは
山賊
(
やまがつ
)
山伏
(
やまぶし
)
の
類
(
たぐい
)
にかぎります。豊臣秀吉公や徳川家康公が富士登山をしたという史実がございますか?
大名
(
だいみょう
)
は
狩座
(
かりくら
)
のほかに山野を
跋渉
(
ばっしょう
)
いたしません」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ばかをいえ、
大名
(
だいみょう
)
の土蔵をかき廻したって、古渡りで、しかもウブなこんな珊瑚が
生地
(
きじ
)
のままであるなんていうことはない。何しろ、いい物が手に
入
(
い
)
ったよ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長袖の
大名
(
だいみょう
)
そだちに似合わない、その無二無三流な意気だけは、愛すべきものであるやもしれません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふらちなやつだ。さてはきさまは、どこかの
大名
(
だいみょう
)
の手先になって、諸国をうかがう、
間諜
(
いぬ
)
だな」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柳生の
大名
(
だいみょう
)
剣法とちがって、殺伐なる実戦的鍛錬を、ここでは目標としているからでもある。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身の安住を求めながら心の安住も求めてついに仏門に
辿
(
たど
)
りついたのだが、熊谷殿などは、俺とは比較にならぬほどの武功もあり、時めく鎌倉の幕臣として、これから
大名
(
だいみょう
)
暮しもできる身を、どうして
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“大名”の意味
《名詞》
(だいみょう, たいめい) 江戸時代、一万石以上の領地を持っていた武士。
(たいめい) 大きな名誉。高名。
(おおな) 大字。
(出典:Wiktionary)
“大名”の解説
大名(だいみょう)とは、もともとは私田の一種の名田の所有者のことであり、名田の大小によって大名・小名に区別された。平安時代末頃からこの語が見られるようになり、鎌倉時代以降は大きな所領をもって家臣団を形成した有力武士を大名と呼ぶようになった。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
“大名”で始まる語句
大名物
大名府
大名縞
大名小路
大名題
大名屋敷
大名主
大名人
大名釣
大名行列