通知つうち)” の例文
不面目ふめんもくゆゑ、国許くにもと通知つうち無用むよう、と当人たうにんかためたものゝ、はいやうで、とばかりで旅籠屋はたごやではましてられぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
可笑をかしいおもたんや。八時過ぎといふ通知つうちやのに、まだ七時にならんもんなア。……畫工、彼奴は喇叭が上手やよつて、欺されたんも無理はないわい。」
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
もし、なにたなら、通知つうちしてれ。うすれば酒手さかてすからと土方連どかたれん依頼いらいして、此所こゝつた。
しかし、きゅうおもいたってきたので、通知つうちもしなかったから、このちいさなさびしい停車場ていしゃじょうりても、そこに、上野先生うえのせんせい姿すがたいだしようはずがなかったのです。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
其後そのご便船びんせん通知つうちまいりましたので、そのほうやうやむねでおろし、日本につぽんかへこと其儘そのまゝおもとゞまつたのです。
もつと最後さいご三四日さんよつかおけ宗助そうすけはや安井やすゐひたいとおもふよりも、すこ事情じじやうがあるから、失敬しつけいしてさきつとわざ/\通知つうちしながら、何時迄いつまでつてもかげせないかれ安否あんぴ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
午後ごごより。」というように、時間じかんめて、おつのほうへ通知つうちをいたしました。けれど、時計とけいたなくなったおつのほうは、六がいつであるかわかりません。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
水谷氏みづたにし非常ひじやう兒島家こじまけ好意かういよろこび、一人いちにんもつ此聖跡このせいせきらすべきでいとして、斯道しだうのオーソリチーたる坪井博士つぼゐはかせ、それから華族人類學會くわぞくじんるゐがくくわい牛耳ぎうじらるゝ二絛公爵にでうこうしやく通知つうち
正式せいしき通知つうちないので、何時いつまとまつたか、宗助そうすけまるらなかつたが、たゞ折々をり/\佐伯さへきつては、なにいて小六ころくつうじてのみ、かれ年内ねんないしきげるはず新夫婦しんふうふ豫想よさうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
安井やすゐ一先ひとまづ郷里きやうり福井ふくゐかへつて、それから横濱よこはまつもりだから、もし其時そのときには手紙てがみして通知つうちをしやう、さうしてるべくなら一所いつしよ汽車きしや京都きやうとくだらう、もし時間じかんゆるすなら
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)