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打冠
これが
荷物に
成るもあり、
御懇命うけまするお
出入の
人々お
手傳お
手傳ひとて
五月蠅きを
半は
斷りて
集まりし
人だけに
瓶のぞきの
手ぬぐひ、それ、と
切つて
分け
給へば、一
同手に
手に
打冠り
面倒に思ひつゝ足に
任せて
歩行ける此金兵衞の
行裝は
辨慶縞の越後縮の
帷子に
銀拵への大脇差し落し差に差て
菅笠深く
打冠り鷲の宮迄來りける
爰に畔倉重四郎は此頃
續く不仕合に
勝負の資本薄ければ
忽然惡心發し鴻の巣の金兵衞が大いに
勝て
在所へ立歸るを