トップ
>
何家
>
どこ
ふりがな文庫
“
何家
(
どこ
)” の例文
路
(
みち
)
の両側しばらくのあいだ、
人家
(
じんか
)
が
断
(
た
)
えては続いたが、いずれも寝静まって、
白
(
しら
)
けた
藁屋
(
わらや
)
の中に、
何家
(
どこ
)
も
何家
(
どこ
)
も人の
気勢
(
けはい
)
がせぬ。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私生児
(
かくしご
)
を抱えて、男から棄てられた彼女は、今さら誰に歎願してみようもなかった。
何家
(
どこ
)
の戸口を叩こうという当てもなかった。
小さきもの
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
吉良家の近習のうちでも、槍とか太刀とか把って、
何家
(
どこ
)
へ投げ出しても侍一人前で通用する人間は、そうたんとはいない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれが宜いこれが利く、
何家
(
どこ
)
の誰が何年間肺病で寝て居て医者も手を放したのが何々を飲んでからすつかり治つたなど、種々の人が種々の療法を話した。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「早い話が、
何家
(
どこ
)
の大事な
公達
(
きんだち
)
だツて、要するに、親の淫行の收穫よ。ふゝゝゝ」と
危
(
あやふ
)
く快げに笑出さうとして
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
伯母は台所に何か働いて居つたので、自分が『
何家
(
どこ
)
の女客ぞ』と怪しみ乍ら取次に出ると、『腹が減つて腹が減つて一足も歩かれなエハンテ、
何卒
(
どうか
)
何か……』
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
大学生は
悔
(
くや
)
しがつて、
何家
(
どこ
)
の子供か知らと
訊
(
たづ
)
ねてみると、文科大学の内藤湖南博士が
秘蔵
(
ひぞ
)
つ
児
(
こ
)
だつたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
永年
(
ながねん
)
連添
(
つれそ
)
う間には、
何家
(
どこ
)
でも
夫婦
(
ふうふ
)
の間に晴天和風ばかりは無い。夫が妻に対して
随分
(
ずいぶん
)
強い不満を
抱
(
いだ
)
くことも有り、妻が夫に対して
口惜
(
くや
)
しい
厭
(
いや
)
な
思
(
おもい
)
をすることもある。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
日
(
ひ
)
は、どういうものか、
乞食
(
こじき
)
は、
何家
(
どこ
)
へいきましても、
同
(
おな
)
じようなことをいって
断
(
ことわ
)
られました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まア/\
喫
(
たべ
)
るのは
後
(
あと
)
にして、早く用を
仕
(
し
)
ちまつてから、ちよいとお
礼
(
れい
)
に
行
(
い
)
つてお
出
(
いで
)
よ。亭「うむ。
是
(
これ
)
から水を
汲
(
く
)
んで
了
(
しま
)
ひ、亭「ぢアま
行
(
い
)
つて
来
(
く
)
るが、
何家
(
どこ
)
から
貰
(
もら
)
つたんだ。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何の用? テッ! 何の用もかんの用もあるけえ」お絃のかげに隠れるように、土間の隅に小さくなっているお妙へ
顎
(
あご
)
をしゃくって、「これア
何家
(
どこ
)
の娘だ、何家の。え?」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「こら、やい。この柿、
何家
(
どこ
)
の柿やと思うてけつかる。」
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
見上げて「実に不思議だ、
何
(
ど
)
う云う訳で誰に殺されたか少しも手掛りが無い」谷間田は例の茶かし顔にて「ナニ手掛は有るけれど君の目には入らぬのだ何しろ東京の内で
何家
(
どこ
)
にか一人足らぬ人が出来たのだから分らぬと云う筈は無い早い
譬
(
たと
)
えが戸籍帳を ...
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
路
(
みち
)
の
兩側
(
りやうがは
)
しばらくのあひだ、
人家
(
じんか
)
が
斷
(
た
)
えては
續
(
つゞ
)
いたが、いづれも
寢靜
(
ねしづ
)
まつて、
白
(
しら
)
けた
藁屋
(
わらや
)
の
中
(
なか
)
に、
何家
(
どこ
)
も
何家
(
どこ
)
も
人
(
ひと
)
の
氣勢
(
けはひ
)
がせぬ。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どこだっけ、あの男に会ったのは? ……
何家
(
どこ
)
かの客間でか? ……それとも病院であったか? ……うちの診察室か?」
誰?
