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びやうか
しかし、
今からもう
病家廻りでもあるまいし、
自宅へ
方々から、
火のつくやうに
迎への
使の
來たことを
想像して、
腰をもぢ/\さしてゐた。
長庵と改めて
朝から
晩まで
當は無れど
忙し
振に
歩行廻りければ相應に
病家も出來たるにぞ長庵今は己れ
名醫にでも成し心にて
辯舌奸計を以て
富家より金を
醫者の
家からは
注射器を
渡してくれた。
他の
病家を
診て
醫者は
夕刻に
來た。
醫者はお
品の
大腿部を
濕したガーゼで
拭つてぎつと
肉を
抓み
上げて
針をぷつりと
刺した。
院長アンドレイ、エヒミチは
疾から
町の
病家を
有たぬのを、
却つて
可い
幸に、
誰も
自分の
邪魔をするものは
無いと
云ふ
考で、
家に
歸ると
直ぐ
書齋に
入り、
讀む
書物の
澤山あるので
三日の
間城内へ
詰め
切りでございまして、
漸う
歸宅いたしますと
町方の
病家から、
見舞の
催促が
矢を
射るやうで、
其處をどうにか
切り
拔けてまゐりました。
考へ又元の水口より立出
何喰ぬ
顏にて我が家を
指て立歸りたり
道庵は此日
病家にて
手間取
漸々夜亥刻近き頃歸り來り
灯を
點して
四邊を見るに座敷を取
散しあれば
不審に思ひ其
邊を
彼は
町に
澤山の
病家の
顧主を
持つてゐる。で、
彼は
自分を
心窃に
院長より
遙に
實際に
於て、
經驗に
積んでゐるものと
認めてゐた。
何となれば
院長には
町に
顧主の
病家などは
少しも
無いのであるから。
其の
春、
攝州多田院に
開帳があつて、
玄竹は
病家の
隙を
見た
上、一
日其の
參詣に
行きたいと
思つてゐた。
致したり
霞ヶ
關の坂下にて
惡い
犬めが
吼付故據所なく
拔討に犬を斬しが其血が
刎衣類を
如斯に
汚せしなりと云つゝ
吐息を
吐體が
何も
怪しく思はれたり夫のみならず第一に
病家へ行に
傘を