“軸物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じくもの70.0%
かけもの30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
次郎左衛門のうしろの床の間には、細い軸物じくものの下に水仙の一輪挿しが据えてあった。二人は女房や女中の酌で酒を飲んでいた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こういう調子でこのごろ矢野の下宿生活はさびしいものではない。大木から軸物じくものなど借りてきて、秋草の花をびんにさし、静かにひとりを楽しむ事もあった。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
軸物かけものも、何もない、がらん堂の一つ道具に、机わきの柱にかけた、真田が短銃たんづつ両提ふたつさげ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ところで、わしが以前、済州さいしゅうの城内で少しばかり世話してやった書生がある。その蕭譲しょうじょうという者じつに偽筆ぎひつの名人なのだ。どんな碑文ひもんだろうが軸物かけものだろうが、ひと目見たら忘れない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)