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当然
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あたりまえ
ふりがな文庫
“
当然
(
あたりまえ
)” の例文
旧字:
當然
全体大切な
児童
(
こども
)
を
幾百人
(
なんびゃくにん
)
と
集
(
よせ
)
るのだもの、丈夫な上に丈夫に建るのが
当然
(
あたりまえ
)
だ。今日一つ原に会ってこの新聞を見せてやらなければならん
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
田舎者「宿屋の番頭さんは物の間違にならん様にするが
当然
(
あたりまえ
)
で、
私
(
わし
)
が目で見て証拠が有るので、なに間違えば
好
(
え
)
え、
私
(
わし
)
が
脊負
(
しょ
)
って立つ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そんな馬鹿げた事があるものか、酒を飲みに行けば金の
要
(
い
)
るのは
当然
(
あたりまえ
)
の話だ。
夫
(
そ
)
ればかりの金のない
筈
(
はず
)
はないじゃないかと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私
(
わたくし
)
は
呆
(
あき
)
れてそう
叫
(
さけ
)
びましたが、しかしお
爺
(
じい
)
さんは
例
(
れい
)
によってそんな
事
(
こと
)
は
当然
(
あたりまえ
)
だと
言
(
い
)
った
風情
(
ふぜい
)
で、ニコリともせず
斯
(
こ
)
う
言
(
い
)
われるのでした。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
鰹節を橋とし、ナイフを水としますと、この場合は、この章の標題とは反対の「水は流れて橋は流れず」であります。それは
当然
(
あたりまえ
)
のことです。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
それだけの罪でも
碌
(
ろく
)
なことの無いのは
当然
(
あたりまえ
)
です。二十年
振
(
ぶり
)
で現在の子に
邂逅
(
めぐりあ
)
いながら、
其
(
その
)
手に
掛
(
かか
)
って殺されると云うのも自然の因縁でしょう。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
当然
(
あたりまえ
)
ならば全部出来上がっていなければならない所であるが、器械的の仕事と違ってこういう側の仕事は、そう日限通りに参るわけには行かない。
幕末維新懐古談:58 矮鶏の製作に取り掛かったこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
わからないから謎とされ、謎となっては頼まれもしないに解いて見しょうという者の飛び出してくるのは、これは
当然
(
あたりまえ
)
。
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あいにく神通がないので、これは
当然
(
あたりまえ
)
に障子を開け、また雨戸を開けて、縁側から庭へ
寝衣
(
ねまき
)
姿、
跣足
(
はだし
)
のままで飛下りる。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怖ろしいというよりも
寧
(
むし
)
ろ、何だか済まないような……源次に怨まれるのは
当然
(
あたりまえ
)
のような気がして仕様がなくなった。
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それから今日まで妻として貞操に何の欠けた所もない生活を続けて来ているのは自分ら夫婦にとって東から日が昇るのと
斉
(
ひと
)
しく
当然
(
あたりまえ
)
の事としている。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかし、役向の者が、役向を以てめぐる時分には、その正面を避けない限りは、事が面倒になるのは
当然
(
あたりまえ
)
であります。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そりゃ、そうだろう、
当然
(
あたりまえ
)
のことだ、
苟
(
いやしく
)
も有夫の女じゃないか、言語道断だ、それをまたとりもつ婆あは、一層言語道断だ、
天人
(
てんびと
)
ともに
赦
(
ゆる
)
さざる奴だ」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
諏訪子
当然
(
あたりまえ
)
だわ、はかられるものがかわれば、これは、仕方がないことよ。望月さんのスーツのようにね。
鋏と布と型
(新字新仮名)
/
久坂葉子
(著)
「善さんもお客だッて。
誰
(
だれ
)
がお客でないと言ッたんだよ。
当然
(
あたりまえ
)
なことをお言いでない」と、吉里は障子を開けて
室内
(
うち
)
に入ッて、後をぴッしゃり手荒く閉めた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
今まで死んだと思い込んでいた人が、突然目の前に現われたのですから、誰だって胆をつぶすのは
当然
(
あたりまえ
)
です。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
サ、二十三にも成ッて母親さん一人さえ楽に
養
(
すご
)
す事が出来ないんだものヲ。フフン面目が無くッてサ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
四角の角々を切り落せば、角の数が倍になって、八角に成るのわ
当然
(
あたりまえ
)
、しかもそれわ自分の
所業
(
しわざ
)
であるのに、そうとわ心付かぬ三角定木、驚いたの驚かないの!
