なな)” の例文
さる人はかしこくとも、さるわざは賢からじ。こがね六三ななのたからのつかさなり。土にうもれては霊泉れいせんたたへ、不浄を除き、たへなるこゑかくせり。
其処そこななツになる子供が喧嘩けんかをしてどぶへ落ちたとやら、衣服きもの溝泥どぶどろだらけにして泣きわめきながら帰って来る。小言がその方へ移る。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お米もなんだか不安に思われたので、ななつ(午後四時)過ぎまで一緒に待ち暮らしていると、おときは元気のない顔をしてとぼとぼと帰って来た。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ちょっとおたずねですがな、お昼すぎごろに、ななやっつぐらいの子どもらが十人ほど通ったのを、見ませなんだかいな」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
偃松もななかまども、また岳かんばも、しとどに露を宿している。ゆるい傾斜の草野には、兎の路が縦横に綾を織る。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
いつたび目に尼提の曲った路にも、——尼提は狭い路をななたび曲り、七たびとも如来の歩いて来るのに出会った。殊に七たび目に曲ったのはもう逃げ道のない袋路ふくろみちである。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
い、う、い、お、つ、う、ななあ、こことを、十一、十二……十三……
落葉日記(三場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
あんこくじには、ななつ やっつ ぐらいの こぞうが 十にんばかりも いました。一休いっきゅうさんは そのなかで いちばん としした でしたが、いちばん りこうで、とんちが ありました。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
いにしへななさかしき人等ひとたちりせしものはさけにしあるらし (同・三四〇)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
燈心を一束、片手に油差を持添え、揉烏帽子もみえぼしを頂いた、耳、ぼんのくぼのはずれに、燈心はそのなな筋の抜毛かと思う白髪しらがのぞかせたが、あしなかの音をぴたりぴたりと寄って、半ば朽崩れた欄干の
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
柳河は城をめぐりななめぐり水めぐらしぬ咲く花蓮はなはちす
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
物のななたび涅槃ニルヴアナに浸りて澄みし心もて。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
私がまだむっつかななつの時分でした。
梨の実 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
「——ななア、ノ……」
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ななア! ア! 九ツ!」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ななたび歌よみに与ふる書
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
なな行く 媛女をとめども
ななつのはねうつくしい
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ななの枝ふみのぼり
総武そうぶ鉄道の工事の始まつたのはまだ僕の小学時代だつたであらう。その以前の「お竹倉」はよるは「本所ほんじよなな不思議」を思ひ出さずにはゐられない程もの寂しかつたのに違ひない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
町家ちょうか内儀ないぎらしい丸髷まるまげの女がななやっツになる娘の手を引いて門のなか這入はいって行った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
……本箱のいつななツが家の五丁目七丁目で、縦横じゅうおうに通ずるので。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
仰げば空のななほしあかきらめき
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かはいいななちやん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
知らしめんがためか聖徳太子の吟作なりとて「照る月のなかなる物の大弓おおゆみはあぞちにたちてまとにあたらず」また和泉式部いずみしきぶが「南無仏の御舎利みしゃりいだなながねむかしもさぞな今も双調そうちょう
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ななやつ入乱いりみだれてけたゝましい跫音あしおとけめぐる。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一念のうなぎとなつてななまとひ 桃青
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つあまり、ななつか、つ。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「さうさうななこだま。」
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ななそ。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十三じふさんななつ。
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十三じふさんななつ。
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十三じふさんななつ。
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)