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れんらく
ふりがな文庫
“
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(
れんらく
)” の例文
ついては大隅氏の縁談は貴君にたのむより
他
(
ほか
)
は無い、先方の御住所は左記のとおりであるから、よろしく
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(
れんらく
)
せよ、という事であった。
佳日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それは上の書斎と、この地下室とを
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(
れんらく
)
する通話管であったのだ。あの異様に響く声は、まだ上にいるもう一人の三笠龍介に違いない。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
まるで見当はずれなので、銀子は
可笑
(
おか
)
しくもあり、赤坂の芸者屋と
聯絡
(
れんらく
)
でも取っているのかとも思い、見料をおいて
匆々
(
そうそう
)
にそこを出た。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
日附
(
ひづけ
)
は書いてないが
墨色
(
すみいろ
)
も書体も一様でないところを見ると、一
時
(
じ
)
に書いたものでないことが明らかで、
間々
(
まま
)
聯絡
(
れんらく
)
がついている。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
毛利方四万という本国勢の急援が間に合って、高松城と
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(
れんらく
)
をとり、呼応してお味方へ攻勢を展開してくるおそれのあることです
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
三人
連
(
づれ
)
の客だと、電話で
予
(
あらかじ
)
め女の方へ交渉して、客の方は
聯絡
(
れんらく
)
のついている
待合
(
まちあい
)
か旅館かへ行ってもらって家へは上げないようにしている。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お延にとって最も不幸な点は、現在の自分の力に余るこの二つのものの間に、きっと或る
聯絡
(
れんらく
)
が存在しているに相違ないという
推測
(
すいそく
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
外界との
聯絡
(
れんらく
)
を断たれて困っている生蕃へは、
威嚇
(
いかく
)
や攻撃やをいっそうはげしく加えるのである。生蕃が帰順すると、始めて線の外に解放する。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
同じように
仲間小者
(
ちゅうげんこもの
)
に身を
扮
(
やつ
)
して、仇家の偵察にも従事すれば、江戸じゅうを走り廻って、諸所に散在している同士の間に
聯絡
(
れんらく
)
をも取っていた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
この
舊新兩石器時代
(
きゆうしんりようせつきじだい
)
の
間
(
あひだ
)
には
聯絡
(
れんらく
)
があつて、けっして
無關係
(
むかんけい
)
のものとすることが
出來
(
でき
)
ないといふふうに、だん/″\
考
(
かんが
)
へられて
來
(
き
)
たのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それは良き一面の氏とは似てもつかない、そして或場合には両面全く
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(
れんらく
)
を持たないもののようにさえ感じられる。
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
個々の家庭に必ずある年寄と子供が、朝から晩まで
聯絡
(
れんらく
)
を保っていても、消えるものはやはり消えてしまいました。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
第三句の「草むさず」から第四句への
聯絡
(
れんらく
)
の具合、それから第四句で切って、結句を「にて」にて止めたあたり、皆繰返して読味うべきもののみである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ヨブは自己の語る所が風の如く秩序も
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(
れんらく
)
もなくして、取るに足らぬものなることを自認していたのである。これ望の絶えたる彼としては自然のことである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「君は若いにも似ず行儀が好いなあ」彼の話は少しも
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(
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)
がない、「上衣をよく着てられるね」
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
これに反して五百の監視の
下
(
もと
)
を離れた優善は、門を
出
(
い
)
でては昔の
放恣
(
ほうし
)