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
と、往来の者も、後振り向いて、お通の代りに声を揚げ合っていたが、その時、彼方の辻から、胸に
文筥
(
ふばこ
)
を掛けた
何家
(
どこ
)
かの下郎が、牛の前に歩いて来た。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隅つこに小さくなつてゐた
何家
(
どこ
)
かの
未亡人
(
ごけ
)
さんが覚えずくすりと笑つたので、今度はその方へ捩ぢ向いた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの
何
(
なん
)
とか云ったっけ
巴
(
ともえ
)
の紋じゃアねえ、三星とか何とか云う
印
(
いん
)
が押して有る
古金
(
かね
)
を八百両
何家
(
どこ
)
かで家尻を切って盗んだ泥坊が廻り廻って来てそれでまア、
彼
(
あ
)
の親孝行な…
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
併し
何家
(
どこ
)
の
老人
(
としより
)
も同じ事で、親父は其の老成の大事取りの心から、且は有余る親切の気味から、まだ/\位に思つてゐた事であらう、依然として金八の
背後
(
うしろ
)
に立つて保護してゐた。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
お由が
何家
(
どこ
)
かへ振舞酒にでも
招
(
よ
)
ばれると、
密乎
(
こつそり
)
と娘を連れ込む事もある。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まあ
何家
(
どこ
)
でもいいや、今晩はここに厄介になれ——。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
何家
(
どこ
)
やろ。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一体、
何家
(
どこ
)
を捜す? いやさ捜さずともだが、仮にだ。いやさ、
七
(
しち
)
くどう云う事はない、何で俺が門を
窺
(
うかご
)
うた。
唐突
(
だしぬけ
)
に窓を
覗
(
のぞ
)
いたんだい。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あらゆる人間の持つ——生きとし生けるものの宿命的な悩みというものがやはり
何家
(
どこ
)
の
中
(
うち
)
にもあるだろう。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先日
(
こなひだ
)
もこんな事があつた。その日は博士は朝から少し機嫌を損じてゐて、
何家
(
どこ
)
かの若い夫人が診察室に入つて来た折は、
恰
(
まる
)
で苦虫を噛み潰したやうな顔をしてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「なアに
何家
(
どこ
)
の
嬶
(
かかあ
)
も同じことよ。
彼女
(
あれ
)
はここへ来ても、
小舎
(
うち
)
にいても、せっせと仕事をしているだ」
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
しかし
何家
(
どこ
)
の
老人
(
としより
)
も同じ事で、親父はその老成の大事取りの心から、かつはあり余る親切の気味から、まだまだ位に思っていた事であろう、依然として金八の
背後
(
うしろ
)
に立って保護していた。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
『
何家
(
どこ
)
のがんこだ!』『
狂人
(
ばか
)
のよ、繁のよ。』『アノ高沼の
繁
(
しげる
)
狂人
(
ばか
)
のが?』『ウム
然
(
さう
)
よ、高沼の狂人のよ。』『ホー。』『今朝の新聞にも書かさつて
居
(
え
)
だずでヤ、繁ア死んで
好
(
え
)
エごとしたつて。』『ホー。』
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
裏町の中程に懸ると、両側の家は、どれも火が消えたように
寂寞
(
ひっそり
)
して、空屋かと思えば、
蜘蛛
(
くも
)
の巣を引くような糸車の音が
何家
(
どこ
)
ともなく
戸外
(
おもて
)
へ漏れる。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、腰をかけて、血判を戻しに来たことを、
何家
(
どこ
)
へ行っても同じ口上の通りに述べると
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石油王ロツクフエラアが、ある時自動車に乗つて出掛けようとすると、直ぐ
側
(
そば
)
に
何家
(
どこ
)
の
児
(
こ
)
とも知れない
六歳
(
むつつ
)
ばかりの小娘が立つてゐて、この
富豪
(
かねもち
)
の顔をしげしげと見てゐるのに気がついた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何家
(
どこ
)
の
下僕
(
しもべ
)
だろうか。武家の
仲間
(
ちゅうげん
)
のようでもなし、町家の
下男
(
しもべ
)
ともみえない。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(はてな? ……
何家
(
どこ
)
の子だろうか。これは、
鳳凰
(
ほうおう
)
の
雛
(
ひな
)
だ)そう思いながら
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と聞くと、
何家
(
どこ
)
の
妓
(
こ
)
も逃げを張って、
花代
(
はな
)
に依らず、座敷へ出てがない。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうか。通しておくがよい。——しかし
何家
(
どこ
)
のお子だ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
何家
(
どこ
)
の?」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“何”で始まる語句
何
何処
何時
何故
何人
何方
何卒
何處
何日
何事