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片脚
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かたあし
ふりがな文庫
“
片脚
(
かたあし
)” の例文
大砲をうつとき、
片脚
(
かたあし
)
をぷんとうしろへ挙げる
艦
(
ふね
)
は、この前のニダナトラの
戦役
(
せんえき
)
での負傷兵で、音がまだ脚の神経にひびくのです。
烏の北斗七星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あまり、こいつが、いい
気
(
き
)
になって、
自分
(
じぶん
)
の
声
(
こえ
)
を
自慢
(
じまん
)
するからさ。」と、はやぶさは、こまどりを
片脚
(
かたあし
)
で
押
(
お
)
さえつけて、いいました。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
掌
(
てのひら
)
を
開
(
ひら
)
いて、ぱつ、と
出
(
だ
)
す。と
一同
(
いちどう
)
はどさ/\と
又
(
また
)
退
(
すさ
)
つた。
吃驚
(
びつくり
)
して
泥田
(
どろた
)
へ
片脚
(
かたあし
)
落
(
おと
)
したのもある、……ばちやりと
音
(
おと
)
して。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三番
片脚
(
かたあし
)
乗らんか、三番片脚乗らんかと
呶鳴
(
どな
)
っている男は、今しがた厩舎の者らしい風体の男が三番の馬券を買って行ったのを見たのだ。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「じゃア君、頼むよ、一時間でも早く届くように。」と待たして置いた
俥
(
くるま
)
に乗移って、「
片脚
(
かたあし
)
棺桶
(
かんおけ
)
に掛ってるんだから気が短かくなった。」
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
手許
(
てもと
)
の
火鉢
(
ひばち
)
に
載
(
の
)
せた
薬罐
(
やかん
)
からたぎる
湯気
(
ゆげ
)
を、千
切
(
ぎ
)
れた
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の
片脚
(
かたあし
)
のように、
頬
(
ほほ
)
を
引
(
ひ
)
ッつらせながら、
夢中
(
むちゅう
)
で
吸
(
す
)
い
続
(
つづ
)
けていたのは
春重
(
はるしげ
)
であった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
岸本は
屋外
(
そと
)
へ出て日頃よく行く店へ
煙草
(
たばこ
)
を買いに寄って見た。そこの亭主はまた
片脚
(
かたあし
)
失うほどの負傷をして今は戦地の病院の方に居るとのことで有った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これは
立像
(
りゅうぞう
)
で、手に
蓮
(
はちす
)
を持っている。次が
制吒迦童子
(
せいたかどうじ
)
、岩に腰を掛け、
片脚
(
かたあし
)
を揚げ、片脚を下げ、
捻
(
ねじ
)
り棒を持っている。この二体が出来て来ると、次は本体の不動明王を彫るのです。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
あわれなひとり者の死に様をする為に其温かな
巣
(
す
)
からさまよい出られねばならなかったのでしょうか?
世故
(
せこ
)
を
経尽
(
へつく
)
し人事を知り尽した先生が、何故其老年に際し、
否
(
いや
)
墓に
片脚
(
かたあし
)
下
(
おろ
)
しかけて
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
軍人
(
ネーブ
)
が
顛覆
(
ひつくりかへ
)
しました、
極
(
きは
)
はめて
注意
(
ちうい
)
して、
片脚
(
かたあし
)
を
以
(
もつ
)
て。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
片脚
(
かたあし
)
あげては
小便
(
せうべん
)
だ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
片脚
(
かたあし
)
の
鶴
(
つる
)
が
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
みんな
六
(
む
)
つの
瀬戸
(
せと
)
もののエボレットを
飾
(
かざ
)
り、てっぺんにはりがねの
槍
(
やり
)
をつけた
亜鉛
(
とたん
)
のしゃっぽをかぶって、
片脚
(
かたあし
)
でひょいひょいやって行くのです。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
(
それ
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
は
無
(
な
)
いが、
如何
(
いか
)
に
人
(
ひと
)
を
恐
(
おそ
)
れねばとて、
直
(
す
)
ぐ
其
(
そ
)
の
鶏冠
(
とさか
)
の
上
(
うへ
)
で、
人一人
(
ひとひとり
)
立騒
(
たちさは
)
ぐ
先刻
(
さつき
)
から、
造着
(
つくりつ
)
けた
躰
(
てい
)
にきよとんとして、
爪立
(
つまだ
)
てた
片脚
(
かたあし
)
を
下
(
お
)
ろさうともしなかつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女
(
おんな
)
はいい
声
(
こえ
)
で
歌
(
うた
)
い、
立
(
た
)
って
踊
(
おど
)
っている
男
(
おとこ
)
は、
片脚
(
かたあし
)
を
上
(
あ
)
げて、
唇
(
くちびる
)
に
笛
(
ふえ
)
を
当
(
あ
)
てて
吹
(
ふ
)
いていました。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
片脚
(
かたあし
)
同志
(
どうし
)
が
集
(
あつま
)
つて
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
片っ方の翅をひらいたり、
片脚
(
かたあし
)
でぶるぶる立ったり、枝へ
爪
(
つめ
)
を引っかけてくるっと逆さになって
小笠原
(
おがさわら
)
島のこうもりのまねをしたりしていました。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
柏
(
かしわ
)
の木はみんな度をうしなって、
片脚
(
かたあし
)
をあげたり両手をそっちへのばしたり、眼をつりあげたりしたまま化石したようにつっ立ってしまいました。
かしわばやしの夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
するとこんどは白象が、
片脚
(
かたあし
)
床
(
ゆか
)
にあげたのだ。百姓どもはぎょっとした。それでも仕事が
忙
(
いそが
)
しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。
オツベルと象
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
晩
(
ばん
)
ホモイは
夢
(
ゆめ
)
を見ました。高い高い
錐
(
きり
)
のような山の
頂上
(
ちょうじょう
)
に
片脚
(
かたあし
)
で立っているのです。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ちょうど
片脚
(
かたあし
)
をあげておどりのまねをはじめるところでしたが二人の来たのを見てまるでびっくりして、それからひどくはずかしがって、あげた片脚の
膝
(
ひざ
)
を、間がわるそうにべろべろ
嘗
(
な
)
めながら
かしわばやしの夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
丁度
(
ちょうど
)
七つの森の一番はじめの森に
片脚
(
かたあし
)
をかけたところだったのです。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
脚
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片方
片時
片側
片膝
片足