したが)” の例文
マサニ鬼雄トナツテ、異日兵ヲ以テ吾ガ国ニ臨ムモノアラバ、神風トナツテ之ヲふせグベシト。家人つつシンデ、ソノ言ニしたがフ。…………
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ちんはここに畏くも我上帝が、正義を行っておそれざる法官と、恥辱を忍んで法にしたが皇儲こうちょとを与えられたる至大の恩恵を感謝し奉る」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
これを丸呑みにしてことごとく欧米の風習通りにしたがわねばならぬとした宗教界の先輩や牧師等の不見識は、玉に疵の憾みなきを得ない。
批評家もまた古来の法則にしたがわざる、また過去の作中よりげ尽したる評価的条項以外の条項を有する文辞に接せぬとは限らぬ。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真の定鼎はまだ此方に蔵してあるので、それは太常公の戒にしたがつて軽〻しく人に示さぬことになつてゐるから御視せ申さなかつたのである。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
自然は一定の法則にしたがひて行はる。何物をもみだりに侵し滅さず。然れども早晩これに対して債を求む。自然は何物をも知らず。善悪を知らず。
遂にスペイン人につぐなわれて城に帰った、それはかったが全体この女性質慓悍で上長の人の命にしたがわぬから遂に野獣にわす刑に処せられた
彼は造られていまだ程なきたゞひとりの女なるに、天地あめつち神にしたがへるころ、被物おほひの下に、しのびてとゞまることをせざりき
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
現に百瀬君が此迂廻路を発見してから、大町の案内者は皆之にしたがっている。此路によれば尚お一の便利がある。
八ヶ峰の断裂 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
其人は我にいかに思惟し、いかに吟詠し、いかに批評すべきを教へ、一朝わがその授くる所の規矩にしたがはざるを見るに及びては、たちまち又わが我執がしふを責めたり。
新に添加せられたのは、唯「いづれも」の一語のみであつた。しかし事々皆先例にしたがふ当時にあつては、此一語は能く藩士をして驚き且喜ばしめたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
幕府したがわず、仮を定めて真と為す。列侯の議、士民の論、一も幕府に容れられず。天子また勅を下し、三家、大老を召す。大老は至らず、三家は則ち幕責を蒙る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そも/\厭世家なるものは社界の規律にしたがふこと能はざる者なり、社界を以て家となさゞる者なり
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ま党員たるの位地よりしてこれを言えば、本校の学生諸君をしてことごとく改進の主義にしたがわしめ、なその旗下に属せしめんと欲するは、もとよりその所なり(大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
而して存ると存らざるとは磐に拠ると拠らざるとに因るとのことである、而して磐は主イエス御自身である、彼に依頼よりたのみ彼の聖言みことばしたがいて立ち、之にそむきて倒れるのである
なお三年の間に勇敢なつ法にしたがう国に仕上げて見せると、自ら高言することになっている。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
なんとくしたがそのもつとおほい(五三)彰明しやうめい較著かうちよなる者也ものなり近世きんせいいたるがごとき、(五四)操行さうかう不軌ふきもつぱ(五五)忌諱ききをかし、しか終身しうしん逸樂いつらくし、富厚ふうこうかさねてえず。
その規則は「大乗教を云々うんぬんしてこの真実の仏教にしたがわない者は此寺ここに居ることを許さぬ、黄色三衣こうしょくさんいを着けた僧侶でなければ此寺ここに居ることを許さぬ」という内規をこしらえて私に示された。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかしてまたその志望するところにしたがって、各自になんらの障碍しょうがいなく着々と進み得らるるかというに、多くの人の進み行く道程を調べてみるに、また色々の境遇に由って色々に変っている。
現代学生立身方法 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
二に曰く、是の意識にしたがふて外に現はれたる行爲の能く其の目的にかなへる事也。
美的生活を論ず (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
文学者は決して情におぼれてはならん。理にしたがって世人を誘導しなければならん。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
モーセ時にその血の半ばをとりて鉢にれまたその血の半ばを壇の上にそそげり。しかして契約の書をとりて民にみきかせたるに彼ら応えて言う、エホバのう所は皆我らこれをなしてしたがうべしと。
ついで、「国憲を重んじ、国法にしたがい」と書いてある。
その時わが精神の発展が自個天然の法則にしたがって、自己に真実なる輪廓を、みずからと自らに付与し得ざる屈辱をいきどおる事さえある。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真の定鼎はまだ此方このほうに蔵してあるので、それは太常公のいましめしたがって軽〻かろがろしく人に示さぬことになっているから御視おみせ申さなかったのである。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
公らの書翰に至っても、またこれに準じて報を為さざるなり。ただ、貴国の通商は則ち旧約にしたがいてかわるなし。またこれ慎しんで祖法を守るのみ。幸いにこれを国王に稟せよ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
我を呼びて主よ主よと言う者ことごとく天国に入るに非ず、之に入る者は唯我天にいます父の旨にしたがう者のみ、其日我に語りて主よ主よ我等主の名にりて教え主の名に託りて鬼を逐い
管仲くわんちうとみ公室こうしつ(三二)し、(三三)反坫はんてんあり。(三四)齊人せいひともつおごるとさず。管仲くわんちうしゆつす。(三五)齊國せいこく其政そのまつりごとしたがつて、つね諸矦しよこうつよかりき。のち餘年よねんにして晏子あんしあり。
「十五日。(十一月。)晴。風。時々雨。当日府君二十三回祭。飯田夫婦、貞白、東安、半、全八郎招請飲。」その「祭」と云ふより推すに、此年より神祭の式にしたがふこととしたらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ろづの事皆な空にして、法のみ独りじつなり、法のみ独り実にして、法にしたがふところの万物皆な実なるを得べし。自然は常変にして不変、常動にして不動、常為にして無為、法の眼に於て然り。
万物の声と詩人 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そもそも祖法一たび定まれば、嗣孫しそんしたがわざるべからず。後来の往復は幸いに停められよ。あるいはその然らずして、再三に至るといえども、受くるあたわず。幸いにして訝を為すなかれ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
燕王これを聞き、殷に書をおくり、こう金陵きんりょうに進むるを以て辞とす。殷答えて曰く、進香は皇考こうこう禁あり、したがう者は孝たり、したがわざる者は不孝たり、とて使者の耳鼻じびき、峻厳しゅんげんの語をもてしりぞく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)