トップ
>
余程
>
よっぽど
ふりがな文庫
“
余程
(
よっぽど
)” の例文
旧字:
餘程
「助の顔色がどうも可くないね。いったい病身な児だから
余程
(
よっぽど
)
気をつけないと
不可
(
いけ
)
ませんよ」と云いつつ今度は自分の方を向いて
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「ふむ。お前の故郷まで行って探した! じゃ
余程
(
よっぽど
)
深い仲だなあ。……そうして其の人、今何処にいるんだ? 何をしているの?」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
あの按摩の
家
(
うち
)
は
余程
(
よっぽど
)
変ってるぜ、巡礼の娘を貰ったとなア、妙な者を貰やアがったなア、でも腕は余程
宜
(
い
)
いに違いない無闇に剣術を
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ふむ。私よりかお前さんの方が、
余程
(
よっぽど
)
間抜なんだ。だから川西なんかに
莫迦
(
ばか
)
にされるんです。もっとしっかりするが
可
(
い
)
いんだ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ッて渋団扇で
煽
(
あお
)
いだのは、どういうものか、
余程
(
よっぽど
)
トッチたようだったと、見ていたものがいうんでして、見物わッとなる
騒動
(
さわぎ
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「
余程
(
よっぽど
)
やッつけて遣ろうかと思ッたけれども、シカシあんな奴の云う事を取上げるも
大人気
(
おとなげ
)
ないト思ッて、
赦
(
ゆる
)
して置てやッた」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三月の
休暇
(
やすみ
)
までは帰って来られないんだ。けれども家にいて姉さん達に
苛
(
いじ
)
められるよりか
余程
(
よっぽど
)
得
(
まし
)
だと思う。学校には乃公位の子供も大勢いるそうだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「今は
余程
(
よっぽど
)
分っていなくちゃならない——ところが、君、やっぱり今でも分らないんだろう」と西が軽く笑った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何でも遅れずに歩くのは、牧野にも骨が折れたそうだから、
余程
(
よっぽど
)
先を急いでいたんだろう。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「まだまだとても下までには
余程
(
よっぽど
)
な距離がありそうだ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おまはん
余程
(
よっぽど
)
強そうだねえ」
村井長庵記名の傘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
最前から聞いて居れば手前は
余程
(
よっぽど
)
付け上って
居
(
お
)
るな、此の町人は
謂
(
いわ
)
れなく切るのではない、余り無礼だに
依
(
よ
)
って
向後
(
きょうこう
)
の
戒
(
いましめ
)
の為
切捨
(
きりすて
)
るのだ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
余程
(
よっぽど
)
曳船へ廻りたかった。堅豌豆ぬきの精進揚か、いや、そんなものは東海会社社長の船には積むまい。豆大福、
金鍔
(
きんつば
)
か。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曲馬と動物園を一緒にしたようなもので、
種々
(
いろいろ
)
珍しい
獣
(
けだもの
)
が来るんだ。
乃公
(
おれ
)
も
余程
(
よっぽど
)
学問が出来るようになったと見えて曲馬の広告が半分ぐらい読める。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「お勢を疑うなんぞと云ッて
我
(
おれ
)
も
余程
(
よっぽど
)
どうかしている、アハハハハ。帰ッて来たら
全然
(
すっかり
)
咄
(
はな
)
して笑ッてしまおう、お勢を疑うなんぞと云ッて、アハハハハ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「うむ/\。そうだ。お前の言うことも、私にはよく分っている。……じゃ二人で
余程
(
よっぽど
)
苦労もしたんだろう。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「やい
戯※
(
じょうだん
)
じゃねえぞ。
余程
(
よっぽど
)
、この馬は与太馬(
駑馬
(
どば
)
)だいなあ。こんな使いにくい畜生もありゃあしねえ」
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
髯
(
ひげ
)
なんかはやして、あんなものにでれでれしているなんて、お前さんも
余程
(
よっぽど
)
な
薄野呂
(
うすのろ
)
だね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どうして
