“拔討”の読み方と例文
読み方割合
ぬきうち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
致したりかすみせきの坂下にてわるいぬめが吼付ほえつくゆゑ據所よんどころなく拔討ぬきうちに犬を斬しが其血がはね衣類いるゐ如斯こんなよごせしなりと云つゝ吐息といきつくさまどうあやしく思はれたり夫のみならず第一に病家びやうかへ行にかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致さぬもの今犬めが餘り吼付ほえつきし故つひ拔討ぬきうち斬殺きりころしけるが其血汐の付たる者ならんと云ひて周章あわたゞしく其まゝに別れ候ひし由尤も病氣にて弟の見送みおくりもいたさぬ長庵が然樣さやう始末しまつ甚だ以てあやしく存じ候まゝ何卒なにとぞ忠兵衞へ御尋ねの上長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞敢きゝあへず今更小兒の事など言たればとて詮方せんかたなしすてた氣に成て斷念あきらめよといかにも薄情はくじやうなる吾助の言葉にお兼はわすれんとすれども忘れられず心ならずも歩み行に此時後の方より日來ひごろうらみ思ひ知やとこゑかけたれやらん拔討ぬきうちにお兼がかたより乳のしたかけ切下きりさげければお兼は堪らずアツと云てたふれたり吾助は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)