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鰹節
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かつぶし
ふりがな文庫
“
鰹節
(
かつぶし
)” の例文
亥「冗談じゃアねえ知らしてくれゝば
嗅
(
くせ
)
え
鰹節
(
かつぶし
)
の一本か
酢
(
すっ
)
ぺい酒の
一杯
(
いっぺい
)
でも持って、旦那お
芽出度
(
めでと
)
うござえやすと云って来たものを」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
母
(
かあ
)
さん、ねこは、
鰹節
(
かつぶし
)
をたくさんかけてやっても、ご
飯
(
はん
)
を
食
(
た
)
べませんよ。」と、
子供
(
こども
)
たちはいいました。すると、お
母
(
かあ
)
さんは
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いつって、国へ帰ったら、ちゃんと、うちで待ってたのです。今日先生の所へ持って来た、この
鰹節
(
かつぶし
)
は結婚祝に親類から貰ったんです」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
人参
(
にんじん
)
を糸切りにして
糸蒟蒻
(
いとごんにゃく
)
と前の牛蒡と三品を一旦
湯煮
(
ゆで
)
ておいてそれへ椎茸を加えて
鰹節
(
かつぶし
)
の
煮汁
(
だし
)
と味淋と醤油とで
美味
(
おい
)
しく煮ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「その
箏
(
こと
)
でなんか
弾
(
ひ
)
いて見ましょうか、真っ黒になってて、
鰹節
(
かつぶし
)
みたいな古い箏だけれど、それは結構な
音
(
ね
)
を出すの。」
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
これを
粥
(
かゆ
)
としまた
鰹節
(
かつぶし
)
を
煮出
(
にだ
)
して
用
(
もちう
)
れば大に
裨益
(
ひえき
)
あればとて、
即時
(
そくじ
)
、
价
(
しもべ
)
を
馳
(
は
)
せて
贈
(
おく
)
られたるなど、余は
感泣
(
かんきゅう
)
措
(
お
)
くこと
能
(
あた
)
わず、
涕涙
(
ているい
)
しばしば
被
(
ひ
)
を
沾
(
うるお
)
したり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
母親のもとへとお歳暮のしるしにお弟子が持って来る砂糖袋や
鰹節
(
かつぶし
)
なぞがそろそろ
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
へ並び出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しばらくすると、出し渋っていた酒が、そこへ運ばれて、
鰹節
(
かつぶし
)
を掻く音などが台所から聞えて来た。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
塩、
鰹節
(
かつぶし
)
、
太物
(
ふともの
)
、その他上田で小売する商品の中には、小諸から供給する荷物も少くないという。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
久さんのおかみは亭主の久さんに
沢庵
(
たくわん
)
で早飯食わして、
僕
(
ぼく
)
かなんぞの様に仕事に追い立て、あとでゆる/\
鰹節
(
かつぶし
)
かいて
甘
(
うま
)
い
汁
(
しる
)
をこさえて、九時頃に起き出て来る親分に吸わせた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
卑
(
さも
)
しい事を言うようだが、其日の弁当の
菜
(
さい
)
は母の手製の
鰹節
(
かつぶし
)
でんぶで、私も好きだが、ポチの大好きな物だったから、我慢して半分以上残したのが、チャンと弁当箱に入っている。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
鍋
(
なべ
)
へ水を入れたのも、
鰹節
(
かつぶし
)
をかいたのも、汁の實を入れたのも、そして戸棚の味噌の小出し
瓶
(
がめ
)
から、
杓子
(
しやもじ
)
で味噌出して、鍋の中に入れたのも、
悉
(
こと/″\
)
くお夏のやつたことに間違ひもなく
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
家内を瞞したりお友達を
鰹節
(
かつぶし
)
に使ったり、まあ、何たる大悪人でございましょう!
