軸物かけもの)” の例文
軸物かけものも、何もない、がらん堂の一つ道具に、机わきの柱にかけた、真田が短銃たんづつ両提ふたつさげ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ところで、わしが以前、済州さいしゅうの城内で少しばかり世話してやった書生がある。その蕭譲しょうじょうという者じつに偽筆ぎひつの名人なのだ。どんな碑文ひもんだろうが軸物かけものだろうが、ひと目見たら忘れない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
... いた軸物かけものがかかっていたね、あれは大層高価なものというではないか」小山「あれは僕の父が二百円である人から買ったが今売れば三百円以上になる。その外僕の家には周文だの雪舟だのほとんど千円近い名画が五、六ぷくもあるよ」中川「サア其処そこだテ。 ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)