じやう)” の例文
こらへよ、暫時しばし製作せいさくほねけづり、そゝいで、…苦痛くつうつくなはう、とじやうぬまたいして、瞑目めいもくし、振返ふりかへつて、天守てんしゆそらたか両手りやうてかざしてちかつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
牧之ぼくしおもへらく、鎮守府将軍ちんじゆふしやうぐん平の惟茂これもち四代の后胤かういん奥山おくやま太郎の孫じやうの鬼九郎資国すけくに嫡男ちやくなん城の太郎資長すけながの代まで越後高田のほとり鳥坂とりさか山に城をかまへ一国にふるひしが
墨股すのまたの戰ひに少しく會稽の恥をすゝぎたれども、新中納言(知盛)軍機ぐんきしつして必勝の機をはづし、木曾のおさへと頼みしじやうの四郎が北陸ほくりくの勇をこぞりし四萬餘騎、餘五將軍よごしやうぐん遺武ゐぶを負ひながら
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
衣川ころもがは和泉いづみじやうをめぐりて、高館の下にて大河に落入る。康衡やすひらが旧跡は衣ヶ関を隔てて、南部口をさし堅めえびすをふせぐと見えたり。さても義臣すぐつて此城にこもり、功名一時のくさむらとなる。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「聽いたよ、福井町のじやうだんらうといふ評判のよくない浪人者が、脇差で胸を突かれて死んでゐたんだつてね。——恐しく腕の出來る浪人者だといふぢやないか、茶汲女や守りつには殺せねえよ」
しんち五じやうけり、の・しやうたる、士卒しそつ最下さいかなるもの衣食いしよくおなじうし、ぐわするにせきまうけず、くに(七〇)騎乘きじようせず、みづかかてつつになひ、士卒しそつ勞苦らうくわかつ。そつ(七一)しよものり。
夕されば涙こぼるるじやうヶ島人間ひとり居らざりにけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
じやうしま
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
御念ごねんおよばぬ、じやうぬまそこく……霊泉れいせんゆあみさせて、きづもなく疲労つかれもなく苦悩くなうもなく、すこやかにしておかへまをす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
相模のや三浦三崎は目の前にじやうヶ島とふ島あるところ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「旦那は御存じでせうな、じやうといふ人を」
あのとほ呼立よびたる——成程なるほどおもへば、何時いつ温泉をんせん宿やどて、何処どことほつて、じやうぬまたかおぼえてらぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こんな上天気じやうてんきはこのじやうしまにも滅多めつたえ。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
じやうさんに敵はあつたでせうか」