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「どうだかわかりゃしない、猫に
鰹節
(
かつぶし
)
を預けたようなものだから」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
下の
抽斗
(
ひきだし
)
に
鰹節
(
かつぶし
)
があるから。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「しんせつにしてやらないからですよ。
鰹節
(
かつぶし
)
をたくさんかけてやれば、お
腹
(
なか
)
がすいているのなら、
食
(
た
)
べないことはありません。」
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その他にも理由はいろいろあるが、あまり長くなるから略する事に致す。聞きたければ
鰹節
(
かつぶし
)
の
一折
(
ひとおり
)
も持って習いにくるがいい、いつでも教えてやる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
妻君「その
塩梅
(
あんばい
)
では餡の方にも
好
(
よ
)
い事がありましょうね」お登和「餡は最初
昆布
(
こぶ
)
と
鰹節
(
かつぶし
)
で
煎汁
(
にだし
)
をお拵えなさい。それへお砂糖とお醤油で味をつけて葛を ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
食物
(
くいもの
)
ア江戸口で、お
前
(
めえ
)
塩の甘たっけえのを、江戸では斯う云う
旨
(
うめ
)
え
物
(
もん
)
喰って居るからって、
食物
(
くいもな
)
ア大変
八釜
(
やかま
)
しい、
鰹節
(
かつぶし
)
などを山の様に掻いて、
煮汁
(
にしる
)
を取って
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母親のもとへとお
歳暮
(
せいぼ
)
のしるしにお
弟子
(
でし
)
が持つて来る
砂糖袋
(
さたうぶくろ
)
や
鰹節
(
かつぶし
)
なぞがそろ/\
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
へ
並
(
なら
)
び出した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その横について荒町の通へ出ると、畳表、
鰹節
(
かつぶし
)
、茶、雑貨などを商う店々の軒を並べたところに、可成大きな
鍛冶屋
(
かじや
)
がある。高い暗い屋根の下で、古風な
髷
(
まげ
)
に結った
老爺
(
ろうや
)
が
鉄槌
(
てっつい
)
の音をさせている。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「近藤に虎徹は、猫に
鰹節
(
かつぶし
)
のようなものだ」
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ねこは、また、ねこで、だんだん
横着
(
おうちゃく
)
になってきました。
鰹節
(
かつぶし
)
をたくさんかけなければ、ただ
香
(
にお
)
いを
嗅
(
か
)
いだばかりで
食
(
た
)
べようともいたしません。
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
第二十九
鰹節
(
かつぶし
)
エキス これ
我邦
(
わがくに
)
の特有物で
鰹節
(
かつぶし
)
から製します。まず上等の鰹節をおよそ一合ほど削って一合の水を加えて壺へ入れて二時間
湯煎
(
ゆせん
)
にします。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
猫の命日には、妻がきっと
一切
(
ひとき
)
れの
鮭
(
さけ
)
と、
鰹節
(
かつぶし
)
をかけた一杯の飯を墓の前に供える。今でも忘れた事がない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
沸立
(
にた
)
たせて
鰹節
(
かつぶし
)
を沢山入れて
煮出
(
にだ
)
しを取ってそれへ味淋を一合に
醤油
(
おしたじ
)
を一合ですからつまり三等分ですね。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そうして御米が湯を
沸
(
わ
)
かしているうちに、煮出しを拵えるとか云って、しきりに
鰹節
(
かつぶし
)
を
掻
(
か
)
いた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうして
御米
(
およね
)
が
湯
(
ゆ
)
を
沸
(
わ
)
かしてゐるうちに、
煑出
(
にだ
)
しを
拵
(
こしら
)
えるとか
云
(
い
)
つて、しきりに
鰹節
(
かつぶし
)
を
掻
(
か
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを
鰹節
(
かつぶし
)
の
煎汁
(
だし
)
とお酒と醤油とで二時間ほど気長に
弱火
(
とろび
)
で煮て三分位の輪切りにし出します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
わざわざ
鰹節
(
かつぶし
)
を買い込んで、これでパリーの下宿に
籠城
(
ろうじょう
)
するなんて大いばりだったが、パリーへ着くやいなや、たちまち
豹変
(
ひょうへん
)
したそうですねって笑うんだから始末がわるい。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから皮を
剥
(
む
)
いて
短冊
(
たんざく
)
に切って
鰹節
(
かつぶし
)
の
煮汁
(
だし
)
と醤油と味淋とで少し
鹹
(
から
)
い位に下煮をします。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
寒月君の前に
鰹節
(
かつぶし
)
が三本、裸のまま畳の上に行儀よく排列してあるのは奇観である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あるいは極く上等の塩鯖があればそれでも構いません。別に
昆布出
(
こぶだ
)
しの汁を
美味
(
おい
)
しく拵えて塩とホンの少しの
醤油
(
したじ
)
とで味を付けて
酢
(
す
)
を少し加えます、この汁には
鰹節
(
かつぶし
)
も味淋も砂糖も使いません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
自分が始めて彼の
膳
(
ぜん
)
を見たときその上には、
生豆腐
(
なまどうふ
)
と
海苔
(
のり
)
と
鰹節
(
かつぶし
)
の
肉汁
(
ソップ
)
が
載
(
の
)
っていた。彼はこれより以上
箸
(
はし
)
を着ける事を許されなかったのである。自分はこれでは
前途遼遠
(
ぜんとりょうえん
)
だと思った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしそれは惣菜で上等のお料理には
鰹節
(
かつぶし
)
で味を出さなければなりません
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
朝になってまた顔を洗って、茶の間へ来ると、妻が鼠の噛った
鰹節
(
かつぶし
)
を、
膳
(
ぜん
)
の前へ出して、
昨夜
(
ゆうべ
)
のはこれですよと説明した。自分ははあなるほどと、一晩中
無惨
(
むざん
)
にやられた鰹節を眺めていた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鰹節
(
かつぶし
)
一四・二七 七五・六〇 五・一一 五・〇二
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
原口さんは洋行する時には大変な気込で、わざ/\
鰹節
(
かつぶし
)
を買ひ込んで、是で
巴理
(
パリ
)
の下宿に籠城するなんて大威張だつたが、巴理へ着くや否や、
忽
(
たちま
)
ち豹変したさうですねつて笑ふんだから始末がわるい。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“鰹節”の解説
鰹節(かつおぶし)は、カツオの魚肉を煮熟してから乾燥させた日本の保存食品。「かつぶし」とも言う。なお、おかかは鰹節または削り節のことを指す。
(出典:Wikipedia)
鰹
漢検準1級
部首:⿂
22画
節
常用漢字
小4
部首:⽵
13画
“鰹節”で始まる語句
鰹節屋
鰹節小刀
鰹節形
鰹節籠
鰹節問屋
鰹節競争