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もとゆひ
ふりがな文庫
“
元結
(
もとゆひ
)” の例文
うき
世
(
よ
)
の
飾
(
かざ
)
りの
紅
(
べに
)
をしろいこそ
入
(
い
)
らぬ
物
(
もの
)
と
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
がみ
)
の
投
(
な
)
け
島田
(
しまだ
)
に
元結
(
もとゆひ
)
一
筋
(
すぢ
)
きつて
放
(
はな
)
せし
姿
(
すがた
)
、
色
(
いろ
)
このむ
者
(
もの
)
の
目
(
め
)
には
又
(
また
)
一
段
(
だん
)
の
美
(
び
)
とたヽえて
聟
(
むこ
)
にゆかん
嫁
(
よめ
)
にとらん
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
剃刀は二梃ともよく使ひ込んだもので、背と背を合せて、
元結
(
もとゆひ
)
でキリキリと縛つてありますが、
斑々
(
はん/\
)
たる
碧血
(
へきけつ
)
が、
膠
(
にかは
)
のやうに附いて見るからに無氣味なものです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大抵のものは廻つて来てくれるので、おくみは一々外へ買ひに出たりする世話がなくてすんだ。洗濯石鹸やマッチや
元結
(
もとゆひ
)
のやうなものまで坐つてゐて用が足せた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
堤の直ぐ下には屠牛場や
元結
(
もとゆひ
)
の製造場などがあつて、山谷堀へつゞく一条の溝渠が横はつてゐた。
里の今昔
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此一おしにて男女
倶
(
とも
)
に
元結
(
もとゆひ
)
おのづからきれて
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
す㕝甚
奇
(
き
)
なり。七間四面の堂の内に
裸
(
はだか
)
なる人こみいりてあげたる手もおろす事ならぬほどなれば、人の多さはかりしるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
おつぎは
又
(
また
)
髮
(
かみ
)
へつける
胡麻
(
ごま
)
の
油
(
あぶら
)
を
元結
(
もとゆひ
)
で
縛
(
しば
)
つた
小
(
ちひ
)
さな
罎
(
びん
)
へ
入
(
い
)
れて
大事
(
だいじ
)
に
藏
(
しま
)
つて
置
(
お
)
くのである。
短
(
みじか
)
い
期間
(
きかん
)
ではあるが
針
(
はり
)
持
(
も
)
つやうになつてからは
赤
(
あか
)
い
襷
(
たすき
)
も
絎
(
く
)
けた。
半纏
(
はんてん
)
も
洗濯
(
せんたく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
助手は根元で無造作に結へてある
元結
(
もとゆひ
)
を切つて、兩耳の後ろと
旋毛
(
つむじ
)
の邊にかけて前頭部と後頭部の髮を
二束
(
ふたゝば
)
に分けた。分け目には日の目を見ない一筋の皮膚が冷やかな青白さをもつて現はれ出た。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
最後の日、更に四人の者がそれを踏まない事の為めに捕へられ「検べ」の為めに残された後、モニカは
白無垢
(
しろむく
)
の装束を着け、したゝる如き黒髪を一と処
元結
(
もとゆひ
)
で結び、下げ髪にして静々と現はれた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
雨落
(
あまおち
)
に
敷詰
(
しきつ
)
めた
礫
(
こいし
)
には
苔
(
こけ
)
が
生
(
は
)
えて、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
が
這
(
は
)
ふ、
濕
(
し
)
けてじと/\する、
内
(
うち
)
の
細君
(
さいくん
)
が
元結
(
もとゆひ
)
をこゝに
棄
(
す
)
てると、
三七
(
さんしち
)
二十一日
(
にじふいちにち
)
にして
化
(
くわ
)
して
足卷
(
あしまき
)
と
名
(
な
)
づける
蟷螂
(
かまきり
)
の
腹
(
はら
)
の
寄生蟲
(
きせいちう
)
となるといつて
塾生
(
じゆくせい
)
は
罵
(
のゝし
)
つた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この時、自分で髪を
結
(
ゆ
)
つたが、
元結
(
もとゆひ
)
が三度も切れたので
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
元結
(
もとゆひ
)
で
十五夜お月さん
(旧字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
破
(
やぶ
)
れかぶれに
暴
(
あば
)
れて
暴
(
あば
)
れて、
正太郎
(
しようたらう
)
が
面
(
つら
)
に
疵
(
きず
)
一つ、
我
(
わ
)
れも
片眼
(
かため
)
片足
(
かたあし
)
なきものと
思
(
おも
)
へば
爲
(
し
)
やすし、
加擔人
(
かたうど
)
は
車屋
(
くるまや
)
の
丑
(
うし
)
に
元結
(
もとゆひ
)
よりの
文
(
ぶん
)
、
手遊屋
(
おもちやゝ
)
の
彌助
(
やすけ
)
などあらば
引
(
ひ
)
けは
取
(
と
)
るまじ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此一おしにて男女
倶
(
とも
)
に
元結
(
もとゆひ
)
おのづからきれて
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
す㕝甚
奇
(
き
)
なり。七間四面の堂の内に
裸
(
はだか
)
なる人こみいりてあげたる手もおろす事ならぬほどなれば、人の多さはかりしるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
利助は案外素直に答へて、女の亂れかゝつた髮の中から、
元結
(
もとゆひ
)
を探しました。子分に
鋏
(
はさみ
)
を持つて來さして、嫌がるのを無理に切ると、丈なす黒髮が、サツと手に
絡
(
から
)
んで水の如く後に引きます。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
加担人
(
かたうど
)
は車屋の
丑
(
うし
)
に
元結
(
もとゆひ
)
よりの
文
(
ぶん
)
、
手遊屋
(
おもちやや
)
の
弥助
(
やすけ
)
などあらば引けは取るまじ、おおそれよりはあの人の事あの人の事、藤本のならば
宜
(
よ
)
き智恵も貸してくれんと、十八日の暮れちかく
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「黒い
元結
(
もとゆひ
)
は——こりや、誰か使つて居る人があるでせうね」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手振手拍子ひとつも変る事なし、うかれ立たる十人あまりの騒ぎなれば何事と
門
(
かど
)
に立ちて人垣をつくりし中より、三五郎は居るか、
一寸
(
ちよつと
)
来てくれ大急ぎだと、
文次
(
ぶんじ
)
といふ
元結
(
もとゆひ
)
よりの呼ぶに
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三五
郎
(
らう
)
は
居
(
ゐ
)
るか、
一寸
(
ちよつと
)
來
(
きて
)
くれ
大急
(
おほいそ
)
ぎだと、
文次
(
ぶんじ
)
といふ
元結
(
もとゆひ
)
よりの
呼
(
よぶ
)
に、
何
(
なん
)
の
用意
(
ようい
)
もなくおいしよ、よし
來
(
きた
)
と
身
(
み
)
がるに
敷居
(
しきゐ
)
を
飛
(
とび
)
こゆる
時
(
とき
)
、
此
(
この
)
二タ
股
(
また
)
野郎
(
やらう
)
覺悟
(
かくご
)
をしろ、
横町
(
よこてう
)
の
面
(
つら
)
よごしめ
唯
(
たゞ
)
は
置
(
お
)
かぬ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
“元結”で始まる語句
元結水引