トップ
>
小槌
>
こづち
ふりがな文庫
“
小槌
(
こづち
)” の例文
『梅津長者物語』には鼠三郎、野らねの藤太等の賊が長者の宅を襲うと、大黒真先に打って出で打ち出の
小槌
(
こづち
)
で
賊魁
(
ぞくかい
)
を打ち殺す事あり。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
西施
(
せいし
)
、
小観音
(
こかんのん
)
、
小槌
(
こづち
)
、おだまき、獅子丸、
於呂知
(
おろち
)
、箱根、沖波などという
白拍子
(
しらびょうし
)
名をそれぞれに持っており、わけて於呂知というのは
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこでさっそく
打
(
う
)
ち
出
(
で
)
の
小槌
(
こづち
)
を
振
(
ふ
)
って、そこへ
食
(
た
)
べきれないほどのごちそうを
振
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
して、お
姫
(
ひめ
)
さまと
二人
(
ふたり
)
で
仲
(
なか
)
よく
食
(
た
)
べました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小槌
(
こづち
)
ふるいて横ざまに打ち、かの弓の下をくぐらするに、たくみなるは百に一つを失わねど、つたなきはあやまちて足など撃ちぬとてあわてふためく。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
隠蓑
(
かくれみの
)
」なる言葉は『信綱記』にもいう如く、「鬼
之
(
の
)
持
(
もち
)
たる宝は、かくれ蓑、かくれ笠、
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
、延命小袋」
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
隣の坊ちゃんを
竜宮
(
りゅうぐう
)
小僧に
擬
(
なぞら
)
えて見る。ここでは坊ちゃんは
海表
(
かいひょう
)
の世界から縁あって、鶴見に授けられたものとする。坊ちゃんは
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
を持って来る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「今朝春の
小槌
(
こづち
)
を出たり
四方
(
よも
)
の人
存義
(
ぞんぎ
)
」という句と全然同じ行き方ではないが、新春そのものを包括して、
或
(
ある
)
形の下に現したのが、この種の句の特色をなしている。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
高い
建物
(
ビルディング
)
の出現するのははなはだ突然である。打ち出の
小槌
(
こづち
)
かアラディンのランプの魔法の力で思いもよらぬ所にひょいひょいと大きなビルディングが突然現われる。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
胆のつぶれるような高賃で手伝いに出た村人たちは、八百助殿はみえなくなった一年間に
金
(
きん
)
の
鉱山
(
やま
)
を掘り当てたか、打出の
小槌
(
こづち
)
でも拾われたに違いないと
噂
(
うわさ
)
をし合った。
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
笹
(
さゝ
)
の
葉
(
は
)
に、
大判
(
おほばん
)
、
小判
(
こばん
)
、
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
、
寶珠
(
はうしゆ
)
など、
就中
(
なかんづく
)
、
緋
(
ひ
)
に
染色
(
そめいろ
)
の
大鯛
(
おほだひ
)
小鯛
(
こだひ
)
を
結
(
ゆひ
)
付
(
つ
)
くるによつて
名
(
な
)
あり。お
酉樣
(
とりさま
)
の
熊手
(
くまで
)
、
初卯
(
はつう
)
の
繭玉
(
まゆだま
)
の
意氣
(
いき
)
なり。
北國
(
ほくこく
)
ゆゑ
正月
(
しやうぐわつ
)
はいつも
雪
(
ゆき
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あるどころではない。何でも好きなものの振り出せる
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
という宝物さえある。」
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
にんじんは、苦情もいわず、
遮二無二
(
しゃにむに
)
がんばって
後
(
あと
)
をついて行く。靴で
怪我
(
けが
)
をする。そんなことは
噯気
(
おくび
)
にも出さない。手の指が
捻
(
ね
)
じ切れそうだ。足の
爪先
(
つまさき
)
が
膨
(
ふく
)
れて、
小槌
(
こづち
)
の形になる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
現に雪子の色直しの
衣裳
(
いしょう
)
