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口振
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くちぶり
ふりがな文庫
“
口振
(
くちぶり
)” の例文
『
私
(
わたし
)
が
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
になつたら』と
愛
(
あい
)
ちやんは
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つて(
甚
(
はなは
)
だ
得意
(
とくい
)
な
口振
(
くちぶり
)
ではなかつたが)『
全
(
まつた
)
く
厨房
(
だいどころ
)
には
胡椒
(
こせう
)
を
置
(
お
)
かないことにしやう、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼女は大事なものでも保存するような
口振
(
くちぶり
)
でこう答えた。健三は彼女の所置を
咎
(
とが
)
めもしない代りに、
賞
(
ほ
)
める気にもならなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼奴
(
きゃつ
)
何を立腹したか今に見ろと言ふアノ
口振
(
くちぶり
)
ではお紺とやらの居所でも突留たかなナニ構う者かお紺が罪人で無い事は分ッて居る
彼奴
(
きゃつ
)
夫
(
それ
)
と知らずに
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
取
(
とり
)
悦
(
よろこ
)
び
縋
(
すが
)
りしかば皆一同に
惘果
(
あきれはて
)
たるばかりなり時に大岡殿申さるゝは此彦兵衞儀白状は致せしかど其
口振
(
くちぶり
)
と云ひ
人體
(
じんてい
)
と申し
疑
(
うたが
)
は
敷
(
しく
)
思ひ外に罪有る者牢死せしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「なんで、そない鹿児島がお嫌ひだんね。」
興行師
(
しうち
)
はよなひで済む事なら、済ませたいやうな
口振
(
くちぶり
)
だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
皆
(
みんな
)
が
騷
(
さわ
)
ぐを
見
(
み
)
るばかりでは
美登利
(
みどり
)
さんだとて
面白
(
おもしろ
)
くはあるまい、
何
(
なん
)
でもお
前
(
まへ
)
の
好
(
い
)
い
物
(
もの
)
におしよと、
女
(
おんな
)
の一むれは
祭
(
まつ
)
りを
拔
(
ぬ
)
きに
常盤座
(
ときはざ
)
をと、
言
(
い
)
いたげの
口振
(
くちぶり
)
をかし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
身を入れて其話を聞いてゐた智恵子は、
謹慎
(
つつま
)
しいお利代の
口振
(
くちぶり
)
の底に、此悲しき
女
(
ひと
)
の心は今猶その先夫の梅次郎を慕つてゐる事を知つた。そして無理もないと思つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と青い帽子をずぼらに
被
(
かぶ
)
って、目をぎろぎろと光らせながら、
憎体
(
にくてい
)
な
口振
(
くちぶり
)
で、歯磨を売る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へえ、どうかと思って私は心配しておりました」と岸本は兄の話を受けて、「姉さんの
口振
(
くちぶり
)
ではあまり家も気に入らないような話でしたが、引越して住んで見れば悪くもありませんかナ」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
十歳
(
とを
)
の時、別れた姉のやうな
口振
(
くちぶり
)
は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
妻君「お登和さんの
口振
(
くちぶり
)
では兄や親の都合次第でどうなるか分らんとお言いでしたから先ず中川さんに話して中川さんが御承知なされば
強
(
し
)
いてイヤともおっしゃいますまい」大原「強いてイヤとも言うまいなんぞは
甚
(
はなは
)
だ
心細
(
こころぼそ
)
い。それでは ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小六
(
ころく
)
は
幾分
(
いくぶん
)
か
安之助
(
やすのすけ
)
の
利害
(
りがい
)
を
代表
(
だいへう
)
してゐる
樣
(
やう
)
な
口振
(
くちぶり
)
であつた。
夫
(
それ
)
から三
人
(
にん
)
の
間
(
あひだ
)
に、しばらく
談話
(
だんわ
)
が
交換
(
かうくわん
)
されたが、
仕舞
(
しまひ
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女の一むれは祭りを抜きに
常盤座
(
ときはざ
)
をと、言ひたげの
口振
(
くちぶり
)
をかし、田中の正太は可愛らしい眼をぐるぐると動かして、幻燈にしないか、幻燈に、己れの処にも少しは有るし
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
どうやら半分は、私に対して八郎が心づかいをしたのを呑込んだらしい
口振
(
くちぶり
)
だ、と思うと
果
(
はた
)
せるかな、盆に、一銚子、で、雪代が絵姿のように、薄面影を暗い茶の間から、ほんのりと
顕
(
あら
)
われて
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私費で洋行を思立った留学生が日本を出る動機の中には、すくなくもその若い夫人との関係が潜んでいるらしい
口振
(
くちぶり
)
であった。その夫人の妊娠ということにも留学生は
酷
(
ひど
)
く頭をなやましていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
襲われる事を予期して、
暗
(
あん
)
にそれを苦にするような健三の
口振
(
くちぶり
)
が、細君の言葉を促がした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
心配しないで
呪
(
まじなひ
)
でもして待つが
宜
(
い
)
いさと慰めるやうな
朋輩
(
ほうばい
)
の
口振
(
くちぶり
)
、
力
(
りき
)
ちやんと違つて
私
(
わた
)
しには
技倆
(
うで
)
が無いからね、一人でも逃しては残念さ、私しのやうな運の悪るい者には呪も何も聞きはしない
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私に対して、値の押問答をするのが
極
(
きまり
)
が悪くもあったらしい
口振
(
くちぶり
)
で。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「三拾円」と女が
金高
(
きんだか
)
を云つた。
恰
(
あたか
)
も毎日銀行へ
金
(
かね
)
を
取
(
と
)
りに行き
慣
(
つ
)
けた者に対する
口振
(
くちぶり
)
である。幸ひ、三四郎は
国
(
くに
)
にゐる時分、かう云ふ帳面を以て
度々
(
たび/\
)
豊津
(
とよつ
)
迄出
掛
(
か
)
けた事がある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
心配
(
しんぱい
)
しないで
呪
(
まじなひ
)
でもして
待
(
ま
)
つが
宜
(
い
)
いさと
慰
(
なぐ
)
さめるやうな
朋輩
(
ほうばい
)
の
口振
(
くちぶり
)
、
力
(
りき
)
ちやんと
違
(
ちが
)
つて
私
(
わた
)
しには
技倆
(
うで
)
が
無
(
な
)
いからね、
一人
(
ひとり
)
でも
逃
(
にが
)
しては
殘念
(
ざんねん
)
さ、
私
(
わた
)
しのやうな
運
(
うん
)
の
惡
(
わ
)
るい
者
(
もの
)
には
呪
(
まじなひ
)
も
何
(
なに
)
も
聞
(
き
)
きはしない
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
口振
(
くちぶり
)
は、ややこの
器
(
うつわ
)
に
馴
(
な
)
れたもののようでもある。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
Kは行きたくないような
口振
(
くちぶり
)
を見せました。無論彼は自分の自由意志でどこへも行ける
身体
(
からだ
)
ではありませんが、私が誘いさえすれば、またどこへ行っても
差支
(
さしつか
)
えない身体だったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さも喧嘩の相手があるような
口振
(
くちぶり
)
だね。
当
(
とう
)
の
敵
(
てき
)
は誰だい」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬鹿らしいという気が幾分か彼の
口振
(
くちぶり
)
に出た。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々