手傳てつだひ)” の例文
新字:手伝
手傳てつだひなどするにぞ夫婦は大によろこ餠類もちるゐは毎日々々賣切うりきれて歸れば今はみせにて賣より寶澤がそとにてあきなふ方が多き程になり夫婦は宜者よきもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ちゝつけで、毎年まいねんとほ虫干むしぼし手傳てつだひをさせられるのも、んなときには、かへつて興味きようみおほ仕事しごと一部分いちぶぶんかぞへられた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それで今さら露顯といふこともあらせたくないから。さあ、カァター、チヨッキを着る手傳てつだひをしてやつてくれ給へ。
ちひさな葬式さうしきながらひつぎあと旋風つむじかぜほこりぱらつたやうにからりとしてた。手傳てつだひ女房等にようばうらはそれでなくても膳立ぜんだてをするきやくすくなくてひまであつたから滅切めつきり手持てもちがなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これが荷物にもつるもあり、御懇命ごこんめいうけまするお出入でいり人々ひと/″\手傳てつだひ手傳てつだひとて五月蠅うるさきをなかばことはりてあつまりしひとだけにかめのぞきのぬぐひ、それ、とつてたまへば、一どう打冠うちかぶ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけおとうと夕方ゆふがたになつたら、ちと洋燈らんぷけるとか、てるとかして、せはしいあね手傳てつだひでもしたらからうと注意ちゆういしたかつたが、昨今さくこんうつつたばかりのものに
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おつぎは赤絲大名あかいとだいみやう半纏はんてん萌黄もえぎたすきけてた。針子等はりこら毎年まいねんはるやうやあたゝかくつて百姓ひやくしやう仕事しごといそがしくなるとまたふゆまでひまをとるとて一にちみんなくはつてはたけ仕事しごと手傳てつだひく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
きゝ付見には出ましたがこはさは怖し遠方とほくうかゞつて居しのみにて漸く少ししづまりし時三五郎重四郎兩人の聲が致すゆゑそば立寄たちより夫よりみぎ死骸はよんどころなく頼まれて火葬くわそうに致しましたれど勿々なか/\以て手傳てつだひなどは決して致しませんもつとも其節の手續てつゞき斯々かく/\云々しか/″\なりと委細くはしく申立ければ大岡殿段右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
當日たうじつると針子はりこいづれもしまつていた半纏はんてんあかたすきけて、其處そこらの掃除さうぢやら、いも大根だいこんあらふことやらあさから大騷おほさわぎをしてわらひながら手傳てつだひをした。おつぎもつてみんなと一しよはたらいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)