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眼力
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がんりき
ふりがな文庫
“
眼力
(
がんりき
)” の例文
高山へ格別
眼力
(
がんりき
)
よろしき人登り見候わば、アメリカ製の鯨船数百艘、日本国の周囲に寄り合い、鯨漁いたし候儀、相見え申すべし。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
なるほど、さすが
信玄
(
しんげん
)
の
孫
(
まご
)
だけあって、その
眼力
(
がんりき
)
はたしかだ。しかしわずか七十人や八十人の
小勢
(
こぜい
)
をもって、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
がなんで落ちよう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そんなことをなさらないでも、がんりきは
盲目
(
めくら
)
じゃございませんぜ、これでも人並すぐれた
眼力
(
がんりき
)
を持った百でござんすぜ」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
服装
(
なり
)
かたちこそ変っているが、おれの
眼力
(
がんりき
)
にはずれはねえ。それに、それほどの美男が、いくら江戸は広くても、そうざらにあるはずはない。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「なるほど。さすがは首領だよ。えらい
眼力
(
がんりき
)
だよ。
感服
(
かんぷく
)
したよ。たしかにわたしはメダルの両面を撮影してきたよ」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
川へ
流
(
なが
)
したるに女の首のみ
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
に
止
(
とまり
)
たるは則ち
縁
(
えん
)
も引ものか
左右
(
とかく
)
怪
(
あやし
)
き所なり
必定
(
ひつぢやう
)
此公事は願人共の
不筋
(
ふすぢ
)
ならんと
流石
(
さすが
)
明智
(
めいち
)
の
眼力
(
がんりき
)
に
洞察
(
みぬか
)
れしこそ畏こけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
現代の裁判制度は東京地図の煩雑なるが如く
大岡越前守
(
おおおかえちぜんのかみ
)
の
眼力
(
がんりき
)
は江戸絵図の如し。更に
語
(
ご
)
を
換
(
か
)
ゆれば東京地図は幾何学の如く江戸絵図は模様のようである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
眼力
(
がんりき
)
、
紙背
(
しはい
)
を貫くというのだから、たいへんである。いい気なものである。鋭さとか、青白さとか、どんなに甘い通俗的な概念であるか、知らなければならぬ。
一歩前進二歩退却
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
凡
(
およそ
)
物を
視
(
み
)
るに
眼力
(
がんりき
)
の
限
(
かぎ
)
りありて
其外
(
そのほか
)
を視るべからず。されば人の
肉眼
(
にくがん
)
を以雪をみれば
一片
(
ひとひら
)
の
鵞毛
(
がまう
)
のごとくなれども、
数
(
す
)
十百
片
(
へん
)
の
雪花
(
ゆき
)
を
併合
(
よせあはせ
)
て一
片
(
へん
)
の鵞毛を
為
(
なす
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼女はまた充分それをやり
終
(
おお
)
せるだけの活きた
眼力
(
がんりき
)
を自分に具えているものとして継子に対した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ハハハ……、どうだね、きみ、子どもの
眼力
(
がんりき
)
にかかっちゃかなわんだろう。きみが、なんといいのがれようとしたって、もうだめだ。きみは二十面相にちがいないのだ。」
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは頭のほうを打ち込んだというような俗なことではなくって、易学のほうの
眼力
(
がんりき
)
がないと見ぬけないものだそうで、それはそうかもしれませんが、だからといってあなた
赤ひげ診療譚:02 駈込み訴え
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いかに恋に目がふさがっても、葉子はそれを見きわめるくらいの冷静な
眼力
(
がんりき
)
は持っていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「狂わなかったというものさ、けっく
妾
(
わたし
)
の
眼力
(
がんりき
)
はね」こういったのはイスラエルのお町。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
モダンの富士