兄様
(
にいさん
)
、十一月でさえ一月の炭の代がお米の代よりか
余程
(
よっぽど
)
上なんですもの。これから十二、一、二と
先
(
ま
)
ず三月が炭の
要
(
い
)
る
盛
(
さかり
)
ですから倹約出来るだけ仕ないと大変ですよ。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
兼「なんでございますねえ、本当にお堅いねえ、嬢様が
余程
(
よっぽど
)
なんしていらっしゃいますのに、貴方お
何歳
(
いくつ
)
でいらっしゃいますえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これにゃ、
皆
(
みんな
)
が
貴僧
(
あなた
)
、
茶釜
(
ちゃがま
)
の中へ紛れ込んで
祟
(
たた
)
るとか俗に言う、あの
蜥蜴
(
とかげ
)
の
尻尾
(
しっぽ
)
の切れたのが、行方知れずになったより
余程
(
よっぽど
)
厭な紛失もの。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寄宿舎には他に人も居るんだぜ。そこへ行って繁ちゃん見たいにあばれたら、それこそ大変だ。
余程
(
よっぽど
)
改良しなけりゃ。あんな大きな声を出して怒鳴ったり、障子を
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「まあ、
貴方
(
あなた
)
は
此地
(
こっち
)
へ来てから、
余程
(
よっぽど
)
大きくなったのねえ。今じゃ
私
(
あたし
)
とは
屹度
(
きっと
)
一尺から違ってよ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「そんな腕を持っていながら、名古屋くんだりまで苦労をしに行くなんて、
余程
(
よっぽど
)
可笑
(
おかし
)
いよ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして
余程
(
よっぽど
)
行ってから、親方に頼んで弟子にして貰おう。一週間も習えば屹度上手になれる。すると乃公が真赤な着物を着て彼の馬の上で縄飛だの逆立だのする。見物人が手を叩くだろう。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そして聞く者よりか
喋舌
(
しゃべっ
)
ている連中の方が
余程
(
よっぽど
)
面白そうであった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
しながら稼ぎに来る女は
夥
(
いか
)
い事ありますが、
彼
(
あ
)
の
位
(
くれ
)
えなのは珍らしい女で、丁寧で口が利けねえのは
余程
(
よっぽど
)
出が
宜
(
い
)
いんですねえ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところでその金屏風の絵が、極彩色の
狩野
(
かのう
)
の
何某
(
なにがし
)
在銘で、玄宗皇帝が同じ
榻子
(
いす
)
に、
楊貴妃
(
ようきひ
)
ともたれ合って、笛を吹いている処だから
余程
(
よっぽど
)
可笑
(
おか
)
しい。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「叔母さん達も、最早
余程
(
よっぽど
)
行ったわなアし」とお延は、叔父の傍へ来て、旅の人達の噂をした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何となく祖母を味方のように思っているから、祖母が内に居る時は、私は散々我儘を言って、悪たれて、
仕度三昧
(
したいざんまい
)
を仕散らすが、留守だと、
萎靡
(
いじけ
)
るのではないが、
余程
(
よっぽど
)
温順
(
おとな
)
しくなる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私
(
わたくし
)
の
家
(
うち
)
なんざアね
此方
(
こっち
)
を
蹈
(
ふ
)
むと
彼方
(
あっち
)
が上り、
彼方
(
あっち
)
を蹈むと
此方
(
こっち
)
が上りね、どうして海の方が
余程
(
よっぽど
)
平らさ、あゝ
宜
(
い
)
い心持ちだ、どうも
好
(
い
)
い景色だ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私から
遁
(
に
)
げようとしたので、目を隠したのは、見まい見せまいじゃあない。蚊帳を覗くためだったのだから
余程
(
よっぽど
)
変です。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余程
(
よっぽど
)
自分の子供は嬉しがるかと思って上京したのに、案外で失望した、もう子供に逢いに行くことは
懲
(
こ
)
りた、と言ってお父さんが嘆息して姉に話したということを思出した。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
吃驚
(
びっくり
)
して
振反
(
ふりかえ
)
ると、下女の松めが
何時
(
いつ
)
戻ったのか、
見
(
み
)
ともない
面
(
つら
)
を
罅裂
(
えみわれ
)
そうに
莞爾
(
にこ
)
つかせて立ってやがる。私は
余程
(
よっぽど
)
飛蒐
(
とびかか