なる生活に立ち帰った。長崎から帰った塩田
良三
(
りょうさん
)
との間にも、定めて
聯絡
(
れんらく
)
が附いていたことであろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
國語
(
こくご
)
は
國民思想
(
こくみんしさう
)
の
交換
(
かうくわん
)
、
聯絡
(
れんらく
)
、
結合
(
けつがふ
)
の
機關
(
きくわん
)
で、
國民
(
こくみん
)
の
神聖
(
しんせい
)
なる
徽章
(
きしやう
)
でもあり、
至寶
(
しはう
)
でもある。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
あるいは
謄写
(
とうしゃ
)
したりして教師の目をくらますことである、それには全級の
聯絡
(
れんらく
)
がやくそくせられ、
甲
(
こう
)
から
乙
(
おつ
)
へ、乙から
丙
(
へい
)
へと答案を回送するのであった、もっと巧妙な作戦は
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それから一帯吉原田圃で、この方に太郎稲荷(この社は
筑後
(
ちくご
)
柳川
(
やながわ
)
立花
(
たちばな
)
家の下屋敷内にある)の藪が見え、西は入谷田圃に続いて
大鷲
(
おおとり
)
神社が見え、
大音寺前
(
だいおんじまえ
)
の方へ、吉原堤に
聯絡
(
れんらく
)
する。
幕末維新懐古談:12 名高かった店などの印象
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
と、イワン、デミトリチは
俄
(
にはか
)
に
思想
(
しさう
)
の
聯絡
(
れんらく
)
を
失
(
うしな
)
つて、
殘念
(
ざんねん
)
さうに
額
(
ひたひ
)
を
擦
(
こす
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それを受けて「雲に鳥」は、前のフレーズと
聯絡
(
れんらく
)
がなく、唐突にして奇想天外の着想であるが、そのため気分が一転して、詩情が実感的
陰鬱
(
いんうつ
)
でなく、よく詩美の幽玄なハーモニイを構成している。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
するとあの
唐艸
(
からくさ
)
をつけた、葬式に使ふ自動車が一台、もう一度僕のタクシイの前にぼんやりと後ろを現し出した。僕はまだその時までは前に挙げた幾つかの現象を
聯絡
(
れんらく
)
のあるものとは思はなかつた。
凶
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文化年中(多分六、七年頃であったように思う)越後の米を江戸に輸送する為に、舟運の許す限り上流まで、魚沼川と利根川とを利用し、清水峠を
開鑿
(
かいさく
)
して、二者を
聯絡
(
れんらく
)
しようと企てたものがあった。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
汽車に
聯絡
(
れんらく
)
しているこの汽船に乗らなければならない。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
たゞ前後の
聯絡
(
れんらく
)
の爲めに數行だけが必要である。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
前夜、京都からあらかじめ
聯絡
(
れんらく
)
はしてあったことである。一行は、直接宝寺城へは入らず、その日は、城下の
富田左近将監
(
とみたさこんしょうげん
)
の宿所に泊った。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏「というと、生死一如でもあり、また全々生死は
聯絡
(
れんらく
)
のないものとも考えるんですな。」私「ええ。」氏「願くばどっちかに片づけ度いもんですね。」私
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
土筆のツクツクホウシは既に九州に始まり、北は奥州の一端に及んで、その隣のヅクボウと
聯絡
(
れんらく
)
を保っている。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
見送っている
中
(
うち
)
に兼太郎はふと何の
聯絡
(
れんらく
)
もなく、
柳橋
(
やなぎばし
)
の
沢次
(
さわじ
)
を他の男に取られた時の事を思出した。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
N市とS村を
聯絡
(
れんらく
)
するたった一台のボロ乗合自動車は、夜十時を過ぎると運転手が帰ってしまうし、N市といっても山国の小都会のことだから、営業自動車は四五台しかなく
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
前哨
(
ぜんしょう
)
たる米屋の店と
聯絡
(
れんらく
)
を取って、何かの
便宜
(
べんぎ
)
を計るためであったことはいうまでもない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
均平は淡い
嫉妬
(
しっと
)
のようなものから来る興味を感じたが、銀子はいつも話の要点をそらし、前後の
聯絡
(
れんらく
)
にも触れない方だったので面倒くさいことを話しだしたものだというふうで
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どこの国にも沢山ある、極て普通な出来事である。西洋の新聞ならば、紙面の隅の方の二三行の記事になる位の事である。それが一時世間の大問題に
膨脹
(
ぼうちょう
)
する。
所謂
(
いわゆる
)