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
それで
当然
(
あたりまえ
)
ならば
正月着
(
はるぎ
)
の一つも拵えなければならぬ冬なかばに、またありもせぬ身の皮を剥いだり
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「成程、湧いていますな。一杯になれば流れるのは
当然
(
あたりまえ
)
ですが、量が多いだけに兎に角奇観ですな」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
ですよ。ありゃあ僕が鳴らしたのですから。それで、ラザレフ事件は解決されました。」
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そりゃア来ないのが
当然
(
あたりまえ
)
さ、ああいうお嬢さんというものは、抱かれることには慣れているが、ああいう勇敢な障子の
閉
(
た
)
て方には、おそらく慣れていないだろうからなあ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何に致せ、ああいふ風俗に、落ちてをる人ゆゑ。
当然
(
あたりまえ
)
の挨拶が、ちよつとしても喧嘩腰。さぞお驚きなされたでござんしよが。私は知つた人ゆゑに、お気遣ひ下されますな。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「どうせお前たちを見るのは、一番縁の近い小崎のほかにアないもんだで、行ったらよく話して見るがいい。あすこには子供がないで、そのくらいのことをするが
当然
(
あたりまえ
)
だ。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
而してこの時、過去を顧みて格別残念とも何とも思わず、これが
当然
(
あたりまえ
)
だと信じている。……
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
貴様が朝鮮を追っ放われたのは
当然
(
あたりまえ
)
だ。朝鮮のものがわるいんじゃない、みんな貴様がわるいんだ。生意気で、強情で、根性がひねくれてさ……そんなことでは誰が世話をみてくれるものか。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
本来なら、自分のほうが棒鼻につかまって引っかついで行くべきところを、こちらが師匠にかつがれて駕籠の中で膝小僧をだいて揺られているというんだから、これは、どうも気がさすのが
当然
(
あたりまえ
)
。
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
皆びっくりするのは
当然
(
あたりまえ
)
だわ。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
忠「それは重々私が悪うございましたが、相談をして又お前に止めたり何かされると困るから……これは武家奉公をすれば
当然
(
あたりまえ
)
のことで」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
なら、あれとか、きゃッとか声を立てますのでございますが、どう致しましたのでございますか、別に怖いとも思いませんと、こう遣って。」
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
是れは可笑しい。丸で日本とアベコベな事をして居る。御亭主が客の相手になってお内儀さんが周旋奔走するのが
当然
(
あたりまえ
)
であるに、
左
(
さ
)
りとはどうも可笑しい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そしてとうとうその夜は寝ずじまいになり、客人達もその義理立てを
当然
(
あたりまえ
)
に思って平気で居ます。そういうことが度々続いたとしたら、その結果はどうなるでしょうか。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「イエ、ナニ。こっちの事で……いや誠に結構な御評定で御座います。それが
当然
(
あたりまえ
)
の道筋で、まだまだ手遅れでは御座いますまい。しかしビックリなされましたろうなあ」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いえ、言うことの出来なかッたのが
当然
(
あたりまえ
)
であッた。ああ、もうあの車を止めることは出来ぬか。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
実際、このへんてこな初対面の二人のあいだに、十年の知己のような許し合った心持ちが胸から胸へ流れたことは、不思議といえば不思議、
当然
(
あたりまえ
)
といえば当然かもしれない。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
別段
異
(
かわ
)
った事もない。小娘でないから、少しは物慣れた処もあったろうが、其は
当然
(
あたりまえ
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
帰らないのが
当然
(
あたりまえ
)
である。彼は彼女を振りすてて城下へ帰って行ったのだから。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それじゃ
当然
(
あたりまえ
)
で
発句
(
ほっく
)
に読むほどのこともない。何うも僕には発句は分らない」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昔から云う
安珍
(
あんちん
)
清姫
(
きよひめ
)
さ。嫌えば嫌うほど執念深く祟って
与
(
や
)
るのが
当然
(
あたりまえ
)
だアね。
先方
(
むこう
)
が何とも思わなくっても、
此方
(
こっち
)
が惚れていりゃア仕方がないじゃアないか。お前さんは馬鹿だよ、素人だよ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
じゃねえか。」新吉は嬉しそうな
笑
(
え
)
みを目元に見せたが、じきにこわいような顔をする。お作が始末屋というよりは、金を使う気働きすらないということは、新吉には一つの気休めであった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
老「いや
精
(
くわ
)
しい事を御存じだろうから、仰しゃらんなら
私
(
わたくし
)
と一緒に同道していらっしゃい、御姓名ぐらい伺うのは
当然
(
あたりまえ
)
の事だ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清浄
(
しょうじょう
)
潔白、
自
(
おのず
)
から同藩普通の家族とは
色
(
いろ
)
を
異
(
こと
)
にして、ソレカラ家を
去
(
さっ
)
て他人に交わっても、その
風
(
ふう
)
をチャント
守
(
まもっ
)
て、別に
慎
(
つつし
)
むでもない、
当然
(
あたりまえ
)
な事だと
思
(
おもっ
)
て居た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いや、いや、もしその人だとすれば——三年以前に別れてから、片時も想わずにはおらぬ、寝た間も忘れはしないのであるから、幻も、その
俤
(
おもかげ
)
は
当然
(
あたりまえ
)
で、かえって
不審
(
いぶかし
)
くも
凄
(
すご
)
くもない
筈
(
はず
)
。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それは
当然
(
あたりまえ
)
ですわ。モト/\何ともないんですもの。けれども表向きは御病気で休んでいらっしゃるんですから、余り目立たない方が宜かなくて? 近所で種々と申しているようですわ」
朝起の人達
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そうするのが
当然
(
あたりまえ
)
としてお客に行った家で、夜ふけまで騒ぎ廻ります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
現実の人生や自然に接したような切実な感じの得られんのは
当然
(
あたりまえ
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
さ。親子だって似ないものもあるじゃないか。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
友「百両借りた証文が三百両となりました、百と云う字と金の字の間へ三の字を平ったく書いたのですから、騙りと云うのは
当然
(
あたりまえ
)
でげしょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
当然
(
あたりまえ
)
さ。しかし迷いが晴れて
宜
(
よ
)
かったよ。毎日のように顔を合せていると分らないが、純然たる第三者が見ると君もこれで最早相応の年輩なんだね。そこで僕はもう一遍君に勧めるが……」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
待て、女の櫛は、誰も居ない夜具の中に入っていると、すやすやと寝息をするものか、と考えたくらい、もうそれほどの事には驚かず、
当然
(
あたりまえ
)
のようだったのも、気がどうかしていたんでしょう。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“当然”の意味
《名詞・形容動詞》
当 然(とうぜん)
そうであるべきこと。誰が考えても、もっともであること。
《形容動詞》
あたりまえに。
(出典:Wiktionary)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“当”で始まる語句
当
当惑
当時
当前
当座
当家
当身
当麻
当嵌
当初