トップ
>
終
>
おわり
ふりがな文庫
“
終
(
おわり
)” の例文
そういわれれば誰でも面会の
終
(
おわり
)
へ来たことに気がつくものである。臼井青年は、いい足りなさそうな顔付で、その部屋を出て行った。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一
角力取
(
すもうとり
)
老後を養ふに年寄の株あり。もし四本柱に坐する事を得ばこれ
終
(
おわり
)
を全くするもの。一身の幸福これより大なるはなけん。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
又
(
また
)
なんじら
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
のために
凡
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
に
憎
(
にく
)
まれん。されど
終
(
おわり
)
まで
耐
(
た
)
え
忍
(
しの
)
ぶものは
救
(
すく
)
わるべし。この
町
(
まち
)
にて、
責
(
せ
)
めらるる
時
(
とき
)
は、かの
町
(
まち
)
に
逃
(
のが
)
れよ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ある人はヨブ記の
始
(
はじめ
)
と
終
(
おわり
)
のみを読みて物的恩恵は必ず悔改に伴うべきものとなし、前者において足らざるは後者において足らざるによると考う。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
私はそれを聞いて、
成程
(
なるほど
)
当然私が書く材料だと思った。なにが当然だかは、ここに説明せずとも、この小説を
終
(
おわり
)
まで読めば自然に分ることである。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
が、貴女には既に心を許して、秘蔵の酒を飲ませた。海の
果
(
はて
)
、陸の
終
(
おわり
)
、思って
行
(
ゆ
)
かれない処はない。
故郷
(
ふるさと
)
ごときはただ
一飛
(
ひととび
)
、
瞬
(
まばた
)
きをする
間
(
ま
)
に
行
(
ゆ
)
かれる。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
釈迦如来の知らざるところ、親鸞上人の知らざるところなり、
嗚呼
(
ああ
)
あに偉ならずや、予はなお
終
(
おわり
)
に
臨
(
のぞん
)
で一言せん。
絶対的人格:正岡先生論
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一、百韻の月の定座は表の
終
(
おわり
)
より二句目、裏(名残の裏を除く)の九句目なり。花は裏の終より二句目なり。百韻にては殊に月花の定座に拘泥すべからず。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
終
(
おわり
)
に、日本の昭和遊撃隊よ。われはおん身と戦うことをよろこぶ。太平洋の墓場は、おん身をまっているぞ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
終
(
おわり
)
に
臨
(
のぞ
)
み、私の妻もあなたの
負
(
お
)
われ負わるゝ
数々
(
かずかず
)
の重荷に対し、真実御同情申上げる旨、
呉々
(
くれぐれ
)
も申しました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
中世の
終
(
おわり
)
頃から、それが四句二十六字の小唄に統一せられ、
夙
(
はや
)
くその大部分を喪失したことは、一方には保存せられる民謡の言葉が存外に新らしいことにより
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二世勝三郎は
終
(
おわり
)
に臨んで子らに
遺言
(
ゆいごん
)
し、勝久を
小母
(
おば
)
と呼んで、
後事
(
こうじ
)
を相談するが
好
(
よ
)
いといったそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
相沢宗三郎は
終
(
おわり
)
を知らず、
潮吹
(
ひょっとこ
)
の権次は坊主になったと言うことです、お駒に膝を濡らされて以来、よくよく骨身に徹して世の中がつまらなくなったのでしょう。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
院長
(
いんちょう
)
は
終
(
おわり
)
の
問
(
とい
)
には
赤面
(
せきめん
)
して。『いや、あれは
病人
(
びょうにん
)
です、しかし
面白
(
おもしろ
)
い
若者
(
わかもの
)
で。』と
答
(
こた
)
えた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
若しくは奥仙丈山の条の
終
(
おわり
)
に「凡ソ此筋奥仙丈ノ諸山、皆連貫一脈シテ金峰ノ羽翼ナリ」
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
然しこの手紙を
終
(
おわり
)
まで読んで下されば、必ず私のいう意味を了解されるでしょう。
悪魔の弟子
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
東洋和漢の旧筆法に従えば、氏のごときは
到底
(
とうてい
)
終
(
おわり
)
を
全
(
まっと
)