なども、七・七禁令に引っ懸って新たに染めることが出来ず、
小槌
(
こづち
)
屋に頼んで出物を捜させたような始末で、今月からはお米も通帳制度になったのであった。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
槖駝師
(
うえきや
)
が
剪裁
(
せんさい
)
の手を尽した小庭を通って、
庫裡
(
くり
)
に行く。誰も居ない。尾の少し
欠
(
か
)
けた
年
(
とし
)
古
(
ふ
)
りた木魚と
小槌
(
こづち
)
が掛けてある。二つ三つたゝいたが、一向出て来ぬ。四つ五つ
破
(
わ
)
れよと
敲
(
たた
)
く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
疳癪がおこつた時には表の米屋が白犬を
擲
(
は
)
ると思ふて私の家の洗ひかへしを
光沢出
(
つやだ
)
しの
小槌
(
こづち
)
に、
碪
(
きぬた
)
うちでも遣りに来て下され、それならばお前さんも人に憎くまれず私の方でも大助り
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
道服を着た
医師
(
くすし
)
めいた男が、盆の上に整然と並べられている、
小刀
(
メス
)
、
小槌
(
こづち
)
、
小鋸
(
このこぎり
)
、
生皮剥
(
なまかわは
)
ぎの薄刃物、生き眼刳りの
小菱鉾
(
こびしぼこ
)
、
生爪
(
なまづめ
)
剥がしの
偃月
(
えんげつ
)
形の
錐
(
きり
)
、幾本かの針といったような物を
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「この張扇一本、
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
みてえなものでげす」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
官庫は彼女の
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
であり、彼女の物慾を満たす殿堂です。お蝶は寒さも怖ろしさも忘れている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
靴
(
くつ
)
の
尖
(
さき
)
もて押へたる
五色
(
ごしき
)
の
球
(
たま
)
を、
小槌
(
こづち
)
揮
(
ふる
)
ひて
横様
(
よこざま
)
に打ち、かの弓の下をくぐらするに、
巧
(
たくみ
)
なるは百に一つを失はねど、
拙
(
つたな
)
きはあやまちて足など撃ちぬとてあわてふためく。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これは
鬼
(
おに
)
の
忘
(
わす
)
れて行った
打
(
う
)
ち
出
(
で
)
の
小槌
(
こづち
)
です。これを
振
(
ふ
)
れば、
何
(
なん
)
でもほしいと
思
(
おも
)
うものが
出
(
で
)
てきます。ごらんなさい、
今
(
いま
)
ここでわたしの
背
(
せい
)
を
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
してお目にかけますから。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
疳癪
(
かんしやく
)
がおこつた
時
(
とき
)
には
表
(
おもて
)
の
米屋
(
こめや
)
が
白犬
(
しろいぬ
)
を
擲
(
は
)
ると
思
(
おも
)
ふて
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
の
洗
(
あら
)
ひかへしを
光澤出
(
つやだ
)
しの
小槌
(
こづち
)
に、
碪
(
きぬた
)
うちでも
遣
(
や
)
りに
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
され、それならばお
前
(
まへ
)
さんも
人
(
ひと
)
に
憎
(
にく
)
まれず
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
でも
大助
(
おほだす
)
かり
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
竜宮から
小槌
(
こづち
)
を貰ったって、振っても
敲
(
たた
)
いても
媽々
(
かかあ
)
は出ねえ。本来なら
龕
(
ずし
)
に納めて、高い処に奉って、三度三度、お供物を
取換
(
とっか
)
えて、日に一度だけ扉を開いて拝んでいなけりゃ罰が当ら。……
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こういって、
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
は、
打
(
う
)
ち
出
(
で
)
の
小槌
(
こづち
)
を
振
(
ふ
)
り
上
(
あ
)
げて
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
槌
漢検準1級
部首:⽊
14画
“小槌”で始まる語句
小槌屋