流行りゅうこう)” の例文
みやこは、ちょうどなつのはじめの季節きせつでありましたから、まち唐物店とうぶつみせには、流行りゅうこううつくしいがさが、いく種類しゅるいとなくならべてありました。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
いくら流行りゅうこうおくれなふうはしていても、それがために、王女の美しさにも、かわいらしさにも、いっこう、かわりはなかったのですからね。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ついで英露仏等の諸国も来りて新条約の仲間入なかまいりしたれども、その目的は他に非ず、日本との交際こうさいあたかも当時の流行りゅうこうにして、ただその流行にれて条約を結びたるのみ。
熱海あたみ修善寺しゅぜんじ箱根はこねなどは古い温泉場でございますが、近年は流行りゅうこういたして、また塩原しおばらの温泉が出来、あるい湯河原ゆがわらでございますの、又は上州に名高い草津くさつの温泉などがございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その秋の赤痢せきり流行りゅうこうのさい、親子おやこ五人ひとりものこらず赤痢せきりをやった。とうとう妻と子ども三人とはひと月ばかりのあいだに死亡しぼうし、花前は病院びょういんにあってそれを知らないくらいであった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
悪病あくびょう流行りゅうこうしています。その伝染でんせんはやさといったらかぜのようであります。このぶんなら人間にんげんがみんなえてしまうであろうとおもいます。」
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふたりは、そのじぶん、上手じょうずでひょうばんの美容師びようしをよんで、頭のかざりから足のくつ先まで、一のすきもなしに、すっかり、流行りゅうこうのしたくをととのえさせました。
「きっと、これから、きた店飾みせかざりが流行りゅうこうすることだろう……。」と、また空想くうそうにふけりながらゆくものもありました。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
原因不明げんいんふめいかる熱病ねつびょうが、村々むらむら流行りゅうこうしたのは、そののちのことです。しかし、がたつと、いつしかその病気びょうきも、あとかたなくえてしまいました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
流行りゅうこうは、ちょうど黴菌ばいきんのように感染かんせんするものです。そして、また、それとおなじように、人間にんげんわざわいするものでした。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてすこし注意ちゅういすると、世間せけんではいつからか、らんが流行りゅうこうしていて、玩賞がんしょうされているのにづきました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このくにからもわれた老人ろうじんは、その、どこへいったか、るものはなかったのでした。そして、いつしか、ひすいにたいする異常いじょう流行りゅうこうは、やんでしまいました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このはなしが、まったく、不思議ふしぎはなしとしてつたわりました。その翌年よくねんのこと、むらわる病気びょうき流行りゅうこうしました。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ずっとまえには、ちょっと旅行りょこうするのにも、バスケットをげてゆくというふうで、流行りゅうこうしたものです。
古いてさげかご (新字新仮名) / 小川未明(著)
あたらしい器械きかい発明はつめいされたとか、あたらしい思想しそう流行りゅうこうするとか、また、戦争せんそうなどということがあって、さかえた職業しょくぎょうが、きゅう衰微すいびしたり、また反対はんたい衰微すいびしていたものが
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある、かぜのこと、彼女かのじょそとからかえると、ちがった水色みずいろ流行りゅうこうながえりきをしていました。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちひとをやって、流行りゅうこううつくしい、のさめるようなはなやかな着物きものや、また、かざりのついた人形にんぎょうなど、なんでもむすめりそうなものを、くるまにたくさんんでってきて
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
化粧けしょうしたようなあるきつきや、ただ、流行りゅうこうをまねさえすれば、うつくしくえるとでもおもっている、けばけばしくて、あかぬけのしないようすが、若者わかものにはかえってあわれみをそそったのでした。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母親ははおやは、流行りゅうこうしながほしかったけれど、がまんをしました。
お母さんのかんざし (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし、ご結婚けっこんをなされば、このくに疫病えきびょう流行りゅうこうします。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)