南洋なんよう)” の例文
南洋なんようのあまり世界せかいひとたちにはられていないしまんでいる二人ふたり土人どじんが、難船なんせんからすくわれて、あるみなといたときでありました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
第二十八圖だいにじゆうはちず)そのとなりにあるは、現在げんざい南洋なんようにおいて實行じつこうしてゐる水上住居すいじようじゆうきよでありますが、いかにもよくてゐることがわかりませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このみなとから、南洋なんようほうへゆくふねは、今夜こんやてゆくのが今年ことしじゅうの最終さいしゅうでありましたが、あまりそれにはってゆくきゃくもなかったのです。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしたゞひといまから四十年前しじゆうねんぜん(一八九二ねん)にオランダの軍醫ぐんいデヨボアといふひとが、南洋なんようジャヷ島とうのトリニールといふところ發見はつけんしたほね
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
南洋なんようはやしなかに、あったころのさわやかなにおいが、まだのこっていて、このとき、ふたたびややかなみずうえで、したのでした。
河水の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この貝輪かひわうでにはめる風俗ふうぞくは、今日こんにちでも南洋なんようあたりの野蠻人やばんじんあひだおほ見受みうけられますが、たゞその貝輪かひわはそのゑぐあながわりあひにちひさいので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かれは、あめかぜくる渺茫びょうぼうたる海原うなばら想像そうぞうして感歎かんたんこえはなちました。龍夫たつお父親ちちおやは、南洋なんよう会社かいしゃつとめていて、その病死びょうししたのです。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ただ、あまりなか人々ひとびとられていない、南洋なんようしまでありますから、ひらけてはいません。しかし、そのほうがかえってしあわせなんです。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たとえば南洋なんよう蕃地ばんちさんする、華麗かれいなちょうのようなはなをつけたもの、はなじま波浪はろうせるがけのうえに、ぶらさがっているというみじかいもの
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幾日いくにちかののち、みんなは、南洋なんようしまにあった庭園ていえんきました。そこだけには、ふゆというものがなかったのです。いつもうつくしいはないていました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このかぜは、南洋なんようから、ふいてきたんだね。」と、ぼくが、いうと、しょうちゃんは、ちどまって、そらをながめ
風七題 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このふねなかに、南洋なんようへいく、大金持おおがねもちがっていました。金持かねもちは、おおきなはらかかえるように、ゆったりとしたあしどりで、甲板かんぱんうえてきました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
香水こうすいのにおいがただよい、南洋なんようできのらんのはながさき、うつくしいふうをしたおとこおんながぞろぞろあるいて、まるでこのなか苦労くろうらぬひとたちのあつまりのようでありました。
田舎のお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ながあいだ、よくわたしをなぐさめてくれた。おまえのこえをきくと、あの南洋なんよう人間にんげんけがされない、らんのはなにお森林しんりんおもすのだ。おまえは、そのつよつばさで、森林しんりんかえったがいい。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
燭台しょくだいふるいのや、南洋なんよう土人どじんったような織物おりものや、またオランダあたりからきたつぼや、支那人しなじん腰掛こしかけていたような椅子いすや、ストーブのさびたのなどまでかれてありました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おれたちにもふるさとがあるんだぜ! それは、南洋なんようしまにある楽園らくえんだ!」
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんでも、南洋なんようあつくににいるというよ。」
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)