出世しゅっせ)” の例文
幕府ばくふとちがって、すぐれたものはどんどん出世しゅっせもできるし、政府せいふ身分みぶんのたかいひとも、きみにぜひきてほしいといっているのだ。
こうして、ちいさなたにしから出世しゅっせしたおむこさんは、たにしの長者ちょうじゃとよばれて、やさしいおよめさんと一緒いっしょに、すえながくさかえましたと、さ。
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それとも、だんだんからころげおちたくせに、うまく出世しゅっせして、王女おうじょさまをおよめさんにした、でっくりもっくりさんのおはなしをしようかね。
うらおもてがあったり、じゃけんだったりすると、きらわれて出世しゅっせ見込みこみがないものだ。東京とうきょうへいったら、からだを大事だいじにして、よくはたらきなさい。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ふたりの男の子をせい一ぱい教育きょういくしなさい、そうしてわがをあきらめて、ふたりの子の出世しゅっせをたのしめ」
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「かかる姿をしているからとて疑うな、がその梅雪にちがいないのじゃ、そちが一生の出世しゅっせつるは、いまとせまったわしの危急ききゅうすくってくれることにあるぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なによりより御存ごぞんじよりか。なまじはじってるばかりに、おいらァ出世しゅっせ出来できねえんだよ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
娘御むすめご出世しゅっせねがひ、その昇進しょうしんをば此世このよ天國てんごくともおもはしゃった貴下こなたが、只今たゞいま娘御むすめごくもうへまこと天國てんごく昇進しゃうしんせられたのを、なんとしてなげかしゃるぞ! おゝ、やすらかにならしゃれたを
良人おっとはしきりにうま鼻面はなづらでてやりながら『おまえもとうとう出世しゅっせして鈴懸すずかけになったか。イヤ結構けっこう結構けっこう! わしはもう呼名よびなについて反対はんたいはせんぞ……。』そうって、わたくしほうかえりみて
そこに出世しゅっせの道を正は見つけたらしい。すると竹一も、まけずに声をはげまして
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
などという文句がつらねられているのを見ると、かつて稲作の豊熟をもって、いわゆる弥勒出世しゅっせの第一の奇瑞きずいと解し、米を祭場にきちらすことによって、その絶大の歓喜を表示しようとした時代が
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
出世しゅっせをするやつは出世をする。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「わたくしは出世しゅっせがしたいとおもって、京都きょうとへわざわざのぼってまいりました。どうぞ一生懸命いっしょうけんめいはたらきますから、お屋敷やしきでお使つかいなさってくださいまし。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
諭吉ゆきち長崎ながさきにいては、せがれ壱岐いき出世しゅっせのじゃまになるから、中津なかつへよびもどしてくれ。ただし、そのりゆうには、はは病気びょうきだといってやれ。」
それにつれて芋蔓いもづる出世しゅっせをゆめみている丹羽昌仙にわしょうせんも、吹針ふきばり蚕婆かいこばばあも、はれの御岳みたけでそれぞれ武名ぶめいをあげる算段さんだん、今から用意よういおさおさおこたりないところである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いよいよ自分も非職ひしょくとなり、出世しゅっせの道がたえたときまったら、妻はどうするか、かれの両親はどういう態度たいどをするか、こういうときに夫婦ふうふ関係かんけいはどうなるものかしら。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
さあ、おまえさんとわたし今日きょうからかたきどうしになったのだ。わたしはこんなにいぼれていても少佐しょうさだから、わたしくびってゆけば、あなたは出世しゅっせができる。だからころしてください。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうおいなされましたか……んとおはやいことで……。が、それなら尚更なおさらのことでござります。是非ぜひあの若月わかつき小桜神社こざくらじんじゃ神馬しんめ出世しゅっせさせておやりくださいませ。若月わかつきがどんなによろこぶかれませぬ。
「いや、わたしはごめんだね。役人やくにんにはなりたくないし、役人やくにん出世しゅっせしたいなど、一どもかんがえたことはない。わたしは平民へいみん、ただの国民こくみんでいいのだ。」
「なんでも出世しゅっせをするには、まずだれかえらい人の家来けらいになって、それからだんだんにしげなければならない。これこそいちばんえらい人のお屋敷やしきちがいない。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
出世しゅっせしたら、娘をやってもよいような事を云っておきながら、五郎左衛門父娘は、その後、旅先で、今度、御当家と合戦になった上杉家の家臣と、婚約を取り交している。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
細君の里方さとかたでは、糟谷をえらい人と思いこみ、なお出世しゅっせする人と信じて、この結婚を名誉めいよと感じてむすめをとつがし、糟谷のほうでもただ良家りょうけの女ということがありがたくて
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
むらひとたちは、牛女うしおんな子供こども出世しゅっせをしたのをよろこび、いわいました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
せっかく、菊池半助きくちはんすけが、ああやって、徳川家とくがわけ出世しゅっせつるをさがしてくれたのに、越前なンて雪国へなんかいくなんて、なんとつまらないことだと、また泣きだしたくなった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうか達者たっしゃで、出世しゅっせをしておくれ。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おおきくなって出世しゅっせいたします。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)