傳説でんせつ)” の例文
新字:伝説
しも太古たいこにおいて國民こくみんが、地震ぢしんをそれほどにおそれたとすれば、當然たうぜん地震ぢしんくわんする傳説でんせつ太古たいこから發生はつせいしてゐるはずであるが、それはとん見當みあたらぬ。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
すだきかへるこゑつて、果敢はかないなかにも可懷なつかしさに、不埒ふらち凡夫ぼんぷは、名僧めいそう功力くりきわすれて、所謂いはゆる、(かぬかへる)の傳説でんせつおもひうかべもしなかつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、これはたゞ傳説でんせつですから、あてにはなりませんが、これからおはなしするのは、普通ふつうどこにもあり、みなさんがいつでも實際じつさい御覽ごらんになれる樹木じゆもくのおはなしです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
こひまよふをわらひとは、あやしげな傳説でんせつ學説がくせつまよはぬがよい。こひひと至情しゞやうである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
小石川こいしかは傳通院でんづうゐんには、(かぬかへる)の傳説でんせつがある。おなじかへる不思議ふしぎは、たし諸國しよこく言傳いひつたへらるゝと記憶きおくする。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
有史時代いうしじだいつてはじめて地震ぢしん傳説でんせつえるのは、孝靈天皇かうれいてんのうの五ねん近江國あふみのくにけて琵琶湖びはこ出來でき同時どうじ富士山ふじさん噴出ふんしゆつして駿すんかふさうがおびたゞしく震動しんどうしたといふのであるが
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
(一)傳説でんせつ巨木きよぼく
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
鉢肴はちざかなまたあらひとなへ、縁日えんにち金魚きんぎよどんぶりかせて——(こほりへてもいゝ)——のちにひきものにたせてかへす、ほとん籠城ろうじやううまあら傳説でんせつごとき、すご寸法すんぱふがあると仄聞そくぶんした。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この機會きくわいさいして化物ばけもの研究けんきうおこし、化物學ばけものがくといふ一くわ學問がくもんつくしたならば、さだめし面白おもしろからうとおもふのである。むかし傳説でんせつ樣式やうしきはなれた新化物しんばけもの研究けんきうこゝろみる餘地よち屹度きつとあるに相違さうゐない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
古來こらい我邦わがくに化物思想ばけものしさうはなは幼稚えうちで、あるひほとんかつたとつてくらゐだ。日本にほん神話しんわ化物ばけもの傳説でんせつはなはすくない。日本にほん神々かみ/\日本にほん祖先そせんなる人間にんげんであるとかんがへられて、化物ばけものなどとはおもはれてない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)