内側うちがは)” の例文
りたてのかべ狹苦せまくるしい小屋こや内側うちがはしめつぽくかつくらくした。かべつち段々だん/\かわくのが待遠まちどほ卯平うへい毎日まいにちゆかうへむしろすわつてたいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
う云ふ時に代助は、あたま内側うちがは外側そとがはが、しつことなつた切りみ細工で出来上できあがつてゐるとしか感じ得られないくせになつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またかご外側そとがはとか内側うちがはとかに粘土ねんどめて、かごともくといふ製法せいほうもあつたようであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
二十けんにもあま巨大きよだい建物たてものは、るから毒々どく/\しい栗色くりいろのペンキでられ、まどは岩たたみ鐵格子てつがうしそれでもまぬとえて、内側うちがはにはほそい、これ鐵製てつせいあみ張詰はりつめてある。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まど内側うちがはから見惡みにく鐵格子てつがうしめられ、ゆかしろちやけて、そゝくれつてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
、こゝに、ひく草畝くさあぜ内側うちがはに、つゆとともに次第しだいく、提灯ちやうちんなかに、ほのしろかすかえて、一張ひとはり天幕テントがあつた。——晝間ひるまあかはたつてた。はたおともなくきたはうなゝめなびく。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちひさなくひ毎日まいにちみづためやはらかにされてつちへぐつとふかくはひつた。かぎふか釣瓶つるべ内側うちがはのぞいてたので先刻さつきよりも確乎しつか釣瓶つるべめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それはたゞひとつの下顎骨かがくこつでありますが、このほねあご内側うちがは引込ひつこみ、今日こんにち人間にんげんとはよほどちがつてゐますけれども、類人猿るいじんえんとはまつた別種べつしゆであり、もはや人間にんげん仲間なかまであることはあきらかであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かべとき格子目かうしめから内側うちがはくれどろの一つ/\がだん/\にしろつぽくかわいてあかるくつたとき勘次かんじまた内側うちがはからつてまくれてた一つ/\を一たいかくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)