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稚
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わか
ふりがな文庫
“
稚
(
わか
)” の例文
不規則な池を人工的に
拵
(
こしら
)
えて、その周囲に
稚
(
わか
)
い松だの
躑躅
(
つつじ
)
だのを普通の約束通り配置した景色は平凡というよりむしろ卑俗であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「わしやまた、坊んちに嫁はん世話するより、自分に坊んちみたいな
稚
(
わか
)
い子の嫁はんになつてみたいな、一日でよいさかい。……」
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それより木が
稚
(
わか
)
くっても出ず、それより古くなっても出なくなります。しめじは木の稚い処へ出ますけれども松茸はそういう処へ出ません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
左は楊と
稚
(
わか
)
松と雑木の緑と鬱とした青とで野趣そのままであるが、遊園地側の白い道路は直立した細い赤松の竝木が続いて
日本ライン
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現に今日も私より
稚
(
わか
)
い芸能人に芸道上の注意を与える場合、必ずやそれはこの序、破、急の欠陥以外にはないから妙である。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
一旦
(
ひとたび
)
一四四
樹神
(
こだま
)
などいふおそろしき
鬼
(
もの
)
の
栖
(
す
)
む所となりたりしを、
稚
(
わか
)
き
女子
(
をんなご
)
の
一四五
矢武
(
やたけ
)
におはするぞ、
一四六
老が物見たる中のあはれなりし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
例えば
稚
(
わか
)
くして山に
紛
(
まぎ
)
れ入った姉弟が、そのころの
紋様
(
もんよう
)
ある
四
(
よ
)
つ
身
(
み
)
の衣を着て、ふと親の家に還ってきたようなものである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ソウだ、昨夜の露、アの無声の露が、地を潤ほして、軟かにしてくれたので、
稚
(
わか
)
い芽は自らを延ばし得たのだ
土民生活
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
第九
食物
(
しよくもつ
)
も
衣服
(
いふく
)
の
如
(
ごと
)
く
分限
(
ぶんげん
)
によるは
勿論
(
もちろん
)
なれど、
肉食
(
にくしよく
)
は
鮮
(
あざら
)
けく
新
(
あた
)
らしき
品
(
しな
)
、
野菜
(
やさい
)
は
稚
(
わか
)
き
柔
(
やわらか
)
なる
品
(
しな
)
を
擇
(
えら
)
ぶべし。よく
烹熟
(
にたき
)
して、
五穀
(
ごこく
)
に
交
(
まじ
)
へ
喰
(
くら
)
ふをよしとする
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
次に國
稚
(
わか
)
く、
浮
(
う
)
かべる
脂
(
あぶら
)
の如くして
水母
(
くらげ
)
なす
漂
(
ただよ
)
へる時に、
葦牙
(
あしかび
)
五
のごと
萠
(
も
)
え
騰
(
あが
)
る物に因りて成りませる神の名は、
宇摩志阿斯訶備比古遲
(
うましあしかびひこぢ
)
の神
六
。次に
天
(
あめ
)
の
常立
(
とこたち
)
の神
七
。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
小春日和
(
こはるびより
)
の午後の陽ざしは、トシオの広い賢げな額や、健康らしく肉付きの引しまった頬に吸い寄りました。そしてこの
稚
(
わか
)
い
冥想家
(
めいそうか
)
の脊を、やわらかく
撫
(
な
)
で温めました。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
稚
(
わか
)
ければ
道行
(
みちゆ
)
き
知
(
し
)
らじ
幣
(
まひ
)
はせむ
黄泉
(
したべ
)
の
使
(
つかひ
)
負
(
お
)
ひて
通
(
とほ
)
らせ 〔巻五・九〇五〕 山上憶良
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「若菜集」を讀む前にませて
歪
(
ゆが
)
んだ或種の思想を
擁
(
いだ
)
いて
居
(
を
)
ればこそ他に無垢なる光明世界のあるのを見ないのであらう。輝ける
稚
(
わか
)
き世——それが「若菜集」の世界である、
嬥歌
(
かゞひ
)
の
塲
(
には
)
である。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
⦅妾は
稚
(
わか
)
かつたのです、キリスト様は妾の息吹をお汚しなすつた
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
が、それは
伊丹幸
(
いたこう
)
の
政巳
(
まさみ
)
と云って、お珊が
稚
(
わか
)
い時から可愛がった妹分。その女は、と探ってみると、現に丸官に呼ばれて、浪屋の表座敷に居ると云うから、その身代りが交ったというのでもないのに。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妖精
(
ようせい
)
というものは
姿
(
すがた
)
も
可愛
(
かわい
)
らしく、
心
(
こころ
)
も
稚
(
わか
)
く、
少
(
すこ
)
しくこちらで
敵意
(
てきい
)
でも
示
(
しめ
)
すと、
皆
(
みな
)
怖
(
こわ
)
がって
何所
(
いずこ
)
とも
知
(
し
)
れず
姿
(
すがた
)
を
消
(
け
)
して
了
(
しま
)
う。
人間界
(
にんげんかい
)
で
妖精
(
ようせい
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
る
者
(
もの
)
が、
大
(
たい
)
てい
無邪気
(
むじゃき
)
な
小児
(
しょうに
)
に
限
(
かぎ
)
るのもその
故
(
せい
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
稚
(
わか
)
いゑんどうの澱粉や緑金が
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稚
(
わか
)
い
雌松
(
めまつ
)
の林があり、こんもりとした
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
がある。藪の外にはほのぼのとした薄くれないの木の花も咲いている。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
唐黍や
立穗
(
たちほ
)
の
稚
(
わか
)
き
八
(
や
)
つ
房
(
ぶさ
)
に照りつくるしろき
旱雲
(
ひでりぐも
)
なれ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
唐黍や
立穂
(
たちほ
)
の
稚
(
わか
)
き
八
(
や
)
つ
房
(
ぶさ
)
に照りつくるしろき
旱雲
(
ひでりぐも
)
なれ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
国
成
(
な
)
りき、
綿津見
(
わたつみ
)
の
潮
(
しほ
)
と
稚
(
わか
)
く
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
國
成
(
な
)
りき、
綿津見
(
わたつみ
)
の
潮
(
しほ
)
と
稚
(
わか
)
く
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
国
(
くに
)
ありき、綿津見の
潮
(
しほ
)
と
稚
(
わか
)
く
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
國
(
くに
)
ありき、綿津見の
潮
(
しほ
)
と
稚
(
わか
)
く
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
国
稚
(
わか
)
く、
浮脂
(
うきあぶら
)
なす
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
稚
常用漢字
中学
部首:⽲
13画
“稚”を含む語句
幼稚
稚子
稚児
稚兒
稚心
天稚彦
丁稚
稚内
幼稚園
稚顔
稚気
稚児髷
稚氣
丁稚小僧
稚郎子
稚時
幼稚意
稚拙
丁稚奉公
稚児輪
...