)” の例文
国々くにぐに方々ほうぼうめぐりあるいて、為朝ためともはとうとう九州きゅうしゅうわたりました。その時分じぶん九州きゅうしゅうのうちには、たくさんの大名だいみょうがあって、めいめいくにりにしていました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そんな事はねえが武士さむらいの果は外に致方いたしかたもなく、旨い酒も飲めないから、どうせ永い浮世に短い命、斬りり強盗は武士ぶしならいだ、今じゃア十四五人も手下が出来て
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昨日きのふ此近傍このあたりうはさけば松島まつしまさまは世間せけん評判ひようばんかたおくさまたうならどりにやまほどなれど何方どれもおことはりで此方こなたへのおいで孃樣ぢようさまうへにばかりりがちがうか
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手際てぎはなもので、あふうちに、じり/\と團子だんごいろづくのを、十四五本じふしごほんすくりに、一掴ひとつかみ、小口こぐちからくしつて、かたはら醤油したぢどんぶりへ、どぶりとけて、さつさばいて、すらりと七輪しちりんまたげる。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その客はおせんの馴染なじみで、四谷信濃町しなのまちに住んでゐる三十ぴょうりの國原くにはら次郎といふ者である。その晩は次郎ひとりであつたが、その友達の三上甚五郎みかみじんごろうといふのも時々に連れ立つて来るといふ。
赤膏薬 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
仏法の信者たちとつきあっておれば、幾らでも見取みどりだが、小さな島ではこんな資財でも限りがあった。アマミヤ・アマミキュもその一例かと思うが、是はもう大分早く始まっていた。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
平常金使い荒きよしなれば、物り強盗の所為しょいなるやも知れず……
広東葱 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
近所からりにされて居たんだ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
紙幣さつ菓子くわしとの二つりにはおこしをおれとしたるものなれば、いま稼業かげうまことはなくとも百にんなか一人ひとりしんからのなみだをこぼして、いておくれ染物そめものやのたつさんがこと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白痴殿ばかどの女房にようぼうになつて、なかへはもやらぬかはりにやあ、嬢様ぢやうさま如意自在によゐじざいをとこはよりつて、けば、いきをかけてけものにするわ、こと洪水こうずゐ以来いらいやま穿うがつたこのながれ天道様てんたうさまがおさづけの
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)