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屑屋
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くずや
ふりがな文庫
“
屑屋
(
くずや
)” の例文
そして有用な観念はそういう所にこそ存する。全体としてはパリーが一番すぐれている。パリーでは、
屑屋
(
くずや
)
に至るまで
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
である。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
むろんその時分には二人とも青春なんかドッカへ行っちゃって貧乏
屑屋
(
くずや
)
の
股引
(
ももひき
)
みたいに、無意味に並んでいるだけの状態だったからね。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
日の来るのを待つらしく、酒のみの堀田伊太夫、ロクにない浪宅の道具を片っぱしから
屑屋
(
くずや
)
に売っては、気前よく酒をのんでいる。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ヘルゴランズ
街
(
ガアド
)
をちょっと這入った横町に、古道具店——とより
屑屋
(
くずや
)
といったほうが適確なレクトル・エケクランツの家がある。
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
二人の親たちも同じような育ちかたで、五郎吉の父はぼて
振
(
ふり
)
の魚屋であり、おふみの父は
屑屋
(
くずや
)
や、人足や、手伝いなどを転々としていた。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
ここに世帯を持ってから、
屑屋
(
くずや
)
にも売られずに残っていることが思い出の
種
(
たね
)
。和田へ来るとき甲州の姉が贈ってくれたこの袷。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこはよくしたもので、各寺々にはそれぞれ湯灌場買いという
屑屋
(
くずや
)
と古道具屋を兼ねたような者が出入りをして、こういう払い物を
安価
(
やす
)
く引き取る。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それには当人を捕えて聞き
糺
(
ただ
)
すよりほかに方法はあるまいとのみ速断して、その結果は朋友に冷かされたり、
屑屋
(
くずや
)
流に駒込近傍を
徘徊
(
はいかい
)
したのである。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
捨ててこようかとも思ったが、NやIもいたし、それよりも母のことを思いだすと、
屑屋
(
くずや
)
にも払いかねたと語った。
風
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
時に年老いたる
屑屋
(
くずや
)
あり。包を背負うたる洗濯
婆
(
ばば
)
あり。おなじく境内に
入
(
い
)
らんとせしが、また車のために抑留さる。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そう云って片手でぱっぱっと煙を吐きながら、もう好い加減
屑屋
(
くずや
)
へ売っても惜しくなさそうな旅行
擦
(
ず
)
れのしたスーツケースを、寝台の上へ一杯にひろげた。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
笹村が前の家から持って来た
萩
(
はぎ
)
の根などを土に
埋
(
い
)
けていると、お銀は外へ長火鉢などを見に出て行った。古い方は引っ越すとき
屑屋
(
くずや
)
の手に渡ってしまった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
按摩
(
あんま
)
と、
屑屋
(
くずや
)
と、人足と、占者と、地紙売とが住んで、仕舞い忘れた洗濯物くらいは狙うかも知れませんが、人の命などを狙いそうなのは一人もありません。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
或人自ら
屑屋
(
くずや
)
と名のり「
屑籠
(
くずかご
)
の中よりふと
竹
(
たけ
)
の
里人
(
さとびと
)
の歌論を見つけ出してこれを読むにイヤハヤ御高論……」
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
もう世にないので遺憾である(ことによると
屑屋
(
くずや
)
の手から製紙会社にわたって、この原稿紙か、新青年のこのページあたりにそれが使われているかもしれぬが)
「陰獣」その他
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
骸炭
(
がいたん
)
のザクザクした道をはさんで、煤けた軒が不透明なあくびをしているような町だった。駄菓子屋、うどんや、
屑屋
(
くずや
)
、貸蒲団屋、まるで荷物列車のような町だ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「……
屑屋
(
くずや
)
に売ったっても可いじゃないか……なにも書いたものをそんなに焼かなくっても……」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