うすべき人にあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
同乗するもの八人、程、
葉
(
しょう
)
、楊、牛、
馮
(
ひょう
)
、宋、史なり。
余
(
よ
)
は皆涙を
揮
(
ふる
)
って別れまいらす。帝は道を
溧陽
(
りつよう
)
に取りて、
呉江
(
ごこう
)
の
黄渓
(
こうけい
)
の史彬の家に至りたもうに、月の
終
(
おわり
)
を以て諸臣また
漸
(
ようや
)
く
相
(
あい
)
聚
(
あつ
)
まりて
伺候
(
しこう
)
す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この己の
苦
(
くるしみ
)
をお前の照すのが、今宵を
終
(
おわり
)
であれば好いに。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
既に旅の
終
(
おわり
)
に近づきました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その三十九書中、
初
(
はじめ
)
の十七書は歴史、
終
(
おわり
)
の十七書は預言、そしてその間の五書すなわちヨブ記、詩篇、
箴言
(
しんげん
)
、伝道之書、雅歌は心霊的教訓である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ゴンクウルはその著『歌麿伝』の
終
(
おわり
)
において広重がしばしばその板行絵の色摺をして歌麿盛時の如くならしめんと企てたれど
遂
(
つい
)
に不可能なりし事を
記
(
しる
)
したり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この
終
(
おわり
)
の祖谷山は、
美馬
(
みま
)
郡の土佐に接した山村で、
偏鄙
(
へんぴ
)
なためにかえって有名な土地であるが、ここまで行渡っているのを見ると、あるいは一度中間の平地にも
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
処女
(
おとめ
)
達幾千人の踊る姿態のうちにも、まだ大膳正の望に添うほどの優物は無く、その日の番組も漸く
終
(
おわり
)
に近づいて、大膳正の精力をもってしても、さすがに倦怠を催す頃でした。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして
死
(
し
)
が
各人
(
かくじん
)
の
正当
(
せいとう
)
な
終
(
おわり
)
であるとするなれば、
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
に
人々
(
ひとびと
)
の
死
(
し
)
の
邪魔
(
じゃま
)
をするのか。
仮
(
かり
)
にある
商人
(
しょうにん
)
とか、ある
官吏
(
かんり
)
とかが、五
年
(
ねん
)
十
年
(
ねん
)
余計
(
よけい
)
に
生延
(
いきの
)
びたとして
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、それが
何
(
なん
)
になるか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
終
(
おわり
)
に、『吉野』『千種』らは、沈めてしまった。二千四百人の戦死者はかわいそうだが、これも戦いだ。しかたがない。わが戦艦『メーン』は、『オリオン』がひっぱって
紅玉島
(
ルビーとう
)
へかえる。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
彼はアルバであり又オメガである、
始
(
はじめ
)
であり又
終
(
おわり
)
である、今あり昔あり後ある全能者である(黙示録一章八節)
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
夏もやや
終
(
おわり
)
に傾いてから庭の樹に来て啼く蝉の声とを、一つの言葉で呼ぶということは、驚くべき
無頓著
(
むとんちゃく
)
には相違ないが、とにかくに誤解と称すべきものではない。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
明治二十五年芳年は多数の門人を残して能くその
終
(
おわり
)
を
全
(
まっと
)
うせしが
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
昭和○年一月の
終
(
おわり
)
、凍るように寒い朝だった。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
ヨブはわが生命の
終
(
おわり
)
近きを感じその前の少時の間神の迫撃の手が己の上に来らざらんことを願ったのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
神経を
痺
(
しび
)
らす柔き接触……
終
(
おわり
)
知られぬ柔き接触。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この身の
終
(
おわり
)
を覚悟して
見上
(
みあぐ
)
る苦悩の
大空
(
おおぞら
)
。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
終
常用漢字
小3
部首:⽷
11画
“終”を含む語句
始終
終夜
終日
臨終
終局
最終
終焉
終始
終了
始中終
終末
終宵
終幕
命終
末始終
終生
初中終
終身
終極
一部始終
...