“述懐:じゅっかい” の例文
“述懐:じゅっかい”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治18
夏目漱石6
芥川竜之介2
太宰治1
谷崎潤一郎1
“述懐:じゅっかい”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 個人伝記0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
こう云う述懐じゅっかいをしているよりも、タイピストの学校へはいるために駆落かけおちを試みるに越したことはない。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ある時、かれは両国の橋番の小屋に休んで、番人のおやじにその述懐じゅっかいをすると、おやじも一緒に溜息をついた。
放し鰻 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いまの赤ん坊はその人たちのはじめに見た多くの赤ん坊よりも、なにかにつけて進んでいることを述懐じゅっかいします。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
検見けみ役人のように、家康は歩きながらも、田畑の耕作を、よく見ていた。そして、従者に、こんな述懐じゅっかいを聞かせたりした。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悠長ゆうちょうなやつ、かような出先でさきにたって、なにを述懐じゅっかいめいたことをぬかしおるか。それがなんといたしたのだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分のさかずきに親しまないのを知ったお兼さんは、ある時こういう述懐じゅっかいを、さもうらやましそうにらした事さえある。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「この暑いのに、こんなものを立てて置くのは、気狂きちがいじみているが、入れておく所がないから、仕方がない」と云う述懐じゅっかいをした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
光悦は、草木の精に成り代って、草木がいわんとすることを述懐じゅっかいしてみたいと思うのでございます。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
謙信が、ふと述懐じゅっかいしながら、隣へはいを乞うと、上杉憲政は、甚だしく済まないような顔して、
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、そのなかで、とくに興味深きょうみぶかおもわれたのは、金魚鉢きんぎょばちかんしてのかれ述懐じゅっかいであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
私は冬季休暇で、生家に帰り、あによめと、つい先日の御誕生のことを話し合い、どういうものだか涙が出て困ったという述懐じゅっかいに於て一致した。
一灯 (新字新仮名) / 太宰治(著)
自作の歌だ。数年まえに彼が述懐じゅっかいした歌である。いま、それを心の奥に口誦くちずさむ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「既に、我と彼との別、是と非との分を知らぬ。眼は耳のごとく、耳は鼻のごとく、鼻は口のごとく思われる。」というのが、老名人晩年の述懐じゅっかいである。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
獄中ごくちゅう述懐じゅっかい(明治十八年十二月十九日大阪未決監獄において、時に十九歳)
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
攘夷じょうい家の口吻こうふんを免れずといえども、その直截ちょくせつ痛快なる、懦夫だふをして起たしむるにあらずや。述懐じゅっかいの詩にいわく、
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「思い出す事など」は平凡で低調な個人の病中における述懐じゅっかいと叙事に過ぎないが、そのうちにはこの陳腐ちんぷながら払底ふっていおもむき
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
九州平定のいくさも終ったある日のこと、その大友具簡が、尊氏の侍僧日野賢俊けんしゅんにむかい、つくづく懺悔ざんげして、こう述懐じゅっかいしたというのである。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とおまさが、ことにふれての母にたいする述懐じゅっかいはいつでもきまってるが、どうかすると、はじめは平気へいきに笑いながら、気違いのうわさをいうてても
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
三右衛門は一言ひとことずつ考えながら、述懐じゅっかいするように話し続けた。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
母の死んだ時、これから世の中で頼りにするものは私より外になくなったといった彼女の述懐じゅっかいを、私ははらわたみ込むように記憶させられていたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、あった。その日ちょうど大雪だったので、雪によせての成政の述懐じゅっかいだったろうが、知らないのは雪ばかりでなく、佐々成政も、移りゆく世の動きを知らない一人だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうもうまくかけないものだね。人のを見ると何でもないようだがみずから筆をとって見ると今更いまさらのようにむずかしく感ずる」これは主人の述懐じゅっかいである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大人おとなしく官吏でいればいいものを、開港場のばか景気にそそられて、健気けなげな発奮をしたため、立志伝の逆をやり遂げてしまったというのが彼の述懐じゅっかいであった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恋しいは花漬売とはて取乱とりみだして男の述懐じゅっかい
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのうちエリザベス(エドワード四世の妃)が幽閉中の二王子に逢いに来る場と、二王子を殺した刺客せっかく述懐じゅっかいの場は沙翁さおうの歴史劇リチャード三世のうちにもある。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから種々述懐じゅっかいした後、小三郎はすずやかに誓約した。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはもっと後年の人物であるが、東軍流の三宅軍兵衛が人に語ったという直話をしるした或る古書にも、軍兵衛の述懐じゅっかいとして、戦陣に臨むおそろしさをこんなふうに述べている。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「全く危いところでしたよ。連日れんじつの努力で、もう身体も頭脳あたまも疲れ切っているのです。神経ばかり、たかぶりましてネ」と理学士もそばへよって来て述懐じゅっかいした。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、訊ねたのに対して、彼は初めてこう述懐じゅっかいした。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、思い止まろう。なるほど君のいう通りだ。人間はすぐ眼前の状態だけにとらわれるからいかんな。——閑に居て動を観、無事に居て変に備えるのは難かしいね」と、述懐じゅっかいして帰った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、正成はほんとの気もちのまま述懐じゅっかいしていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、肚の底から羗軍の猛威を述懐じゅっかいした。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
養父の宗十郎はこの頃擡頭たいとうした古典復活の気運にそそられて、再び荻江節の師匠に戻りたがり、四十年振りだという述懐じゅっかい前触まえぶれにして三味線しゃみせんのばちを取り上げた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
七兵衛は述懐じゅっかいめいたことを言う。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そういう述懐じゅっかいをしたことがある。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝家は、そんな述懐じゅっかいを洩らした。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せつなに、口もかわき、舌の根ももつれ、なにをさけんだか、あとでは自分でもわからない——というのが、後々、一騎当千なつわものと呼ばれるようになった人々にしても、正直に述懐じゅっかいするところである。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、述懐じゅっかいしている程だった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう述懐じゅっかいをもらして、
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の述懐じゅっかいに。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然し田舎住居がしたいと云う彼の述懐じゅっかいを聞いて、やゝ小首をかしげてのち、それは会堂も無牧で居るから、都合によっては来ておもらい申して、月々何程かずつ世話をして上げぬことはない、と云う鷹揚おうような態度を石山氏はとった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
つまり春琴女が思いを音曲おんぎょくにひそめるようになったのは失明した結果だということになり彼女自身も自分のほんとうの天分は舞にあった、わたしの琴や三味線しゃみせんめる人があるのはわたしというものを知らないからだ眼さえ見えたら自分は決して音曲の方へは行かなかったのにと常に検校に述懐じゅっかいしたという。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)