だからお前さんさえ
開閉
(
あけたて
)
を厳重に仕ておくれなら
先
(
ま
)
ア安心だが、お前さんも知ってるだろう
此里
(
ここ
)
はコソコソ泥棒や
屑屋
(
くずや
)
の悪い
奴
(
やつ
)
が
漂行
(
うろうろ
)
するから油断も
間際
(
すき
)
もなりや仕ない。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
西那須
(
にしなす
)
からは三島
通庸
(
つうよう
)
君が栃木県令時代に俗論を排して開いた名高い三島道路。先頭に立ったのが吉岡
虎髯
(
こぜん
)
将軍、
屑屋
(
くずや
)
に払ったらば三銭五厘位のボロ
洋傘
(
こうもり
)
をつき立てて進む。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
ただ一
ト
揉みに
屑屋
(
くずや
)
を飛ばし二
タ
揉み揉んでは二階を
捻
(
ね
)
じ取り、三たび揉んでは
某寺
(
なにがしでら
)
をものの見事に
潰
(
ついや
)
し
崩
(
くず
)
し、どうどうどっと
鬨
(
とき
)
をあぐるそのたびごとに心を冷やし胸を騒がす人々の
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これより
漸
(
ようや
)
く
米塩
(
べいえん
)
の資を得たれども、彼が出京せし当時はほとんど着のみ着のままにて、諸道具は一切
屑屋
(
くずや
)
に売り払い、
遂
(
つい
)
には火鉢の
五徳
(
ごとく
)
までに手を附けて、
僅
(
わず
)
かに
餓死
(
がし
)
を免がるるなど
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
そして一人者のなんでも
整頓
(
せいとん
)
する癖で、新聞を丁寧に畳んで、居間の縁側の隅に出して置いた。こうして置けば、女中がランプの掃除に使って、余って不用になると、
屑屋
(
くずや
)
に売るのである。
あそび
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
建物の大きさからいっても、
住心地
(
すみごこち
)
の上からいっても、また保存年限の長さから見ても、こういうのは、もうけっして
苅穂
(
かりほ
)
のいほではない。
屑屋
(
くずや
)
どころか材料にえらい費用がかかっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
庄「いやそれは困りました、
屑屋
(
くずや
)
でも来たら何か払っておいたら宜かろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「デカダンだよ。
屑屋
(
くずや
)
に売ってしまっても、いいんだけどもね。」
服装に就いて
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「まあ、この散らかし方! まるで
屑屋
(
くずや
)
さんのようですわ。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
アルシュ・マリオンに達する長い丸天井の
隘路
(
あいろ
)
の下に、少しも破損していない
屑屋
(
くずや
)
の
負
(
お
)
い
籠
(
かご
)
が一つあったことは、鑑識家らの嘆賞を買い得た。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
もう
屑屋
(
くずや
)
でもなければ買わないような物ばかりで、それを売るのもおひさの役になった。すると或る日、おひさが一面の古鏡を捜しだして来た。
葦は見ていた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
品物といえば釘の折でも、
屑屋
(
くずや
)
へ売るのに
欲
(
ほし
)
い処。……返事を出す端書が買えないんですから、配達をさせるなぞは思いもよらず……急いで取りに行く。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
路地の外に頑張って、しばらく様子を見ていると、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を担いだ
屑屋
(
くずや
)
が一人、何にも言わずにノソノソと入って行きます。多分、この路地の中に住む
店子
(
たなこ
)
の一人でしょう。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よくよく末子さんも、あの洋服がいやになったと見えますよ。もしかしたら、
屑屋
(
くずや
)
に売ってくれてもいいなんて……」これほどの移りやすさが
年若
(
としわか
)
な娘の内に潜んでいようとは
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
捨てんか捨てんか、捨てたりともしろかねの猫にあらねば門前の童子もよも拾はじ。売らんか売らんか、売りたりとも
金箔
(
きんぱく
)
の
兀
(
は
)
げたる羽子板にも劣りていたづらに
屑屋
(
くずや
)
に
踏
(
ふ
)
み倒されん。
土達磨を毀つ辞
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
いくら
屑屋
(
くずや
)
だからって、親一人子ひとりの母親を、こんな、
反古
(
ほご
)
