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手探
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てさぐ
ふりがな文庫
“
手探
(
てさぐ
)” の例文
懐中
(
ふところ
)
から
塵紙
(
ちりがみ
)
を
出
(
だ
)
して四つに
折
(
を
)
つて
揚子箸
(
やうじばし
)
で
手探
(
てさぐ
)
りで、
漸
(
や
)
うく
餅
(
もち
)
を
挟
(
はさ
)
んで
塵紙
(
ちりがみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて
忰
(
せがれ
)
幸之助
(
かうのすけ
)
へ渡して自分も一つ取つて、乞
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分は
嫂
(
あによめ
)
の方を片づけて、すぐ母の方に行った。厚い窓掛を片寄せて、
手探
(
てさぐ
)
りに探って見ると、案外にも立派に
硝子戸
(
ガラスど
)
が
締
(
し
)
まっていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど、そこは、
手探
(
てさぐ
)
りで
測
(
はか
)
りきれないほどな広さであった。
畳
(
たたみ
)
数にしたら、およそ七、八十畳も敷けているかと思われる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口
(
くち
)
でそういわれても、
勝手
(
かって
)
を
知
(
し
)
らない
暗
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
では、
手探
(
てさぐ
)
りも
容易
(
ようい
)
でなく、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は
破
(
やぶ
)
れ
畳
(
たたみ
)
の
上
(
うえ
)
を、
小気味悪
(
こきみわる
)
く
這
(
は
)
い
廻
(
まわ
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
鼠
(
ねずみ
)
が二三
匹
(
びき
)
がた/\と
騷
(
さわ
)
いで、
何
(
なに
)
かで
壓
(
おさ
)
へつけられたかと
思
(
おも
)
ふやうにちう/\と
苦
(
くる
)
しげな
聲
(
こゑ
)
を
立
(
たて
)
て
鳴
(
な
)
いた。おつぎは
手探
(
てさぐ
)
りに
壁際
(
かべぎは
)
の
草刈鎌
(
くさかりがま
)
を
執
(
と
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
いっそ、頭を前へ突き出し、鶏小舎めがけて、いいかげんに
駈
(
か
)
け出したほうがましだ。そこには、隠れるところがあるからだ。
手探
(
てさぐ
)
りで、戸の
鉤
(
かぎ
)
をつかむ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ガドルフはしゃがんでくらやみの背嚢をつかみ、
手探
(
てさぐ
)
りで
開
(
ひら
)
いて、小さな
器械
(
きかい
)
の
類
(
たぐい
)
にさわってみました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さうしてつかまう/\とする
要求
(
えうきう
)
が
烈
(
はげ
)
しくなればなるほど強くなつて來るのは、それに
對
(
たい
)
する
失望
(
しつばう
)
の心でした。私達は
暗
(
やみ
)
の中に
手探
(
てさぐ
)
りで何かを探し
廻
(
まは
)
つてゐました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
手探
(
てさぐ
)
りに、戸口を探しあて、おづ/\と、ノックした時には、私はもう泊めてもらふなどゝいふことは、ほんの空想に過ぎないやうな氣がしてゐた。ハナァは戸を開けた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
上
(
あが
)
れ、
二階
(
にかい
)
へと、マツチを
手探
(
てさぐ
)
りでランプを
點
(
つ
)
けるのに
馴
(
な
)
れて
居
(
ゐ
)
るから、いきなり
先
(
さき
)
へ
立
(
た
)
つて、すぐの
階子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
つて、ふすまを
開
(
あ
)
けると、むツと
打
(
う
)
つ
煙
(
けむり
)
に
目
(
め
)
のくらむより
先
(
さき
)
に、
机
(
つくゑ
)
の
前
(
まへ
)
に
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
盲
(
めし
)
ひた中を
手探
(
てさぐ
)
りで夢とうつつに歩いてゆく
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
お延の
拵
(
こし
)
らえてくれた
縕袍
(
どてら
)
の
襟
(
えり
)
を
手探
(
てさぐ
)
りに探って、
黒八丈
(
くろはちじょう
)
の下から抜き取った
小楊枝
(
こようじ
)
で、しきりに前歯をほじくり始めた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云いながら
手探
(
てさぐ
)
りにて取出したのは
黒塗
(
くろぬり
)
の小さい
厨子
(
ずし
)
で、お虎の前へ置き。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
燕作も石段の数をふんでいく……と道はふたたび
平地
(
ひらち
)
の坂となり、それをあくまで進みきると、こんどこそほんとうのゆきづまり、
手探
(
てさぐ
)
りにも知れる
鉄
(
くろがね
)
の
扉
(
とびら
)
が、ゆく手の先をふさいでいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は
手探
(
てさぐ
)
りした。私は、彼の探る手を捉へて、私の兩手の中に握り締めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
柱
(
はしら
)
に
點
(
つ
)
けてある
手
(
て
)
ランプの
光
(
ひかり
)
が
屆
(
とゞ
)
かぬのでおつぎは
手探
(
てさぐ
)
りでして
居
(
ゐ
)
る。お
品
(
しな
)
は
左手
(
ひだりて
)
に
抱
(
だ
)
いた
與吉
(
よきち
)
の
口
(
くち
)
へ
箸
(
はし
)
の
先
(
さき
)
で
少
(
すこ
)
し
づ
(
ママ
)
ゝ
含
(
ふく
)
ませながら
雜炊
(
ざふすゐ
)
をたべた。お
品
(
しな
)
は
芋
(
いも
)
を三つ四つ
箸
(
はし
)
へ
立
(
た
)
てゝ
與吉
(
よきち
)
へ
持
(
も
)
たせた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
バタシーを通り越して、
手探
(
てさぐ
)
りをしないばかりに向うの岡へ足を向けたが、岡の上は
仕舞屋
(
しもたや
)
ばかりである。同じような横町が幾筋も
並行
(
へいこう
)
して、青天の
下
(
もと
)
でも
紛
(
まぎ
)
れやすい。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
ど
)
うかして
薄
(
うす
)
くとも見えるやうにして
上
(
あ
)
げたいと思つて、
茅場町
(
かやばちやう
)
の
薬師
(
やくし
)
さまへ
願掛
(
ぐわんが
)
けをして、
私
(
わたし
)
は
手探
(
てさぐ
)
りでも
御飯
(
ごぜん
)
ぐらゐは
炊
(
た
)
けますから、
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
を
潰
(
つぶ
)
しても
梅喜
(
ばいき
)
さんの
眼
(
め
)
を
明
(
あ
)
けて
下
(
くだ
)
さるやう
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
探
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