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人声
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ひとごえ
ふりがな文庫
“
人声
(
ひとごえ
)” の例文
旧字:
人聲
不意に
人声
(
ひとごえ
)
がしたので主翁はびっくりして、
動悸
(
どうき
)
をさしながら
透
(
すか
)
して見た。学生のマントを着た少年が眼の前に立っていた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
シューラはシャツ一
枚
(
まい
)
で立ったまま、おいおい
泣
(
な
)
いていた。と、ドアの
外
(
そと
)
で
騒々
(
そうぞう
)
しい
人声
(
ひとごえ
)
や、
賑
(
にぎや
)
かな
叫
(
さけ
)
び
声
(
ごえ
)
などが聞えた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
一休みして寶兒が睡りについたのを見て歩き出すと、また支え切れなくなった。するとたちまち耳元で
人声
(
ひとごえ
)
がした。
明日
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
すると丁度隣の土蔵が塗直しで足場が掛けてあって
笘
(
とま
)
が掛っているから、それを
潜
(
くゞ
)
って段々参ると、下の方ではワア/\と云う
人声
(
ひとごえ
)
、もう
然
(
そ
)
うなると
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の火に
照
(
てら
)
された、二個の魔神の
状
(
さま
)
を見よ。けたゝましい
人声
(
ひとごえ
)
幽
(
かすか
)
に、鉄砲を肩に、猟師が二人のめりつ、
反
(
そ
)
りつ、
尾花
(
おばな
)
の波に漂うて森の中を
遁
(
に
)
げて行く。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
狐
(
きつね
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなくなったと
思
(
おも
)
うと、また
向
(
む
)
こうの
森
(
もり
)
の中で、
先
(
せん
)
よりも三
倍
(
ばい
)
も四
倍
(
ばい
)
もさわがしい
人声
(
ひとごえ
)
がしました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
間もなく、ずっと遠くに低い
人声
(
ひとごえ
)
が聞え、なおも耳を傾けていると、それがだんだん大きく近くなって来た。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
玄関
(
げんかん
)
から
病室
(
びょうしつ
)
へ
通
(
かよ
)
う
戸
(
と
)
は
開
(
ひら
)
かれていた。イワン、デミトリチは
寐台
(
ねだい
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
になって、
肘
(
ひじ
)
を
突
(
つ
)
いて、さも
心配
(
しんぱい
)
そうに、
人声
(
ひとごえ
)
がするので
此方
(
こなた
)
を
見
(
み
)
て
耳
(
みみ
)
を
欹
(
そばだ
)
てている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
塀の
傍
(
そば
)
に
寄
(
よ
)
つて耳を
澄
(
す
)
ましても、
夫
(
それ
)
らしい
人声
(
ひとごえ
)
は聞えなかつた。医者を
突
(
つ
)
き
留
(
と
)
めて、詳しい様子を探らうと思つたが、医者らしい車は平岡の門前には
留
(
とま
)
らなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
四辺
(
あたり
)
はひっそりと静まりかえって、答えるものとてはただ、
人声
(
ひとごえ
)
で目をさました雄鶏が
糞堆
(
うまごやし
)
の上でけたたましく鳴いたのと、頸を高くもたげて月に遠吠えする犬の声ばかり。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そのとき、中庭のほうで
人声
(
ひとごえ
)
がしました。おとうさんとおかあさんが帰ってきたのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
いつもとかわらぬしずかな
景色
(
けしき
)
だったが、しばらく耳をすませていると、ちょうど、『
銀
(
ぎん
)
ねこ』
酒場
(
さかば
)
のあたりで、がやがやとさわぐただならない
人声
(
ひとごえ
)
が、風にのってきこえてきた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
寸志の一包と、吾れながら
見事
(
みごと
)
に出来た
聖護院
(
しょうごいん
)
大根
(
だいこ
)
を三本
提
(
さ
)
げて、挨拶に行く。
禾場
(
うちば
)
には祝入営の旗が五本も
威勢
(
いせい
)
よく立って、広くもあらぬ家には
人影
(
ひとかげ
)
と
人声
(
ひとごえ
)
が一ぱいに溢れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
悲壮
(
ひそう
)
な
気持
(
きも
)
ちで、
門
(
もん
)
を
入
(
はい
)
ろうとすると、
内部
(
ないぶ
)
からがやがや
人声
(
ひとごえ
)
がきこえました。
三月の空の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見物一同、山の崩れる如くわッ/\という
人声
(
ひとごえ
)
、文治は取急ぎ
血刀
(
ちがたな
)
を拭い、お町に支度を改めさせて与力に向い
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の
人声
(
ひとごえ
)
に驚いて、番所の棒が
揃
(
そろ
)
つて
飛出
(
とびだ
)
す、
麻上下
(
あさがみしも
)
が群れ騒ぐ、
大玄関
(
おおげんかん
)
まで騒動の波が響いた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さらに吾々の懸念を増したことには、岸沿いの森の中に
人声
(
ひとごえ
)
がすでに近づいて来るのが聞えた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
と、声をあげて呼んでみたが、林の
枝葉
(
えだは
)
を吹く風の音ばかりで
人声
(
ひとごえ
)
はしなかった。そして、
幾等
(
いくら
)
呼んでも返事がないので、隠れ家へ帰ろうと思って呼ぶことをよして歩いた。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
線香、花、水桶なぞ持った
墓参
(
はかまいり
)
が続々やって来る。
丸髷
(
まるまげ
)
や紋付は東京から墓参に来たのだ。
寂
(
さび
)
しい墓場にも
人声
(
ひとごえ
)
がする。線香の煙が上る。
沈丁花
(
ちんちょうげ
)
や赤椿が、
竹筒
(
たけづつ
)
に
插
(
さ
)
される。新しい
卒塔婆
(
そとば
)
が立つ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
目の前の
路
(
みち
)
に、霧が横に広いのではない。するりと
無紋
(
むもん
)
の幕が垂れて、ゆるく絞つた
総
(
ふさ
)
の
紫
(
むらさき
)
は、
地
(
ち
)
を
透
(
す
)
く内側の
燈
(
ともしび
)
の影に、色も見えつつ、ほのかに
人声
(
ひとごえ
)
が
漏
(
も
)
れて聞えた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
杉戸が二重になって居て両隅の障子へ
灯火
(
あかり
)
がさしまして
人声
(
ひとごえ
)
がする様ですが、唯今なれば硝子障子で
能
(
よ
)
く分りますが、其の頃は唯の障子でございますから
尠
(
すこ
)
しも分りません。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ふいに
人声
(
ひとごえ
)
がしたので、憲一はおやと思ってその方へ眼をやった。今出て来た林の中に
碧
(
あお
)
い
瓦
(
かわら
)
を
葺
(
ふ
)
いた文化住宅のような家があって、明けはなした二階の窓から白い二つの顔が
覗
(
のぞ
)
いていた。
藤の瓔珞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
行
(
い
)
きなさるかね」半丁ばかり北の方で突然
人声
(
ひとごえ
)
がした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
座敷は
其方此方
(
そちこち
)
、
人声
(
ひとごえ
)
して、台所には
賑
(
にぎや
)
かなものの音、
炉辺
(
ろべり
)
には
寂
(
さ
)
びた
笑
(
わらい
)
も時々聞える。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の
中
(
うち
)
にわい/\と
人声
(
ひとごえ
)
が致しますゆえ丹治も観念いたして
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“人”で始まる語句
人
人間
人々
人気
人形
人数
人魂
人力車
人影
人目