やボロッ切れや、古金なんかと同居さしといてサ、自分は平気で暇さえあれァ、そうやって酒ばっかりくらっていやアがる
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そんな物を、誰に頼まれてひねくり廻すのだ、早く
屑屋
(
くずや
)
に売ってしまえ」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お母様が
屑屋
(
くずや
)
に頼んで
反古紙
(
ほごがみ
)
を沢山に買って合わせ紙というのをお作りになるのでしたが、それが又大変で、秋日のさすお庭から畠から、お縁側まで一パイに干してあることがよくありました。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
井深は細君の
勧
(
すすめ
)
に
任
(
まか
)
せてこの
縁喜
(
えんぎ
)
の悪い画を、五銭で
屑屋
(
くずや
)
に売り払った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
パラソルを二十銭で
屑屋
(
くずや
)
に売った。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
纒
(
まと
)
めておいて
屑屋
(
くずや
)
へ払うんですが、その中からいくらかましなのを抜いておいて売るんです、侍長屋の人間や小者たちは結構よろこんで買いましたよ
末っ子
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「そう言えばまあそうですね。」と
屑屋
(
くずや
)
はつつましく答えた。「私にはこれでもきまった仕事がありますからね。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
中に、目の鋭い
屑屋
(
くずや
)
が一人、
箸
(
はし
)
と
籠
(
かご
)
を両方に下げて、挟んで食えそうな首は無しか、とじろじろと
睨廻
(
ねめま
)
わす。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古筆
(
こひつ
)
の
軸物
(
じくもの
)
とか、三島の
香盒
(
こうごう
)
とかは、いずれ
屑屋
(
くずや
)
か何かで捜してお返しいたします。ヘエ——
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
読者のうちでただ
屑屋
(
くずや
)
丈
(
だけ
)
だろうと云われたって仕方がない。
元日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
刻
(
とき
)
ばかりまえに
屑屋
(
くずや
)
だの古道具屋がまいりまして、昨日すっかり値踏みもし代物も払ってあるということで、へい、なにもかも持ち運んでっちめえまして
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
かくて
狸穴
(
まみあな
)
の
辺
(
ほとり
)
なる
狭隘路
(
せまきみち
)
に
行懸
(
ゆきかか
)
れば、馬車の
前途
(
ゆくて
)
に当って往来の
中央
(
まなか
)
に、大の字に寝たる
屑屋
(
くずや
)
あり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
テュイルリー宮殿の財宝の
櫃
(
ひつぎ
)
は、一八四八年にはだれからまもられていたか。サン・タントアーヌ郭外の
屑屋
(
くずや
)
どもからではなかったか。ぼろは宝物の前に番をしたのである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
屑屋
(
くずや
)
の
周助
(
しゅうすけ
)
が殺されました。
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
十一の時まで浅草
俵町
(
たわらまち
)
の質屋の
赤煉瓦
(
あかれんが
)
と、
屑屋
(
くずや
)
の横窓との間の狭い路地を入った突当りの貧乏長家に育って、納豆を食い、水を飲み、夜はお
稲荷
(
いなり
)
さんの声を聞いて
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すなわち、泥を掃き除ける
溝渫
(
どぶさら
)
い人と、ぼろを集める
屑屋
(
くずや
)
とである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「いいえさ、こちらへおいでなさらない前にさ、
屑屋
(
くずや
)
をしていらっした時の事ですよ。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……都合があって、私と二人で
自炊
(
じすい
)
をして、
古襦袢
(
ふるじゅばん
)
、ぼろまでを脱ぎ、木綿の帯を半分に裂いて
屑屋
(
くずや
)
に売って、ぽんぽち米を一升炊きした、その時分はそれほど懇意だったのですが。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“屑屋”の解説
屑屋(くずや 英:Garbageman)とは廃品回収業者のことである。別名にバタ屋、紙くず屋、ボロ屋、くず鉄屋、てん屋がある。
(出典:Wikipedia)
屑
漢検準1級
部首:⼫
10画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“屑屋”で始まる語句
屑屋樣