自然主義と
聯絡
(
れんらく
)
を附けられる。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
所謂
(
いわゆる
)
「
聯絡
(
れんらく
)
」をつけるのでした。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
と、知ると同時に信長は、派遣軍と安土との
聯絡
(
れんらく
)
が
遮断
(
しゃだん
)
される危機にあることを察して、自身の
喉首
(
のどくび
)
へ敵手が懸って来たような
焦
(
あせ
)
りを覚えた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これに反して『七部集』の歌仙などは、句ごとの
聯絡
(
れんらく
)
にポウズ(停止)があり、また
苦吟
(
くぎん
)
がある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
全く
聯絡
(
れんらく
)
がない様にも見える。また、何かしらつながりがなくてはならぬ様にも思われる。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
庸三は何事が起こるかと、耳を
聳
(
そばだ
)
ててじっとしていたが、例の油紙に火のついたように、能弁に
喋
(
しゃべ
)
り立てる葉子の声が風に送られて、言葉の
聯絡
(
れんらく
)
もわからないながらに、次第に耳に入って来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
絶対に光秀を
忌避
(
きひ
)
して、光秀を逆賊となす者のある一面には、暗に、彼の
聯絡
(
れんらく
)
にたいして
黙契
(
もっけい
)
をもってこたえ、情勢の進展とにらみ合わせて
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしてまた教える側でも、特に計画ある幼稚園でもない限り、いつも手近い
仕来
(
しきた
)
りをそのまま利用しますから、偶然に一種の駅伝競走の如く、大昔との
聯絡
(
れんらく
)
を見るのであります。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ですから、娘達の
敵
(
かたき
)
を取るためには、わしの全財産を
擲
(
なげう
)
っても惜しくはありません。君に一切をお任せしますから、警視庁の中村君とも
聯絡
(
れんらく
)
を取って、出来るかぎりの手段をつくして下さい
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かねて岡崎の奉行とも
聯絡
(
れんらく
)
はあったらしい。又四郎は彼を
引
(
ひ
)
っ
縛
(
くく
)
ると、その体を小脇にかかえて
疾風
(
しっぷう
)
のように駈け出した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本社との
聯絡
(
れんらく
)
が
疎
(
うと
)
くなれば、弊害の次第に激化するのも当然であるが、それが官権によって制御せられず、実際にまた
偏鄙
(
へんぴ
)
の土地であるだけに、悪いたくらみを働かすほどの誘惑もなく
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
という緊密な
聯絡
(
れんらく
)
があったものに相違なく、同日、徳川家康も、その精鋭をひきいて、自身、清洲まで馬をすすめて来た。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その政敵であった長田大主(ナータフーヂ)は、古見に
遁
(
のが
)
れて生命を全うし、援を中山に
乞
(
こ
)
うたということが、『由来記』に見えているが、そういう遠方の
聯絡
(
れんらく
)
ができたかどうかはおぼつかない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
また遠くは、上州三国の
嶮
(
けん
)
をこえて、越後春日山へ討ち入り、上杉勢の本拠をつくべく、すでに呼応の
聯絡
(
れんらく
)
をとっていた滝川
一益
(
かずます
)
麾下
(
きか
)
の軍隊へも。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
全国の山地で山人の話の特に多いところが、近世では十数箇処あって、互いに隔絶してその間の
聯絡
(
れんらく
)
は絶えていたかと思われ、気をつけてみると少しずつ、気風習性のごときものが違っていました。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
同志の間には、少しも
聯絡
(
れんらく
)
がとれていない。何か、ちりぢりばらばらな
惰気
(
だき
)
が感じられて、惣右衛門は
憤々
(
むかむか
)
した。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
、従兄弟の光春へあてて
早打
(
はやうち
)
した書面は、本来、遅くも十三日の朝には着いてよいはずだが、途中の
聯絡
(
れんらく
)
が困難なために、これが光春の手にとどいたのは
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「元祐の家老、竹井惣左衛門があやしい。先頃から薬売りの小西屋弥九郎と幾度か密会し、彼をもって、寄手の羽柴勢となにか
聯絡
(
れんらく
)
をとったような
形跡
(
けいせき
)
もみえる」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聯
漢検準1級
部首:⽿
17画
絡
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
“聯絡”で始まる語句
聯絡毎