詣
(
もう
)
でのような風をしていても、あんたがどんな人間か、
眼力
(
がんりき
)
ひからす
松王丸
(
まつおうまる
)
がちゃんと睨んでいるわ。ねえ、アンちゃん。あんたは随分芸妓なんぞに可愛がられたことがあるでしょう。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
ど
)
うだ、
美
(
うつく
)
しからう、お
玉
(
たま
)
と
云
(
い
)
つて
己
(
おのれ
)
が
妾
(
めかけ
)
だ。むゝ、いや、
土龍
(
むぐらもち
)
のやうな
奴
(
やつ
)
だが、
此
(
これ
)
を
美
(
うつく
)
しいと
目
(
め
)
をつけた
眼力
(
がんりき
)
だけは
感心
(
かんしん
)
ぢやわ。だが、これ、
代物
(
しろもの
)
も
此
(
こ
)
のくらゐの
奴
(
やつ
)
に
成
(
な
)
ると、
必
(
かなら
)
ず
主
(
ぬし
)
があると
思
(
おも
)
へ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうもがんりきの野郎の
眼力
(
がんりき
)
をもってして、五人のうちのどれが
金方
(
きんかた
)
だか、ちょっとわからないのが自分ながら
歯痒
(
はがゆ
)
い。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
多年の経験で、この老婆は女を一目見れば、誘惑することが出来るか否かをすぐに判断する
眼力
(
がんりき
)
を持っている。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
啓
(
けい
)
。しばらくでしたネ。しばらく会わないうちに、
貴下
(
きか
)
の
眼力
(
がんりき
)
はすっかり曇ったようだ。日比谷公園の吸血屍体の犯人を痣蟹の
仕業
(
しわざ
)
とみとめるなどとは何事だ。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あの人相書とこの若僧!
服装
(
なり
)
かたちこそ変っているが、おれの
眼力
(
がんりき
)
にはずれはねえ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
進み
遖
(
あつぱ
)
れなる山内先生の御
眼力
(
がんりき
)
恐入たり左樣に
星
(
ほし
)
を
指
(
さし
)
て仰らるゝ上は
包
(
つゝ
)
み
隱
(
かく
)
すに
益
(
えき
)
なし此上は
有體
(
ありてい
)
に申べし實に
斯樣
(
かやう
)
なりと
大望
(
たいまう
)
を企てし一
部
(
ぶ
)
始終
(
しじう
)
落
(
おち
)
なく物
語
(
がた
)
り此上は
何卒
(
なにとぞ
)
先生の
知略
(
ちりやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分へ届けてきた男の
眼力
(
がんりき
)
がなんとなくもの凄い。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの人混みの中で、どうしてまあこっちの
業
(
わざ
)
がわかるんだか、実際あの坊主の
眼力
(
がんりき
)
には、このがんりきも降参したよ
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ノーマ号を火薬船だと、観察した竹見の
眼力
(
がんりき
)
は、なかなかえらいものだった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
貸
(
かし
)
遣
(
つかは
)
したるが
着替
(
きかゆ
)
る時に
一寸
(
ちよつ
)
と見し
懷中
(
ふところ
)
の金は七八百兩と
白眼
(
にらん
)
だ大膳が
眼力
(
がんりき
)
はよも
違
(
たが
)
ふまじ
明朝
(
みやうてう
)
まで
休息
(
きうそく
)
させ明日は
道案内
(
みちあんない
)
に途中まで
連出
(
つれだ
)
して
別
(
わか
)
れ
際
(
ぎは
)
に只一刀
大
(
だい
)
まいの金は手を
濡
(
ぬら
)
さずと語る聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「まったくお前の
眼力
(
がんりき
)
は鋭いね」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こうおいでなさるだろうと思いました、骨身を砕くだけのものは、たしかにあると、こう信じたものでげすから……へ、へ、へ、金助の
眼力
(
がんりき
)
あやまたず」
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なるほど、がんりきほどの
眼力
(
がんりき
)
で、子供の隠れんぼを見落すはずもあるまい。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“眼力”の意味
《名詞》
眼 力(がんりき、がんりょく)
物事の真偽・善悪などを見極める能力。
視力。
(出典:Wiktionary)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
“眼力”で始まる語句
眼力拝借