)
って横面をグワンと
殴曲
(
はりま
)
げてやろうかと思った。腹が立って腹が立って……
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
どうも
余程
(
よっぽど
)
惚れてますよ、私が浮世の義理に
一寸
(
ちょっと
)
逢って来ますから、あのなに、
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
さん、若旦那をお連れ申しておくれ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
懺悔
(
ざんげ
)
をするがね、実は我ながら、とぼけていて、ひとりでおかしいくらいなんだよ。月夜に提灯が
贅沢
(
ぜいたく
)
なら、
真昼間
(
まっぴるま
)
ぶらで提げたのは、何だろう、
余程
(
よっぽど
)
半間さ。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの時分から見ると、
余程
(
よっぽど
)
これでも楽に成った方だよ。もう少しの辛抱だろうと思うね」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「妻君の妹です……内で見たよりか
余程
(
よっぽど
)
別嬪
(
べっぴん
)
に見える」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
善「是は感心、うまい考えだ、成程宜かろう、何か粉炭ばかり売るも宜しいが、
余程
(
よっぽど
)
貯ったかえ、直ぐに売り切れるようではいかんがどうだえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこで、その小豆を喰いながら、
私
(
わたい
)
らが、売女なら、どうしよってんだい、
小姐
(
ちいねえ
)
さん、内々の紐が、ぶら下ったり、爪の掃除をしない方が、
余程
(
よっぽど
)
汚れた、頽れた、浅ましい。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「叔父さんが仙台に
被入
(
いら
)
しった時分、宅のことで書いて寄して下すった手紙が、昨年でしたか出て参りましたっけ。あれなぞを見ましても、
余程
(
よっぽど
)
宅は皆さんに心配して頂いた人なんですネ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
知慧もあり剣術も出来て
余程
(
よっぽど
)
賢い奴だ、其の荷を拵えた
工合
(
ぐあい
)
は旨いもので、動けない様にする工夫が
巧
(
うま
)
いものじゃアないか
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
別嬪
(
べっぴん
)
が二人、木曾街道を、ふだらくや岸打つ浪と、流れて行く。
岨道
(
そばみち
)
の森の上から、杓を持った
金釦
(
きんぼたん
)
が
団栗
(
どんぐり
)
ころげに落ちてのめったら、
余程
(
よっぽど
)
……妙なものが出来たろうと思います。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「高輪に居た時分から見ると、
余程
(
よっぽど
)
これで違って来ましたよ」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お年はお十七とのこと、これが若様なれば
余程
(
よっぽど
)
宜
(
よろ
)
しゅうございますに、お武家様にお嬢様は
糞
(
くそ
)
ったれでございますなア
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私も
余程
(
よっぽど
)
寝苦しかったと見えます——先にお話しした二度めに目を覚ましますまで、ものの一時間とはなかったそうで——由紀の
下階
(
した
)
から
透
(
とお
)
して見たのでは——余り
判明
(
はっきり
)
見えるので
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
枯らしちゃ成らんなんて……
余程
(
よっぽど
)
主人思いだネ
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
孝「何も疑ぐりはしませんのに、疑ぐると思うのが
余程
(
よっぽど
)
おかしい、夜夜中女ばかりの処へ男が這入り込むのは
何
(
ど
)
うも
訝
(
おか
)
しいと思っても
宜
(
よ
)
かろうと思います」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや、いつかの間淵の話じゃないが、蟻の細工までにも到らない、箸けずりの木彫屋が、余五将軍をのみなかまに引込んだ処は、私も
余程
(
よっぽど
)
酔いました。——ま、ま、あなたへ、
一杯
(
ひとつ
)
。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気の利かない
女
(
こ
)
だよ、藤川さんだよ、無闇に上げちゃアいけねえなア………この節は何うもいけない、
余程
(
よっぽど
)
いけねえ、様子の悪い、それを無闇に上げてさ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“余程”で始まる語句
余程面白く見える
余程不快を感ぜられ